サクソンウォリアー英ダービーに難敵おぼしき馬なし

 日曜はオークス。筆者の思い出のオークスは75年のテスコガビー、77年のリニアクイン、そして83年のダイナカールです。古い話ですね(笑い)。

 テスコガビーは単勝2・3倍に応えて8馬身差で完勝。リニアクインが勝った年は26頭立てでしたが、終わってみれば1、2、3番人気馬が人気のままに入着しました。「競馬はロマンで見よ、馬券は思い込みで買え」という言葉もありますが(うそですよ!)、この2頭は例え地球が割れても負けない、という強い思い込みを込めてその通りになったことが思い出深く、ダイナカールが勝った年はゴール前で5頭が横一線となるレース史上に残るすごい競馬でした。5頭の中には早口言葉のようなジョーキジルクムという馬も混じっていたので中継アナウンサー氏も大変なレースでした。

 自分の馬券がどうだったかは記憶にないのですが、このレースはダイナカールに乗った岡部幸雄騎手にしびれました。競馬は馬の能力に加えてさまざまな要素が重なって勝ち負けがつき、騎手のせいだけには出来ないのですが、「鼻差の勝負をものにするのは騎手の腕」とは欧米でも言われていること。あの時は岡部騎手の中に「神」を見ました。

 今年はアーモンドアイと、これから探すもう1頭を2頭軸にして3連複を少しだけ勝ってみるつもりです。

 てなことに触れて海外の話題に移ります。

 6月2日に行われる英ダービー(G1、芝2420メートル=エプソム競馬場)の前哨戦となる2つの重賞がアイルランドと英国で行われました。ご存じの通り、英ダービーの本命に推されているのはディープインパクト産駒で、今月の英2000ギニー(G1、芝直線1600メートル)に勝って4戦全勝で2冠に挑むサクソンウォリアーです。鞍上はすでに「神」のライアン・ムーアに決まっており、実績でこれに勝る馬はいません。

 アイルランドのレパーズタウン競馬場で13日に行われた愛ダービートライアルステークス(G3、芝2000メートル)は8頭立て。優勝したのはダーモット・ウエルド厩舎、アガ・カーン殿下所有のハザプール(牡3、父シャマーダル)。2着はエイダン・オブライエン厩舎のデラーノ・ルーズベルト(牡3、父ガリレオ)で着差は4分の3馬身でした。ハザウールは英、仏ダービーを両にらみと伝えられています。血統は中距離向きなので、2100メートル仏ダービー(G1)の方に行く可能性が高いようですが・・・。

 英国では17日、ヨーク競馬場でダンテステークス(G2、芝2100メートル)がありました。こちらは9頭立て。勝ったのはカタールレーシングのローリングライオン(牡3、父キトゥンズジョイ)。2着したミルデンバーガー(牡3、父テオフィロ)に4馬身半差の完勝でした。ローリングライオンはクラックスマンやエネイブルを擁す英国のジョン・ゴスデン厩舎の3歳エース候補。鞍上はオイシン・マーフィー騎手です。

 ローリングライオンは昨年秋のレイシングポストトロフィー(G1、芝直線1600メートル=ドンカスター)でいったん先頭に立ちながらサクソンウォリアーに差し返されて2着に負けた馬。前売りでは2番人気に浮上しましたが、精神的にこたえるような負け方をした馬だけに逆転は難しそう。押し出された2番人気のような気がします。

 ということで現状ではサクソンウォリアーに難敵とおぼしき馬はなし。というのが結論です。

 並外れたスタミナを必要とする英ダービーは特殊なレースなので決して楽観視はできませんが、少なくともサクソンウォリアーのアドバンテージは少なくないようです。

 オブライエン調教師はデビュー戦を楽勝したサクソンウォリアーの2戦目にダブリン郊外にあるネイス競馬場のベアスフォードステークス(G2、芝1600メートル)を選び、重馬場となったここで前出のデラーノルーズベルトに2馬身半差をつけています。もし、サクソンウォリアーが無事にダービー馬になったとしたら、ここがポイントになるはず。なぜなら、この競馬場の800メートルの直線が厳しい上り坂だからです。

 これはあくまでも筆者の推測ですが、オブライエン調教師は、デビュー勝ちした時点でサクソンウォリアーの英ダービー挑戦を視野に入れて、厳しい試練を与えたのではないでしょうか。

 ノーザンファームの吉田勝己氏はサクソンウォリアーを評して「とてつもない馬を(ライバルの)クールモアに渡してしまった」と語っています。6月2日、エプソムの丘で歴史が変わる瞬間が見られるかもしれませんね。

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 ※競走成績等は2018年5月18日現在のものです。

古い書物が伝える英国のダービーです
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昨年の日本ダービー。今年は日英でディープ産駒かな?
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