距離延長でも2冠あるアルアイン/ダービー

 ダービーでアルアイン(牡3、池江)の2冠はあるのか? 水島晴之記者が独自の視点で分析する「G1前哨戦その一瞬」は、消耗戦の皐月賞を積極策で押し切った内容からマイラーではないと結論。距離延長を克服し、再び頂点に立つ可能性はある。スワーヴリチャード(牡3、庄野)は左回りで隠れていたギアが現れる。

激流の中脚鈍らずV アルアイン

<皐月賞>◇4月16日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭◇4着までダービー優先出走権

皐月賞を制したアルアイン。6着に敗れたスワーヴリチャード
皐月賞を制したアルアイン。6着に敗れたスワーヴリチャード

 皐月賞は1分57秒8のレースレコードだった。時計の速い決着に「マイラー有利な流れ」という声を多く聞いた。だが、本当にそうだろうか。前後半のラップタイムを比較すると、前半59秒0、後半が58秒8。速い流れのイーブンペースで13秒台は1度もなく、11秒台(2ハロン目の10秒8を含む)を6回も刻んでいる。高速馬場ということを差し引いても、かなりの消耗戦だったことが分かる。

 そんな激流の中、勝ったアルアインは逃げたアダムバローズと並び先頭でスタンド前を通過。1コーナーでは4番手に控えたが、レース序盤から積極的な競馬をした。途中12秒台に落ちたのは1000メートルを過ぎてからの2ハロン(12秒2―12秒4)だけ。そこから再びペースが上がり、ゴールまでの4ハロンはすべて11秒台。まさに息の入らない流れ。本質的なマイラーなら脚が鈍ったはずだ。

 しかも勝負どころの3~4コーナーでは、ダンビュライト、ファンディーナに挟まれ、直線入り口ではクリンチャーに寄られる不利もあった。精神的にかなりのプレッシャーを受けながら、最後まで粘り切れたのは体力面だけでなく、メンタルの強さもあるからだ。東京芝は先週のままなら軽い高速馬場。400メートル延長で「止まる」という判断は危険すぎる。

 一方、力を出し切れずに敗れたのが、6着スワーヴリチャードだ。中団から大外をまくったラスト600メートルのレースラップは11秒4―11秒4。速いところで動けば、それだけ消耗する。さらに、直線は右手前のまま。車でいえばギアが変わらなかったのと同じ。あれでは伸びない。四位騎手は「右回り」を敗因に上げたが、今回は共同通信杯を勝った左回り・東京。もう1つ上のギアに入れば、前走の0秒4差は逆転できる。