ケンタッキーダービーを振り返って

 こんにちは。今週は、先週のコラムで紹介したケンタッキーダービーのお話をしたいと思います。

 まずレースは、超不良馬場で行われました。日本では珍しいほど馬場が悪く、水が浮いてとても走れる様な馬場状態ではありませんでした。その中で、馬場の影響を受けてスタート直後に競走中止したのが、ドバイで行われたUAEダービーの勝ち馬サンダースノーです。スタート直後から波乱が起こり、レースも馬場状態の影響で、前半のペースはいつものケンタッキーダービーほど速くなく、後続の追い込みが利かない珍しい展開でした。勝ち馬のオールウェイズドリーミングはスタート直後から好位につけ、ゴールまで砂を1度も被りませんでした。

 オールウェイズドリーミングは2015年のキーランド・セプテンバーセール出身。同セールは世界でトップクラスの競り市です。多くの日本人バイヤーも参加するセリなので、もし同馬が日本に来ていたらとも思います。そう考えると、日本調教馬でのケンタッキーダービー制覇は、夢ではないのかもしれません。

 私自身の騎手経験として、このような超不良馬場から今後を占うことは、とても難しいと思います。馬の中にはこんな馬場状態が得意で好きという変わった馬がいるからです。日本馬のエピカリスがどんな走りをするか、3冠最終戦のベルモントステークスが、今から楽しみです。

 話はヨーロッパ競馬に変わりますが、イギリス・アイルランドではいよいよ古馬の大物が始動しました。その中で、秋に行われる凱旋門賞で必ず日本馬のライバルとなる2頭をご紹介したいと思います。

 どちらも牝馬で、アイルランドのエイダン・オブライエン調教師の管理馬です。まずは去年の英オークス馬マインディング、そしてもう1頭は愛オークスとヨークシャーオークスの勝ち馬セブンスヘヴンです。両馬は今年初戦のレースを無事に勝利しました。今後の動向に注目したいと思います。皆様、ぜひこの2頭を覚えておいてください。

 今週は古馬牝馬のG1ヴィクトリアマイルが東京競馬場で行われます。私はミッキークイーンに注目していますが、この馬も凱旋門賞に挑戦したらいい戦いができると思っています。私は今週も、ニッポン放送の番組内でゲート横リポートをします。ぜひ、ご視聴ください。

(レースホースコーディネーター)