<富士S>◇21日=東京◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走15頭◇1着馬にマイルCS優先出走権

 武豊騎手(48)騎乗の1番人気エアスピネル(牡4、笹田)が貫禄勝ちで重賞3勝目を挙げた。

 不良馬場ながら直線早めに先頭に立ち、追いすがるイスラボニータを2馬身突き放した。勝ちタイムは1分34秒8。11月19日京都のマイルCS(G1、芝1600メートル)で悲願のG1初Vを狙う。

 強い。まさにG1級の底力だ。好位4、5番手につけたエアスピネルが、早くも先頭をうかがう勢いで直線に向いた。馬場のど真ん中から脚を伸ばし、内ラチで粘るレッドアンシェルを残り1ハロンでかわすと、猛追するイスラボニータに2馬身の差をつけてゴール。武豊騎手は第一声で「完勝でしたね」と白い歯をみせた。

 ライバルを圧倒した。断続的な雨で多分に水分を含んだ不良馬場も、勝ち星のない東京も、課題の折り合い面も全く問題なし。内ラチの逃げ馬以外は早めに後続を引き離し、メンバー3位の35秒0の上がりで駆け抜けた。鞍上が「スタートも良かったし、道中もいい走りができた。道悪も苦にしない。どんな距離でも走るが、1600メートルは一番安定している」と愛馬を褒めれば、笹田師は「ジョッキーが前々で不利のないレースをしてくれた」と名手を絶賛した。

 昨年のクラシックは4、4、3着とタイトルに1歩及ばなかった未完の大器が、堂々主役でマイルCSに駒を進める。笹田師は「何とか取れる力を持っている馬なので、しっかり調整して臨みたい」と待望のG1勝ちを見据えた。【山田準】

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