英競馬各部門の王者が決まる1日/コラム
21日(日本時間未明)にアスコット競馬場で行われるブリティッシュ・チャンピオンズデーは、1日に5つの重賞が組まれる英国競馬シーズンのラストを飾るビッグイベントです。
G1は牝馬限定のチャンピオンズフィリーズアンドメアズS(芝2400メートル)、短距離王を決めるチャンピオンズスプリントS(芝1200メートル)、伝統のマイル戦クイーンエリザベス2世S、5年前にフランケルが引退の花道に選んだことで知られる英チャンピオンS(芝2000メートル)の4つ。G2のチャンピオンズロングディスタントC(芝3200メートル)には凱旋門賞4着のオーダーオブセントジョージが出走します。
スプリントSとクイーンエリザベス2世Sは欧州の2大勢力のゴドルフィンとクールモアの代理戦争。スプリントSではゴドルフィンのハリーエンジェル(牡3)、クールモアのカラヴァッジオ(牡3)が激突します。ともに今年、短距離重賞に3勝。勝った方が最優秀スプリンターです。
クイーンエリザベス2世SではG1・3勝でマイル王に最も近いゴドルフィンのリブチェスター(牡4)に、英、愛2000ギニーを連勝して上半期の主役だったチャーチル(牡3)が挑みます。カラヴァッジオとチャーチルのA・オブライエン師は、米国の故R・フランケル師が持つ年間25勝のG1最多勝記録に王手をかけての遠征です。
メイン競走として行われる英チャンピオンSは、凱旋門賞を同厩舎のエネイブルに任せたクラックスマン(牡3)が人気。英ダービー3着、愛ダービー2着とクラシックは惜敗しましたが、夏以降はG2を連勝中。欧州ではまだG1勝ち馬のいないフランケル産駒の切り札です。
強力な対抗馬は昨年覇者で凱旋門賞3着だったユリシーズ(牡4)。3週前の凱旋門賞に劣らないほどの熱戦が展開されそうです。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)