<有馬記念:1週前追い切り>

 いよいよ来週に迫ったグランプリ有馬記念(G1、芝2500メートル、24日=中山)に向けて13日、東西トレセンで出走各馬が1週前追い切りを行った。ラストランを迎えるG1・6勝馬キタサンブラック(牡5、清水久)は栗東Cウッドで目いっぱいに追われ、抜群のタイムでフィニッシュ。過去最高の仕上げで、初のグランプリ制覇を目指す。

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 引退レースのグランプリまであと10日余り。G1・6勝のスターホース・キタサンブラックがCウッドで1週前追い切りを行った。いつも通り黒岩騎手を背に、僚馬アキトクレッセント(古馬オープン)と併せ馬。6~7馬身後ろから追走し、直線で重心を低くさせると、6ハロン78秒6-12秒2と抜群のタイムで併入。ラストまで気を抜かないよう、ゴールを過ぎても手綱はしごかれた。

 見届けた清水久師が「黒岩が、ブラックであんなに手を動かしているのは初めて見た」と言うほど、今までで一番、いっぱいに追った稽古。「全体のラップも良かったし、ラストも12秒2。いい動きだった」(同師)と時計、内容ともに大満足だ。3歳時からずっと調教をつけてきた黒岩騎手も万全の出来をアピールする。「最後だし、あとのことは考えなくていい。目いっぱいにやりました。いい状態で行けると思います」。最高の仕上げを施し、最高の結果を待つ構えだ。

 前日12日、今年の漢字が「北」と発表された。その理由のひとつに、北島三郎オーナーの所有馬であるキタサンブラックの活躍も挙げられた。武豊騎手も「漢字1文字の世相に反映されるような馬はそういない」と目を丸くさせる。

 グランプリ有馬記念では一昨年3着、昨年2着と悔しい思いをしてきたが、今年こそ勝ってファンを喜ばせたい。「最後だし、キタサンブラックに勝たせてあげたい気持ちが強い。ファン投票の数字を見ても人気の高さを感じる。この馬に勝ってほしいと思っている人がすごく多い」(同騎手)。感動のラストランで、2017年を締めくくるか。【平本果那】

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