<天皇賞・秋:1週前追い切り>

 天皇賞・秋(G1、芝2000メートル、29日=東京)の1週前追い切りが18日、東西トレセンで行われた。G1・5勝馬キタサンブラック(牡5、清水久)は栗東Cウッドでジョーストリクトリ(3歳オープン)と併せ6ハロン80秒4-12秒5の好時計。王座奪還へ抜かりない。

 明日がレースだと言われても、キタサンブラックには問題ないだろう。重賞ウイナーの僚馬を5馬身追走し、直線は外を回った。やや頭の高いフォームは、調教ではいつものスタイル。軽く促されただけで、スッと前に出た。従順で軽やかな動きは、さすがとうならせる。またがった黒岩騎手(レースは武豊騎手)は「いつも通り。本当にいつも通りです」。清水久師は「いつも通り前に馬を置いて直線だけ(伸ばす)という調整。馬場が重いし、時計もこんなものでしょう」。ともに声が力強い。

 春、競馬に絶対はないと思い知った。大阪杯、天皇賞・春と制覇して臨んだ前走宝塚記念はまさかの9着大敗。「ブラック自身にそれほど疲れはなかったんですけど、やっぱり何かあったんでしょうね。わからないですね。競馬って・・・」と清水久師。ただ、ファンの思いだけは絶対に裏切りたくない。この秋はここからジャパンC、有馬記念へ。「これだけの馬。G1でもあるわけで(たたき台の意識は)ないですね」。春の悔しさを晴らすには、春になしえなかったG1・3連勝しかない。

 信頼回復のためにも、落とせないレースになる。2000メートル戦では、今年初戦の大阪杯を快勝した。始動戦としても験はいい。「舞台も距離も問題ないですね。あと10日。このまま順調にいってくれたら」。師が、そして多くのファンが、現役屈指のアイドルホースの復権を信じて待つ。【柏山自夢】

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