食費切り詰めサトノダイヤモンド買う/大阪杯

春は出会いと別れの季節である。

私のいる京都大学でも、例年通りのコスプレだらけの卒業式が終わり、新入生歓迎のための準備が着々と進められている。

私の周りでもいろいろな出来事があった。何やら卒業を機に破局したカップルがいるらしい。何やら誰それと誰それが付き合い始めたらしい。

満開の桜の鴨川沿いには、今日もカップルが等間隔で座っている。この現象について、京都大学出身の作家、森見登美彦氏は「鴨川等間隔の法則」と名付けた。

ぜひともこれからの行楽シーズン、京都に行くことがあれば、鴨川沿いに規則正しく並ぶカップルを見てきていただきたいと思う。これもまた一つの京都名物だろう。

さて、私はというと最近、食費を限界まで切り詰めている。

具体的に言うと、調理で切り落とした大根のヘタを水につけて、伸びてきた大根の葉っぱを収穫して食べている。収穫してもしばらくするとまた生えてくるのだが、悲しいことに、繰り返すたびに味が薄くなっていく。どうしてそんな思いをしてまで節約を? と思われた方もいるかもしれないが、もちろん大阪杯の馬券を買うためである。

今年の大阪杯は、今年1番なのではないかというくらいの面白いレースになると私は確信している。なんといっても出走馬の豪華さだ。金曜日に枠順が発表される前と後で、人気がガラリと変わった。これは競馬玄人の皆さんも予想に苦労している証拠であり、それはすなわち、何が起こるかわからないレースということになる。

では予想をしていこう。内枠2番に入ったサトノダイヤモンドは、現在人気急上昇中である。前走の金鯱賞は3着と不本意な結果で終わったが、今回は調教にも不安材料がなく、休養から大阪杯のために調整してきたと言っても過言ではない。2016年の強くしなやかな走りが帰ってくることを期待しているのは私だけではないだろう。

他に内枠の人気馬といえば、シュヴァルグランがいる。有馬記念の好走から期待できるが、3カ月の休養からいきなりのG1で、ここで勝てば文句なしの強い馬である。

今回の大阪杯は内、中、外枠それぞれに有力馬がいるという大変見ごたえのある構成となっているが、中枠有力馬は8番アルアイン、9番トリオンフだろう。アルアインに関して言えば、減点材料がない。枠よし、距離よし、鞍上よし。シンプルに実力が試されるこのレース、並み居る強豪を蹴落として1着は難しくとも、馬券圏内は安心して見込める。

9番トリオンフは安定感抜群の成績だが、G1は初挑戦となる。先輩たちにもまれて後続で終わるか、強い脚を見せつけて馬券圏内か、私としてはその若さと無邪気さに期待している。

外枠は何といってもスワーヴリチャードだろう。枠順で不利とみなされ人気は少し下がったが、「この馬ならやってくれる」という有無を言わせぬオーラをひしひしと感じる。鞍上のM・デムーロ騎手は、私いわく「日曜15時35分の男」だ。平場の調子が悪くても、ここぞいうレースでは勝ちをかっさらっていく。

このほかに私が注目しているのは11番ウインブライト。中山記念も勝っている実力のある馬だがオッズが高く、いわゆる「おいしい馬券」になる可能性が高い。

以上の予想から私、宇田川の買い目は3連単(2)(4)‐(2)(4)(8)(9)(15)‐(2)(4)(8)(9)(11)(14)(15)。初心に帰る2‐5‐7頭のフォーメーションだ。

個人的な「推し馬」サトノダイヤモンドの単勝を買っておくのも、もちろん忘れない。

どんな結果になるにしろ、絶対に楽しみたいレースである。

◆宇田川那奈(うだがわ・なな)1993年(平5)6月16日、東京生まれ。東京大学卒業後、現在は京大大学院に在学中。趣味は勉強、プログラミング、木登り、謎解き、乗馬。池江厩舎をこよなく愛する。スペースクラフトのキャンパスクイーン事業部所属。プロ雀士としての一面も持つ。