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芸能新着コラム

映画この一本

裏取り重ね真実あぶり出す/ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~(英)

80~90年代を代表する米女性歌手、ホイットニー・ヒューストンの劇的な生涯を浮き彫りにするドキュメンタリー映画。栄光と転落のギャップが激しく、かなりヘビーな内容だ。生い立ち、家族、結婚、薬物中毒…。知れば知るほど切なくなった。

幼いころから教会の聖歌隊に加わり、基礎からゴスペルを学び、20歳のときに歌手デビュー。どこまでも伸びる圧倒的な歌唱力は世界の人々を魅了し、主演映画「ボディガード」(92年)の成功によって富と名声の頂点を極めた。米歌手、ボビー・ブラウンとの結婚を境に、薬物中毒や夫の暴力で一気に転落。7年前、48歳という若さで不慮の死を遂げた。

背景に何があったのか。アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作「ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実」などを手がけたケビン・マクドナルド監督は、膨大な映像記録を丹念にリサーチ。家族、友人、仕事仲間から赤裸々な証言を引き出す。少女時代の衝撃の新事実も明かされる。証言が事実かどうか。緻密な裏取り作業を重ねて真実をあぶり出す。歌姫の「歴史」は物悲しくもあるが、見応えは十分だ。【松浦隆司】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

乃木坂46寺田蘭世

乃木坂46寺田蘭世 沢山の愛をくれた衛藤美彩さん

つい、最近見ていた景色。1つ1つ大切にしたいですね。

あまりの寒さに手が震えています。

外を見てみると、雨なのか雪なのか

微妙ではありますがほんのり

雪が降ってきました。

ここ数日は寒さが我慢できません。

21日から、京セラドーム大阪にて

乃木坂46恒例のバースデーライブがあるので

ここで体調を崩したら今までの準備が

水の泡になってしまうこともあり

絶対に気を抜けません。

そんな今回のニュースは、

衛藤美彩さんの卒業発表。

一緒に道を作る途中から

先輩としてライバルとしても

そばにいた1期生の皆さん。

沢山叱ってくれて、沢山愛をくれた。

美彩さんは特にお世話になりました。

私が大きなポジションを任されたら

「おめでとう」って声を掛けてくれて…

加入したてで何も分からない中で

がむしゃらにやって、それでも

上手くいかなかったときに

「ちゃんと見てるよ」って

抱きしめてくれたのも

美彩さんは覚えてないかも知れないけど

私は覚えてます。

そんな関係でいてくれたことが嬉しかったし、

とても感謝の気持ちでいっぱいです。

ソロコンサートでの卒業は

乃木坂46としては初めてのことです。

美彩さんとの日々を大切にしたいです。

透明感がある真っ直ぐな歌声、

最後にたくさんの方の心に響く

ライブになることを祈ってます!

(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46寺田蘭世 NEWSがとまらんぜ」)

映画この一本

愛得るため…壮絶な女の駆け引き/女王陛下のお気に入り(アイルランド、米、英)

18世紀のイングランドを舞台に、アン女王(オリヴィア・コールマン)の愛を得ようと、女官長レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)と侍女アビゲイル(エマ・ストーン)が、壮絶な駆け引きを繰り広げる。

日本時間25日発表の米アカデミー賞に作品賞をはじめ、9部門10ノミネートされている注目作。コールマンが主演女優賞に、ワイズ、ストーンはそれぞれ助演女優賞候補に挙がっているように、女優3人の火花の散らし合いだ。

アン女王の深い孤独とあきれさせるほどのわがままさをチャーミングに演じたコールマンと、超がつくほどの冷徹ぶりを見せるワイズ、成り上がっていくさまを体当たりで演じたストーン。3人それぞれが主演と言ってもいいくらいだ。

それにしても、悲しい愛憎劇だった。しょせんは宮廷の中で生きるしかできなかった女たちの物語。時折見せる彼女たちの空虚な表情が切なかった。

じわじわと不安をあおる音楽、魚眼レンズの多用など、時代ものとしてはかなり新鮮。驚くのはすべてを自然光で撮影していること。建物や風景、人物がより立体的に、今に近い感覚で浮かび上がってくる。【小林千穂】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

舞台雑話

「平成の-」で選んだ大竹しのぶ 30年で大女優に

舞台「ピアフ」の公開稽古を行った大竹しのぶ(2016年2月6日撮影)

