阪神では2歳マイル王者を決める朝日杯FS(G1、芝1600メートル、17日)が行われる。
北海道競馬から移籍したダブルシャープ(牡、渡辺)が15年ぶりの地方競馬出身馬(地)によるJRA・G1制覇を狙う。12日は坂路を軽く登った。毛づやが良く、担当の堀端助手は「入厩してきた時より体が締まってきたし張りも良くなっている」と成長に目を細めた。
6月にデビューし最初の3戦は門別のダートで走っていた。JRAに遠征し、芝のレースを走るようになって素質が開花。クローバー賞ではタワーオブロンドンを破って勝利。札幌2歳Sでは大外を回る大味な競馬で3着。不利があったサウジアラビアRCで6着に敗れた後、渡辺薫彦厩舎へ移籍した。栗東入厩後、付きっきりで調教をつける渡辺師は「柔らかい走りをするし追って味がある」と評価する。
ハイセイコーやオグリキャップなど20世紀は(地)馬が活躍することも多かったが、JRAの厩舎の預託頭数が増えて以降はそれも珍しくなった。最後にG1を制した(地)馬は02年のマイルCSを勝ったトウカイポイントだ。
今の時期の(地)馬の多くがそうであるように、ダブルシャープは「生え抜き」のJRA馬よりレースキャリアが豊富(メンバー最多の6戦)。今回人気を集めそうなタワーオブロンドンを唯一負かした馬でもある。G1初参戦となる渡辺厩舎にいきなりタイトルをもたらせるかもしれない。【岡本光男】