クリンチャー重賞初V「G1を」目標春盾/京都記念

ゴール前で差し切って京都記念を制したクリンチャー(左)、右は3着に敗れたレイデオロ(撮影・白石智彦)
ゴール前で差し切って京都記念を制したクリンチャー(左)、右は3着に敗れたレイデオロ(撮影・白石智彦)

<京都記念>◇11日=京都◇G2◇芝2200メートル◇4歳上◇出走10頭

 4番人気クリンチャー(牡4、宮本)がG1馬4頭を負かし、重賞初制覇を果たした。直線は同期のダービー馬レイデオロ、皐月賞馬アルアインとの争いになったが、体ひとつ抜け出した。鞍上の藤岡佑介騎手(31)は京都記念初制覇。次走は未定だが、今春の目標に掲げる天皇賞・春(G1、芝3200メートル、4月29日=京都)でのJRA・G1初制覇へ、人馬ともに歩を進める。

 雪がちらつく淀の4コーナー、クリンチャーはクラシックホース2頭を外に見ながら坂を下った。ぽっかりと空いた馬場の真ん中を通り、ダービー馬と皐月賞馬を追い抜く。内柵沿いを伸びるエリザベス女王杯馬もラスト50メートルでとらえた。同期のG1馬4頭を抑えての重賞初勝利。これがこの日4勝目だった藤岡佑騎手は「本当によく差しきってくれた。いつもと違ったパターンのレースだったけど、よく応えてくれた」とパートナーをたたえた。

 クリンチャーにとって、これが通算8戦目だが、新馬戦を除く7戦で藤岡佑騎手が騎乗してきた。昨年はクラシックにフル参戦。皐月賞4着の後、先行すると思われたダービーでは前にすら行けず、13着に敗れる失意を味わった。だが、菊花賞では3コーナーからジワジワとポジションを上げて2着。脚質転換に成功すると同時に「このうえなくタフ」という愛馬の持ち味を引き出した。だが、もちろん満足はしなかった。「あそこまでいったら勝ちたかった」。自身6度目のJRA・G1・2着で、初制覇は持ち越しとなった。

 菊花賞後、クリンチャー陣営は早くから天皇賞・春を目標に掲げていた。それにはさらなる成長が不可欠だったが、4歳初戦で見せた。「今日は斤量を含め、この馬に条件が向いたけど、確実に力もつけている。これからもっと良くなりそうな雰囲気」と鞍上。宮本師も「今年になって本当に力をつけた。坂路でこれまで出なかったような時計が出るし、不正駈歩(かけあし=※)も出なくなった」と確かな成長を感じている。

 「この馬でG1を勝ちたい」と藤岡佑騎手。春の悲願成就が現実味を帯びてきた。【岡本光男】

 ※不正駈歩(かけあし) 前脚と後ろ脚で手前が違ってしまうこと。

 [2018年02月12日 07時30分 紙面から]

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