アロゲートに敵なし!自在な脚質/ドバイワールドC
<ドバイ番記者(5)>
【UAE(ドバイ)24日=松田直樹】ドバイ国際競走が、今日25日にメイダン競馬場で行われる。「ドバイ番記者」は東京・松田直樹記者が担当。馬券が発売されるワールドC(G1、ダート2000メートル)、シーマC(G1、芝2410メートル)、ターフ(G1、芝1800メートル)のG1・3競走を中心に取材を続け、ワールドCでは世界ランク1位タイのアロゲート(牡4、B・バファート)に自信の◎を打った。
海外へ取材に行くと、他国メディアとも意見交換をする。「どの馬が強い?」「○○はどう?」。自国の馬を応援する気持ちから、評価にげたを履かせる人もいたが、この馬の評判だけは揺るがなかった。
「アロゲートがNO・1」
◎アロゲートに敵はいない。昨年は3歳でレーティング134を獲得し、世界1位に君臨。今年も同127でトップタイの実績を積み上げる。14、16年米年度代表馬カリフォルニアクローム(今年1月に引退)に2走前BCクラシック、前走ペガサスワールドCで2戦2勝し、早くも現役最強の名を手にした。世界中の騎手、調教師、報道陣の全てが認めるスーパーホースだ。
スミス騎手 これだけレースに勝つのに必要なものを持ちそろえている馬はいない。ダッシュもよく、抑えも利いて、反応がすごく良い。まだ7戦しかしていないのに何でもできる馬。パーフェクトさ。
G1・11勝馬アゼリ、G1・13勝馬ゼニヤッタの主戦騎手を務めた鞍上もべた褒めする。可動域いっぱいに伸ばすストライドが特徴だが、非凡な瞬発力を兼備し、道中の位置取りを選ばない。「逃げても、控えても大丈夫」(バファート師)。連勝したG1・3戦も逃げ、先行からの勝利。展開に左右されない脚質が活躍を支える。
今回が初のドバイ参戦。あらを探すならコース適性だろうが、問題はない。スミス騎手は「左回り、砂の質がアメリカに似ている」と即適応を保証する。実際、タペタ(オールウェザー)から再びダートへ戻った15年以降、3着以内馬の6頭中4頭が米所属馬。ホームに近い走りが出来る舞台で、不安要素が生じてくるわけがない。レース前日、ダートコースを周回した◎を見て、トレーナーも「全てにおいて何も心配していない」とクールに言った。間違いなく今年は1強。その強さを目に焼き付ける。馬連(9)から(12)(5)(14)(2)(7)(10)。(おわり)
◆メイダン競馬場 UAEのドバイ首長国に位置する競馬場で10年1月に開場。建設費用は約1800億。左回りで芝とダートの両方のコースを有する。芝は1周2400メートル(直線450メートル)、ダートは1周1750メートル(直線400メートル)。どちらも高低差はほぼない。14年3月まではダートはなくオールウェザーコースでレースが行われていたが、馬場管理の難しさやダート王国の米国馬の参戦を促すためにダートに改装された。