北海道出身のベテラン田中勝春騎手(47)が“同郷”のマイスタイル(牡4、昆)でJRA重賞50勝目に挑む。今週は6年ぶりの札幌での騎乗で、札幌記念(G2、芝2000メートル、19日)ではメモリアルVがかかる。実家の隣にあるという猪野毛牧場(北海道新ひだか町)で生まれた相棒とは4戦3連対の好相性だ。

 目元に笑いじわをつくり、ベテラン田中勝がジョーク交じりに声を弾ませた。“同郷”のマイスタイルと挑むJRA重賞50勝目の大台。さすがに気負いはない。故郷の涼しい風に吹かれ、口も滑らかだ。

 「俺んちの隣の牧場で生まれたんだよ。おらが町のために頑張んないと。町おこしだな。重賞は50といわず100まで勝ちたいよ。意気込み? そういうのは恥ずかしくて・・・」

 北海道新ひだか町(旧三石町)で牧場を営む家に生まれた道産子ジョッキーだ。だが、意外にも札幌には6年ぶりの参戦。勝利となれば8年ぶりで、重賞Vなら02年札幌2歳S(サクラプレジデント)以来16年ぶり2勝目となる。

 「久しぶりだね。(14年に)新スタンドができてから初めて。札幌は縁がなかったから。きれいだね、やっぱ。早くジョッキールームに行きたいよ」

 夏の北都を彩る「スーパーG2」に、2連勝中の相棒と挑む。4月の福島民報杯(2着)からタッグを組んで4戦3連対。条件戦を勝ち上がってオープン返り咲き初戦となるがダービー4着や弥生賞2着の実績もあり、格負けはしない。15日に札幌芝で追い切りにまたがって好感触を得た。

 「良かったよ。連闘の後のダメージもない。持ち味は持久力。しぶとく走るので洋芝も合うと思う。ハナに行ってるけど位置取りにはこだわらない馬だから」

 逃げに固執せず、柔軟に構える。それこそがマイスタイルだ。G1馬3頭を相手に、秋の大舞台へ向けての試金石となる一戦。自分らしく戦って、故郷に錦を飾る。【太田尚樹】

 ◆田中勝春(たなか・かつはる)1971年(昭46)2月25日、北海道生まれ。89年にデビュー。同期は佐藤哲三(現日刊スポーツ評論家)、角田晃一(現調教師)ら。JRA通算1万9374戦1754勝。重賞49勝。JRA・G1は92年安田記念(ヤマニンゼファー)と07年皐月賞(ヴィクトリー)の2勝。154.5センチ、51キロ。

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