馬の成長力+幸の「技」でG1つかむ/高松宮記念

<3月26日中京11R:高松宮記念>

 幸騎手の「技」が光った。好スタートを決めたセイウンコウセイを、3角手前で3番手に控える。内にラインスピリット、外にシュウジ。3頭の真ん中では、燃えて掛かる恐れがある。それを避けたかった。「逃げようか迷ったけど、シュウジが掛かっていたので。前に出てもついて来られるし、競り合いになるなら、後ろでいい」。この判断が理想的なレース運びを生んだ。

 直線で先頭に立つと、今度はスタンド目がけて追った。馬場の内は荒れているが、逃げ残りも多い。「それなら間違いなくいいところ」と中央まで誘導。スピードに乗せた。道悪が得意な馬とはいえ、掘れている箇所を走ればスタミナは奪われる。そのあたりを考えたコース取り。内ラチ沿いで2着争いするレッツゴードンキ、レッドファルクスを一気に突き放した。

 そして最後の一手。残り200メートルでステッキを右に持ち替えると、徐々に内へ切れ込んだ。内→外→内。フラついたようにも見えるが、実はコースの傾斜(競輪バンクのように外側が高く、内側が低い)を巧みに利用。「少し脚が鈍ったし、周囲に馬もいなかったから。内(低い方)へ向かって走らせた方が、馬も楽なので」。セイウンコウセイの成長力+幸騎手のヘッドワークが、G1初勝利を呼び込んだ。【水島晴之】

幸騎手騎乗のセイウンコウセイが直線差して高松宮記念を制する(撮影・奥田泰也)
幸騎手騎乗のセイウンコウセイが直線差して高松宮記念を制する(撮影・奥田泰也)