演劇雑誌「悲劇喜劇」3月号で、「平成の演劇」を特集している。

30年間の演劇状況を現代演劇、歌舞伎、商業演劇、ミュージカルのジャンルごとにまとめたり、作り手の側から見た30年間の演劇を座談会で俯瞰(ふかん)するなど、読みごたえのある内容になっている。

その中で「私がえらぶ、平成のこの一本」というアンケートが特集されている。大ベテランの演劇評論家から、演劇を専門とする大学教授、そして私のような演劇ジャーナリストまで36人が、30年間で上演された舞台、俳優、戯曲から「この一本」をそれぞれ選んでいる。

その結果が興味深い。俳優部門で最も多かったのは、一昨年に亡くなった平幹二朗さんで、9人だった。その舞台として、蜷川幸雄演出「近松心中物語」「王女メディア」「テンペスト」から、最後の出演舞台となった「クレシダ」などが挙がっていた。続くのは大竹しのぶで、5人。舞台もライフワークとなりつつある「ピアフ」から、井上ひさしさん作「太鼓たたいて笛ふいて」、ラシーヌ作「フェードル」エウリピデス作「メディア」と多岐にわたった。滝沢修さん、坂東玉三郎、野村萬斎が各2人だった。

戯曲では、井上ひさしさんの「父と暮せば」が8人で、最も多かった。井上作品では「シャンハイムーン」や東京裁判3部作を挙げる人もいた。続くのは野田秀樹「パンドラの鐘」で4人、三谷幸喜「笑の大学」、小幡欣治「熊楠の家」が各2人だった。

舞台は意見が分かれた。最も多かったのは、蜷川幸雄演出で、上演時間が9時間に及んだ大作「グリークス」の4人だった。複数の人が挙げたのは、同舞台だけだが、ちなみに蜷川演出の舞台はこのほかに「ひばり」「近松心中物語」「海辺のカフカ」「天保十二年のシェイクスピア」が挙がっていた。

ちなみに私が選んだのは、俳優は「大竹しのぶ」、戯曲は「父と暮せば」、舞台は野田秀樹作・演出「エッグ」だった。大竹は30年間で女優として目覚ましい成長を見せ、名実共に大女優になった。「父と暮せば」は広島の原爆で命を落とした父の亡霊と娘を主人公に、原爆をテーマにした舞台の最高傑作。「エッグ」は、架空のスポーツ競技の話から、旧満州で人体実験を行った731部隊にまで飛躍する中で、熱狂する大衆の怖さを鮮烈に見せた。

【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

映画な生活

「天国でまた会おう」原作の胸にじんと残る読後感

「天国でまた会おう」の1場面 (C)2017 STADENN PROD.-MANCHESTER FILMS-GAUMONT-France 2 CINEMA (C)Jerome Prebois/ADCB Films

フランスのミステリー作家ピエール・ルメートルの「その女アレックス」を読んだのは、本屋大賞(翻訳小説部門)で1位を取った後だから4年近く前になる。

キャラの立った登場人物、本格ミステリーの筋立てに引き込まれ、この作品と前後する「悲しみのイレーヌ」と「傷だらけのカミーユ」を合わせたヴェルーヴェン警部3部作を短期間で読み切った。この間に文庫本化されたのが今作「天国でまた会おう」(3月1日公開)の原作だ。

ルメートルつながりで手に取ったのだが、最初は違和感があった。舞台は3部作の現代から、いきなり第1次世界大戦末期に移され、ミステリーというよりはヒューマン・ドラマの色合いが濃い。最初はだまされたような気がしたが、先の読めない筆運びにいつの間にか夢中になり、読み終われば、胸の奥にじんと残る読後感があった。

ルメートル作品の主人公は身体的コンプレックスを抱えていることが多い。例えば、ヴェルーヴェン警部は身長140センチ台である。そんな設定が独特の視点や感情描写の厚みとなっているのだが、今作は極端だ。映像化は難しいだろう、と思っていた。

主役コンビの片割れエドゥアール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤード)は戦場でアゴを吹き飛ばされ、言葉が発せられない上に鼻から下を覆うマスク無しには人前に出られない。そのマスクは妙に芸術的な自作である。一歩間違えば怪奇映画のようなビジュアルになってしまうし、彼を慕う少女との微妙な関係も、その雰囲気だけを想像できる小説の世界だからこそ成り立つと思っていた。

そんな高いハードルをクリアしたのが監督、脚本、そして主役コンビのもう1人、マイヤールとして出演もしたアルベール・デュポンテルと、共同脚本に入った原作者ルメートル本人だ。セピア色に見える戦場、自作マスクをアートに見せる絵画のようなドラマ部分。ルメートルはデュポンテルの仕事ぶりを「才気あふれる驚きばかりで、私はもっとも幸福な小説家」と最上級に評価している。

