勝因はデムーロの巧みなコース取り/フェブラリーS

<2月19日東京10R:フェブラリーS> 

 デムーロ騎手の巧みなコース取りが、ゴールドドリームにG1制覇をもたらした。スタートをまずまず決めると、向正面では徐々に外へ出していく。先行したコパノリッキー、アスカノロマンの後ろ。さらにベストウォーリアと交錯するように馬群の外へ。3角では各馬がロスのないように内を回ったのとは対照的に、馬の首を外へ向けた。

 ここまで外差しにこだわるのには理由がある。跳びが大きく、狭いスペースを割ってくる器用さに欠けるからだ。「以前、内を回ったらジリジリとしか伸びなかった。スムーズな競馬がいい」。多少、距離ロスをしても、広いところを走らせた方が、ポテンシャルを発揮する。それをデムーロは感じていた。だから早い段階で外へ出した。

 もし、2枠3番から出たなりで内ラチ沿いを走っていたら、馬群をさばくのも容易ではなかった。2着ベストウォーリアとの首差は逆転されていたかもしれない。直線で先頭に立つのは早かったが、ここでも馬の気持ちに逆らわなかった。前走チャンピオンズC(12着)では、出遅れを挽回するために仕掛けて折り合いを欠いた。「能力と力がある素晴らしい馬」に小細工は必要ない。リズム良く走らせて、ゴールまで押し切った。

 「最後は物見をして危ないと思ったが、内から来たらまた伸びた」。コーナーで外へ振るなど、教科書通りの騎乗ではないが、能力を発揮するため、馬の“個性”に乗ったデムーロの手腕が、主役不在の混戦を断ち切った。【水島晴之】


東京11R 外めを回り豪快に差し切りフェブラリーSを制したゴールドドリーム(中央3番)(撮影・神戸崇利)
東京11R 外めを回り豪快に差し切りフェブラリーSを制したゴールドドリーム(中央3番)(撮影・神戸崇利)