<追い斬り激論:天皇賞・春>

 どっちが横綱!? 天皇賞・春(G1、芝3200メートル、30日=京都)の追い切りが26日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では元大相撲担当の2人が「がっぷり四つ」。木村記者は「大横綱」としてキタサンブラック(牡5、清水久)を推し、太田記者は「新横綱」のサトノダイヤモンド(牡4、池江)をプッシュした。

 木村 追い切り後の会見が面白かったな。サトノダイヤモンドの池江師が「まだ大関なので。胸を借りる立場で、横綱に挑んでいくのは変わりない」と。

 太田 元大相撲担当の血が騒いだわけですね。

 木村 そうや。でも、キタサンブラックは、もはや「大横綱」の域に達してると思う。追い切りも貫禄の動きや。Cウッド6ハロン82秒0-12秒1で半馬身先着。余裕たっぷりやった。

 太田 最後はちょっと気を抜いてましたよね。

 木村 それは、いつものこと。絶好調やった去年のジャパンCの追い切りとビデオで見比べたけど、同じような感じやったわ。大横綱ともなれば、稽古で全力を出す必要もないからな。

 太田 前走は休み明けでもハードに攻めて仕上がりも良かったんですが、まだ上積みがありますかね?

 木村 あるで。清水久師は「毛づやが良くて張りもある。『太いんじゃないか』と思うぐらい盛り上がってる。すごい馬」と。中間は追い切り日以外にも、Cウッド2周半のメニューを取り入れとる。2周半って、4500メートルやで。乗り込み量は半端やない。

 太田 そういや、1年で体重も増えましたね。去年が524キロで前走時が540キロ。

 木村 それは100%、成長分や。武豊騎手も「1年前を思うと、強くなった」と認めるところ。風格と迫力があるわな。そろそろ「大関」サトノダイヤモンドの話にしよか。

 太田 あの表現は謙遜でしょう。去年の秋から敵なし。いわば「新横綱」ですよ。

 木村 追い切りは地味に見えたけど?

 太田 Cウッド4ハロン53秒2-12秒0で併入。先々週、先週とビッシリ追ってますから、あれで十分です。またがったルメール騎手も「今日でトップコンディションになった。跳びがスムーズで柔らかかった。息づかいが良くなった」と。以前より前脚を伸ばした時の角度が上がって、さらに可動域が大きくなった感があります。G1昇格の大阪杯を見送って、ここへの本気度も違います。

 木村 去年の時点ですでに完成度が高かった印象なんやけど成長はどうなん?

 太田 いえいえ、むしろ去年から「完成するのは4歳の秋ぐらいでは」と評価されていました。今年の成長について池江師は「見た目も古馬らしくなって、甘かった背腰に芯が通ってパンとしてきた」と。母のマルペンサも、4歳後半から5歳にかけて南米のG1を3勝してますからね。

 木村 両雄並び立たず。俺と太田で待ったなしの大一番やな。

 太田 馬はともかく、競馬担当になったばかりの木村さんは“ひよっこ”の新弟子。顔じゃない(分不相応の相撲用語)ですよ。

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