タワー&ギベオン軸の3連単フォーメーション/NHKマイルC

私は木登りが趣味で、登りやすそうな木を見つけては登っている。

こう言うと、なんで登るのと理由を聞かれることがとても多いのだが、「そこに木があるから」としか言いようがない。

「なぜ山に登るのか。そこに山があるからだ」というジョージマロリーの名言の丸パクリだが、レベルに雲泥の差こそあるものの、そこには同じマインドがあるだろう。

普段は駅構内の階段すら嫌がりエスカレーターを探す私だが、いい木を見つけると、たとえスカートでも、おろしたての靴を履いていても、登らざるを得ないのだ。

さて、そんなことばかりしていると、当然ケガをすることになる。現に昨年の今頃、4mくらいの高さから落ちて右足首を骨折した。人間というのは不思議なもので、ただのネンザだと思い込んでいるうちは平気で歩けたのだが、いざ骨折と診断されると突然痛いような気がしてきた。

「木登りしてて落ちた子供なんてここ10年見てないし、大人で落ちた人は初めて見た」と医者も呆れていた。

私は幼少期から高いところが好きで、親が目を離したすきに落ちて頭を打ちまくり、幼稚園に上がるころには脳しんとうの感覚を体で覚えていた。つまり生粋のバカである。母はいつも、「あんたが変なのは、小さいころ頭を打ちまくったせいだろうね」と言うが、たぶん違うだろう。

生まれつき命知らずなのだ。

何回骨折してもピンピンしている私とは違い、競走馬は非常に繊細な動物だ。

脚をケガしてしまうと、度合いにもよるが、走ることに特化したその肉体は立ち上がることができなくなる。痛ましいケガのあと、予後不良となることがあるのはそのせいだ。

競走馬はとても美しい。きゃしゃな骨格を筋肉が覆い、細い脚が猛スピードで地面を駆け抜ける。

ゲートが開くと同時に馬は走り出す。賞金やオッズなど、人間の思惑も知らん顔で、ただ全速力でゴールを目指す。

私はそんな競走馬の走る姿を見るのがとても好きだ。だから競馬はやめられない。

今週末、東京競馬場ではNHKマイルCが開催される。

今年の短距離レースは荒れることが多く、予想は難儀だが、逆に言えば万馬券のチャンスだ。

私もそろそろ3連単をばっちり当てて、国産牛肉を食べたりしたいものだ。

まず本命は(7)タワーオブロンドン、(9)ギベオンだろう。

タワーオブロンドンはマイルという距離が(前走で克服したものの)多少長い気もするが、地力は頭一つ抜けている。速い時計にも対応できそうだ。

ギベオンは鞍上にデムーロ騎手、体力もあり、スローペースとなった時、来るのはこの馬だろう。

他に馬券圏内と目しているのは(1)カツジ。血統的に府中マイルは適性があるし、瞬発力があるので1着まであるのではないだろうか、当日のパドックの様子を見て判断したい。

次に(3)テトラドラクマ。私がテトラという名前のメス猫を飼っているから・・・というわけではないが、前走もいい脚を見せており、鞍上も田辺騎手ということで切れないところだろう。

(10)パクスアメリカーナ。アメリカの平和という意味の名前をもつ、朗らかな印象の馬だが、実際に調子もよく外せない。堅実さに期待だ。

(11)ケイアイノーテック。ディープインパクト産駒が勝ちづらいと言われるこのレースだが、馬体重もしっかり増やしてきており前走内容も良かった。好調な藤岡佑騎手とのタッグで、馬券圏内まであるだろう。

というわけで、私の買い目は3連単フォーメーション(7)(9)―(1)(3)(10)(11)―(1)(3)(10)(11)、ワイド(7)―(1)(3)(9)(10)(11)だ。

ケガなく、それでいてエキサイティングなレースに期待したい。