ウインテンダネス、内田の頭脳プレーでV/目黒記念

<目黒記念>◇27日=東京◇G2◇芝2500メートル◇4歳上◇出走16頭

 豪腕さく裂だ。内田博幸騎手(47)騎乗の9番人気ウインテンダネス(牡5、杉山)がゴール寸前で抜け出し、重賞初制覇を飾った。勝ち時計2分29秒7はレコードに0秒1差まで迫る好タイム。杉山晴紀調教師(36)も重賞初制覇となった。

 ほとんど感覚の残っていない両腕を懸命に押し出した。残り100メートルを切って、内田騎手とウインテンダネスが馬群を割った。ポポカテペトルとノーブルマーズの間。右ムチ連発に応えて、前に出た。「追っていても腕が出ているのかわからなかったよ」。ゴール寸前で瞬時に3/4馬身抜け出た完勝も、相棒をねぎらう余裕は残っていない。無我夢中でつかんだ勝利だった。

 道中は我慢に我慢を重ねた。前走は逃げて2分22秒9の好タイム勝ち。「前走で逃げたし今回で掛かるのはわかっていたけど、前に行かないと勝てない」。勝ちにいくために、あえてけんかを挑んだ。発馬直後に手綱をしごき、好位を確保。その後は必死になだめた。「切れないから後ろから行くときつい。何が何でも行こうと思って。最後はよく頑張ってくれた。頭が下がるよね」。鐙(あぶみ)の上で踏ん張り、全力で手綱を引く。腕はしびれ、指先の感触はまひした。3角まで続いた格闘は、先行有利の馬場状態を考慮した頭脳プレーの結果。好判断で重賞初制覇に導いた。

 杉山師にとっては重賞初制覇。師は「馬が成長している。精神面の強さがついてきましたね。使い詰めで(出走を)悩んでいたが、出来がいいのでどこまでやれるかと思っていた」と目尻を下げる。3走前からメンコを外し、直近4戦で3勝。レコードに0秒1差に肉薄した激走をたたえた。すでに今年5戦を消化しているため、今後は未定。ダービーの興奮そのままに、多くの観衆が新星誕生の瞬間を見届けた。【松田直樹】

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