原作からの足し引きはもちろんあるが、小説を読んだときに抱いたイメージに近いし、それをいい方に膨らませた印象があった。ユーモラスな描写もあって不必要な緊張感を強いるところもない。そしてコンビの固い友情、エドゥアールと厳格な父の深い愛情にグッとくる。

大戦末期の西部戦線で、理不尽な上官によって体と心に大きな傷を負った主役2人は何とか戦後を生き抜く。上官に象徴される権力者への恨みは消えない。実は富豪の長男で美術の才能に恵まれたエドゥアールと実直で行動力のあるマイヤールはある「計画」でそんな権力者に一泡食わせ、大金を稼ごうとする。くしくも、そこにはあくどさを武器に戦後ものし上がったあの上官がいて…。

サディスティックな上官を演じるのは仏人気コメディアンのロラン・ラフィット。彼をよく知るフランス人にはけっこう笑える演技なのだろうが、あまり知らないこちらからすればただただ憎らしい男に見える。それだけ好演ということなのだろう。

エドゥアールと心を通わす少女ルイーズを演じたエロイーズ・バルステールもしたたかな演技。彼の言わんとするところを読み取る「通訳」の役割で、しっかりと映画の軸になっている。

ポスターなどにはアート色が強いが、ルメートルならではの「謎解き」がしっかりと底流にあり、ひと味違う娯楽作品に仕上がっている。

【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

B面★梅ちゃんねる

フジ日曜改革は裏目?視聴率3%台の踏ん張りどころ

フジテレビ本社

【先週の数字】3・3%

10日に放送されたフジテレビバラエティー「アオハル(青春)TV」(日曜午後9時)の視聴率です(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「視聴率改革のスピードを上げるために、4月改編を待たずに1月改編を断行する」(宮内正喜社長)。そんな期待を背負って1月27日という異例のタイミングでスタートした新番組ですが、やはり宣伝期間が短いのか、初回4・1%で今回さらに下落。スタート早々、ゴールデンタイムで3%台というピンチに直面しています。

同日の他局は、日本テレビ「行列のできる法律相談所」17・2%、テレビ朝日スペシャルドラマ「庶務行員・多加賀主水が悪を断つ!」12・0%、TBS日曜劇場「グッドワイフ」8・5%、テレビ東京「池上ワールド」5・4%。

ドラマ、情報番組のジャンルでは復調の兆しも見え始めた同局にとって、バラエティーのスランプは大きな課題となっています。特に弱点となっているのが金土日のGP帯(午後7時~11時)。昨年の10月改編で「坂上どうぶつ王国」(金曜7時)など金曜、土曜に3つの新番組を立ち上げ、今回の“1月改編”でいよいよ日曜GP帯に着手。それが9時枠の「アオハルTV」と、8時枠「でんじろうのTHE実験」の2番組です。

「日曜ファミリア」「ニチファミ!」と続いた単発SP枠を終了し、約3年半ぶりとなるバラエティーのレギュラー番組。特に「アオハルTV」に関しては、定例会見でも役員たちから「幅広い層の支持を得られると思う」「結果を楽しみにしている」と期待の声が寄せられました。ですが、改編前の1月分と比べると、「ジャンクSPORTSスペシャル」7・1%、「警察24時」8・9%、「超見逃せない瞬間SP」6・4%とニチファミ時代より下回ってしまい、苦悩は続いています。

そんな「アオハルTV」ですが、テンポの悪さを感じるものの、視聴率ほどひどい内容でもないというのが個人的な印象です。タレントのヒロミがMCを務め、ビビる大木、DAIGO、Sexy Zoneの菊池風磨と佐藤勝利がレギュラー出演する青春応援バラエティー。3・3%だった回は、風磨&勝利が工業高校のロケット部を訪ね、手作りロケットの打ち上げという夢舞台に立ち会いました。

「学校へ行こう!」(TBS)みたいなテイストですが、男子部員たちが2人のことをあまり知らず、ジャニーズが来たのにノーリアクションという新しい展開。「Sexy Zoneって知ってる?」「…」。ショックすぎて菊池が「ロケット部」を「ロボット部」と言い間違えたり、何げなく「姉がHey!Say!JUMPのファン」と口にした部員を佐藤勝利がマッハで黙らせたり。V6のようにはいかない2人の必死さが新鮮で、けっこう笑えました。

