【ドバイ(UAE)27日=木南友輔】悲願のドバイワールドC(G1、ダート2000メートル)制覇へ向け、昨年の最優秀ダート馬ホッコータルマエ(牡6、西浦)がダートコースで最終調整を終えた。1年前は最下位の16着に沈んだ因縁の一戦。送り出す西浦勝一師(64)は、主戦の幸騎手にすべてを託す。3競走で計7頭の日本馬がスタンバイ。強力布陣で勝利を狙う。

 決戦前日の朝、快晴の空が馬場入りする日本馬たちを出迎えた。ワールドカップ制覇を目指すホッコータルマエは西浦助手を背に登場。完成された6歳馬の体はどの馬よりも輝いて見える。ダートコースのキャンターからゲート練習へ。脇でその動きを確認した西浦師は笑顔で報道陣に囲まれた。「昨年はマイル(フェブラリーS)で負け、慣れないタペタでのストレスでああいう結果になった。今年はドバイに合ったローテだし、馬がすごく走りたがっているみたい。理想通りの調整ができた」。声を弾ませるほどの手応えだ。

 84年のジャパンC、カツラギエースの勝利は日本馬初、そして、西浦勝一による日本人騎手初の快挙だった。騎手起用にはこだわりがある。タルマエは5戦目で幸に依頼。その後は騎乗停止で乗れなかった13年アンタレスSを除き、今回で25戦目のコンビになる。「僕には大きな意義のあること。周りからはどう評価されるかわからない。でも、馬だけでなく、日本は騎手もすごいんだぞ、と証明したい。幸が勝って、日本人騎手も世界一と認められてほしい」。ホッコータルマエで、主戦幸で世界一へ。その瞬間が近づいている。

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