名前のごとく上げ上げ ダブルシャープ/朝日FS

 朝日杯FSはサウジアラビアRC組の内容が光る。水島晴之記者の「G1前哨戦その一瞬」は、レコード勝ちしたダノンプレミアムの陰で、能力の片りんを見せた6着ダブルシャープ(牡、渡辺)に注目した。馬名の通り「上げ、上げ」で臨む舞台で、大駆けの可能性はある。

先行勢にタフ ダブルシャープ

<サウジアラビアRC>◇10月7日=東京◇G3◇芝1600メートル◇2歳◇出走18頭◇

サウジアラビアRCで6着に粘ったダブルシャープ(左から2頭目)
サウジアラビアRCで6着に粘ったダブルシャープ(左から2頭目)

 サウジアラビアRCはダノンプレミアムが1分33秒0の驚異的なレコードで勝った。前半1000メートル58秒3、上がり3ハロン34秒7を2番手からあっさり抜け出されては、後続もお手上げだ。朝日杯FSでも最有力の1頭だろう。ここは2着以下に目を向けたい。

 先行した勝ち馬に強い競馬をされると、同じ位置で競馬した馬、負かしにいった馬は厳しくなる。逃げたハクサンフエロが15着、3番手スターリバーが18着に沈んだのを見ても、いかにタフな流れだったかが分かる。逆に上位入線馬は2着のステルヴィオが4角16番手、3着カーボナードは同7番手、4着テンクウも同10番手からの差し、追い込みだった。

 そんな中、4番手追走から2着と0秒3差の6着に粘ったのがダブルシャープだ。しかも、向正面で他馬にぶつけられ、その反動で外の馬とも接触。石川倭騎手は「あの不利でガツンとハミを取ってしまった」と悔しがった。スタート直後の1ハロンと5ハロン目以外はすべて10~11秒台と速く、体力の消耗も大きかった。普通なら惨敗のケースだろう。

 直線もラスト3ハロンはすべて11秒台(11秒5―11秒5―11秒7)。スピードと切れが要求される競馬で、不利を克服して2着争いに加わったのは立派。当時は道営出身で長距離輸送があり、東京競馬場(左回り)、高速決着も初。それを考えれば能力は互角とみていい。クローバー賞でタワーオブロンドンを競り落とした実績を素直に評価すべきだ。

 馬名の由来は音楽記号の「ダブルシャープ」。半音上げた音符を、さらに半音上げる記号だが、中央転入で調整面の上積みが見込める同馬が、前走以上に着順を上げても驚かない。

瞬発力光る タワーオブロンドン

<京王杯2歳S>◇11月4日=東京◇G2◇芝1400メートル◇2歳◇出走11頭◇

 京王杯2歳Sは、タワーオブロンドンの瞬発力が光った。逃げたタイセイプライドの前半3ハロンは36秒0。スローの決め手勝負を4角7番手から差し切ったが、先頭に並ぶまで11秒2―11秒1のレースラップを上回る脚を使ったことになる。新馬は逃げ切りだが、控える競馬をさせてから、一戦ごとに切れが増している。初のマイル戦も折り合いに不安なく克服可能。阪神の経験も強みだ。2着カシアスは完全に切れ負けした。この馬も33秒8の脚を使ったが、今回はさらに1ハロン延びる。直線に急坂のある阪神もプラスとはいえず、逆転はどうか。3着アサクサゲンキは、早めに抜け出し目標になった。スピードはあるので、控える競馬で前半のスピードを後半に生かせれば前進が見込める。

はまればいい脚 ヒシコスマー

<デイリー杯2歳S>◇11月11日=京都◇G2◇芝1600メートル◇2歳◇出走9頭◇

 デイリー杯2歳Sで3着ケイアイノーテックは、勝負どころでもたついた。新馬以来5カ月ぶりで、体重も22キロ増と重かった。その点を考慮すれば、上々。ただ、速い流れを経験してないのは不安。能力の高さで克服できるか。4着フロンティアは3角で故障馬と接触する不利があった。切れるというより、長く脚を使うタイプ。前半の流れが鍵になりそう。8着ヒシコスマーはもたれて競馬にならなかったが、万両賞で差し切りを決めた。はまればいい脚を使う。