AJCC(G2、芝2200メートル、21日=中山)はベテラン馬に注目だ。キタサンブラックの半兄ショウナンバッハ(牡7、上原)は、ここ3走重賞で掲示板に載るなど復調ムード。データから7歳馬の好走例は多く、一発が期待できる。一昨年の覇者ディサイファ(牡9、小島太)も自身最高の出来に仕上がった。過去10年馬券圏内のない9歳でも要注意だ。

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 ショウナンバッハに一発ムードが漂う。この10年で3勝2着3回と、世代別で最多連対を誇る7歳馬。上原師は「状態はいいよ。ここにきて本格化してきた感じ。距離もある程度あるし、展開が合えばおもしろい」と強気に語った。

 近年の今レースはベテラン馬が活躍。8歳馬も勝利こそないが2着4回。過去10年の連対馬のうち、半分の10頭が7歳以上だ。なぜ活躍できるのか。その要因は3つ。以下はいずれも調教師たちの意見だ。

 <1>冬場の調整はオーバーペースにならない。ある調教師は「夏はオーバーペースになりやすい。高齢馬たちはそれで体調を崩してしまうが、冬はそれがなく体調を維持しやすい」と語った。

 <2>トップレベルの馬たちがまだ復帰していない。春のG1戦線を目指す馬たちはこの時期は放牧中。ここで勝つ馬は、勢いがある若馬か、経験が豊富なベテランたちのどちらかになる。

 <3>高齢馬は新陳代謝が若馬ほど活発でないため、体調や精神的な変動が少なく、最も寒いこの時期でも力を出せる。

 今年の7歳馬の代表はG1馬ゴールドアクターだが、2年前3着のバッハも十分狙い目。同馬は昨年引退したキタサンブラックの半兄でもある。「弟がすごく頑張ったし、お兄ちゃんもここで勝って箔(はく)を付けたいね」と上原師。昨年のこのレース(8着)からブリンカーを着けはじめ、ここ7戦はメンバー3位以内の上がりをマークするなど鋭い決め手を取り戻した。直近3戦は重賞で小差の5、5、4着。重賞初Vも見えている。【三上広隆】

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