装蹄師は馬の“シューフィッター”

 こんにちは。今週のコラムは、以前にも紹介したことがありますが、装蹄師さんについてお話をしたいと思います。

 今回のドバイ遠征では、日本から数人の装蹄師さんが来ていました。現地にも装蹄師はいるのに、なぜわざわざドバイに来るのか? それは、個々の馬に合った蹄鉄(ていてつ)を履いて走ることが、その馬にとってのベストパフォーマンスにつながるからです。

 昨年、『陸王』というドラマが大人気でした。ランニングシューズを作る話で、その中でシューフィッターという職業があることを知りました。足の形や、走り方で靴の角度などを微調整する仕事です。

 装蹄師さんは、まさに馬版シューフィッターなのです。日本の馬が履いている蹄鉄に使用するくぎは、くぎのヘッドが海外の物より細く小さい感じなのですが、くぎのはまりが海外の物よりフィット感が強いと感じます。爪の角度にしても、普段からその馬たちを見ているので、長距離輸送や違う馬場で調教することで崩れた体のバランスも分かります。その点を蹄鉄で角度調整をすることで、走る疲労度を減らすことが出来るのです。

 ファンの皆様は、馬がきれいな姿で競馬場を走る姿を見られていますが、どの馬にも装蹄師がついていて、日々その馬たちがけがなく走れるよう繊細なやりとりが行われていることを少しでも知って頂ければ幸いです。

 今後も、海外遠征の中で裏方さんたちの頑張りを紹介できたらと思います。(レースホースコーディネーター)

蹄鉄を打っている風景。日本から来た福田さんと前田さん
蹄鉄を打っている風景。日本から来た福田さんと前田さん
日本から様々な道具を持ち込んでます。写真は前田さん
日本から様々な道具を持ち込んでます。写真は前田さん
手元に注目。蹄鉄の形を微調整する前田さん
手元に注目。蹄鉄の形を微調整する前田さん