サトノワルキューレ飛んできた重賞初V/フローラS
<フローラS>◇東京=22日◇G2◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走16頭◇2着までにオークスの優先出走権
単勝1番人気のサトノワルキューレ(角居)が、最後方から強烈な末脚を見せて重賞初勝利を挙げた。2角でごちゃつくのを嫌い、後方待機で末脚にかけた作戦でデビュー直後から目標にしていた5月20日のオークス(G1、芝2400メートル=東京)への出走権を手にした。
1頭だけ後方から飛んできた。東京開幕週の前が止まらない高速馬場。それでもサトノワルキューレは、最後方から次元の違う脚を見せた。4角を回った瞬間一気にペースを上げる。上がり3ハロンのタイムはメンバー最速となる33秒4。強烈な末脚を見せて、残り100メートルで粘る先行馬2頭を見事に差し切った。
M・デムーロ騎手は胸を張って言った。「新馬のころから東京は良さそうと思っていた。それを信じていた」。思い切った後方待機策を取った。スタートが速くなかったこともあるが、最大の理由はごちゃつくのを嫌ったためだ。東京の芝2000メートルはスタートしてすぐにコーナーがある。2走前の梅花賞では不利を受けて3着に負けた。内寄り4番枠ということもあり、不利を受ける可能性が低い最後方の位置を選んだ。前の止まらない傾向は分かっていたが、それを逆転できる末脚があると信じていた。
角居師は「レース中はずっと大丈夫かな、と思って見ていた」と笑いながら振り返った。デビュー直後からオークスを念頭に置いていた。性格を落ち着かせ、馬体をふっくらとさせることに専念。距離適性を重視し、牡馬が相手になっても長めのレースを使ってきた。「(オークスに)使えないことには意味がないから」。初重賞でも今回は勝負の一戦。きっちり結果を出した。M・デムーロは同厩舎のカンタービレ(前走フラワーC1着)とオークスでどちらに乗るかは未定。それでもワルキューレがこの日見せた末脚は、打倒桜花賞組に希望を見いだせる走りだった。【三上広隆】