モーリス弟ルーカス「伝説の新馬戦」制すぞ/新馬戦
<新馬戦情報>
今週末の札幌は、新馬戦も見逃せない。20日の芝1800メートルには、15年JRA年度代表馬モーリスの全弟ルーカス(牡、堀、父スクリーンヒーロー)を筆頭に、エアグルーヴの孫リシュブール(牡、藤原英、父キングカメハメハ)、すでに2歳馬が4頭も勝ち上がる藤沢和厩舎のゴーフォザサミット(牡、父ハーツクライ)がスタンバイ。今年の「伝説の新馬戦」になる可能性は高い。
国内外でG1・6勝を挙げたモーリスの全弟ルーカスが、札幌でデビュー戦を迎える。兄に負けず劣らずの雄大な馬格。品のある顔つきや力強い脚さばきは、とてつもない潜在能力を感じさせる。
1週前追い切りでは、G1馬ネオリアリズムを相手に併入。札幌記念連覇を目指していた強豪古馬(追い切り後に回避)に食い下がった。渡辺助手は「トップスピードに初めて入れた。ネオと比べると少しもたついたけど、それでも古馬と一緒に来れた。まだ緩いところはあるけど、やるたびに良くなっています」と順調さに太鼓判を押す。
5歳で現役を退いたモーリスは、引退式で堀師が「いまだ競走馬として完成する前・・・」と触れたように晩成タイプ。それでも、2歳10月の京都新馬戦でレコード勝ちを決めた。ルーカス自身も「少し臆病なところがあって、まだ兄のようなどっしりした感じは出てきていない」(渡辺助手)と子供っぽい面を残すが、初戦から素質の高さを示す可能性は十分。デビュー戦の鞍上に、兄とのコンビで16年チャンピオンズマイルを制したモレイラ騎手を配し、白星スタートのお膳立ては整った。【高木一成】
◆伝説の新馬戦 のちのち振り返った時に、G1馬や重賞ウイナーが多く集まっていたハイレベルの新馬戦を指す。ファンの間で最初にこの言葉が使われはじめたのは、08年10月26日の京都芝1800メートルか。1着アンライバルドは皐月賞V、2着リーチザクラウンはダービー2着、3着ブエナビスタは牝馬2冠などG1・6勝。4着スリーロールスも菊花賞を制すなど、のちの強豪が集結した。