ウキヨノカゼに風 吉田隼で強襲重賞V/福島牝馬S
<福島牝馬S>◇22日=福島◇G3◇芝1800メートル◇4歳上牝◇出走16頭◇1着馬にヴィクトリアMの優先出走権
吉田隼人騎手(33)が手綱を取った3番人気ウキヨノカゼ(牝7、菊沢)が、重賞3勝目を飾った。勝ちタイムは1分46秒8。4角11番手から大外を豪快に伸び、先に抜け出したフロンテアクイーンをゴール寸前で捉えた。優先出走権を得たヴィクトリアM(G1、芝1600メートル、5月14日=東京)で悲願のG1制覇に挑む。
ゴール前、フロンテアクイーンが1番人気クインズミラーグロを振り切った直後、ウキヨノカゼが外から襲いかかった。測ったように首だけ出たところがゴール。06年ロフティーエイム、08年マイネカンナに続く、このレース単独首位となる3勝目を挙げた吉田隼騎手は「前残りが多く心配だったが、馬のリズムを守って競馬をした。外に出したときの反応で行けると思った。3勝もできるとは縁のあるレースですね」と声を弾ませた。
3歳時に勝ったクイーンCは1600メートル、5歳で制したキーンランドCは1200メートル、そして7歳で挑んだ今回は1800メートル。自慢の末脚を武器に、異なる舞台で結果を出してきた。菊沢師は「違う距離で重賞を3つも勝つんだから大したもの。気迫を感じたし、暖かくなって(馬体が)絞れてきていた」と笑った。
師は「今日は激しい競馬だったので、馬の様子を見てG1に向かって行ければ」とヴィクトリアMを見据え、殊勲の鞍上も「7歳だけどまだまだ馬はフレッシュ」と手応えを伝える。デビュー3戦目で重賞を勝ちながらも、故障で牝馬3冠を棒に振った。7歳でもまだキャリアは17戦。まだまだ進化を続けるウキヨノカゼは、4度目の挑戦で悲願に挑む。【山田準】