にぎやかになりにくいテーマ選びや、一芸コーナー「アオハルフェス」の面白さがいまひとつ伝わらない感じにもどかしさも感じますが、高齢者シフトが激しいテレビ界で、何とか若年層を取り込もうというガッツはアリだと思うので、「4月改編を待たずに終了」なんてことにならないよう、健闘を祈ります。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)

宝塚朗らかに

「品あり芯もある」プレーボーイ好演/明日海りお

希代のプレーボーイを好演している明日海りお(撮影・加藤哉)

今年5月に就任丸5年を迎える花組トップ明日海(あすみ)りおが、兵庫・宝塚大劇場で、希代のプレーボーイを好演している。1本物「祝祭喜歌劇 CASANOVA」で、明日海が演じる主人公は、女性との幾多の浮名から混乱を招いた罪で投獄される「究極のモテ男」だ。トップ娘役仙名彩世(せんな・あやせ)演じる修道院から出たばかりの娘との情熱的な恋でも魅了している。仙名は今作で退団する。宝塚公演は3月11日まで。東京宝塚劇場は3月29日~4月28日。

かつての「フェアリー系」も、堂々たる「花男」。トップ・オブ・トップ。強くしなやか、艶も備える明日海は、今年の目標を「鍛(える)」と書き記した。

「心身ともに、です」

今年の初作品は、希代のプレーボーイを主人公とする「CASANOVA」。18世紀のベネチアを舞台に、数々の女性と浮名を流した役柄を「今の時代の薄めの言葉で言うと、品があって、芯もある『チャラ男』ですかね(笑い)。おどけても、自信があって、レディーを扱うスマートさにもたけている」と説明した。

冒頭、大勢の娘役に囲まれる場面もある。

「男役をやってきてよかった(笑い)。女性すべてをとりこにし、娘役が情熱的に歌い踊ってからみついてくれる。だからこそ、ちゃんと(魅力に)納得がいくたたずまいでいないと」

圧倒的な美貌、華やかなルックスの明日海は、これまでも光源氏など、和洋のプレーボーイを演じてきた。今回、演出の生田大和氏から「パイレーツ・オブ・カリビアン」を提案された。「少し悪く見えるような部分は、あの映画のジョニー・デップさんだなと」。

情熱的に恋や夢に生きる主人公に「男役としてはうらやましいけど、ひとたび捕まれば一生、牢(監獄)を出られない。それはいやかな~」。柔らかい笑顔で言う。今回は3人目の相手役、仙名の退団公演になる。歌、ダンス、芝居すべてに達者な仙名は、娘役としては遅い就任だった。

「稽古で初めて一緒に合わせるときから(高い)クオリティーを。本当にありがたく貴重なことでした。彼女と組むことで、理想高く追求していけた」

次期トップ娘役には華優希(はな・ゆうき)を迎える。4人目の相手役は現在まだ5年目。自身は100周年イヤーでトップに就き、丸5年。他4組のトップは全員が変わった。「たった…たった5年で、すごく変わるものだな。私も」。就任直後、10年に1度の運動会にトップ最下級生として花組を率いたが、最下位。組子に逆に励まされた。

「最初は『みんなも私じゃ不安だろうな』と思い、焦りの方が大きかった」

体育会系的に言葉や態度で引っ張るのではなく、黙々と稽古に集中する姿を見せることで花組をけん引してきた。組の雰囲気に敏感になった。稽古中に緩みが見えれば「グッと集中した姿」を、緊張感が強まれば「ホワッと緩めれば」。明日海流のリーダー学だ。

「稽古中の夜休憩は、みんなで円になって、お弁当を。以前は私が休憩なんてしてちゃダメって…。でも、今は切り替え、いいリフレッシュになりますね」

6月には、劇団初の横浜アリーナ公演も決まった。

「今までのどの劇場よりも広い。行ったこともない。(出演)前から言うのも…ですけど、一生の思い出です」。まだ知らない「明日」へ向かう歩が緩むことはない。【村上久美子】

◆祝祭喜歌劇「CASANOVA」(作・演出=生田大和、作曲=ドーヴ・アチア) 18世紀ベネチアに生まれた希代のプレーボーイ、ジャコモ・カサノヴァ。詩人や作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、さらにはスパイ…。多様な“顔”を持つ男を描くオリジナル・ストーリー。映画などでも取り上げられ、数奇な運命をたどった男の半生を描く。楽曲は「太陽王」「1789」などを手がけたドーヴ・アチア氏が書き下ろした。女性との浮名から、風紀を乱した罪で投獄されたカサノヴァは、周到な計画を立てて脱獄。カーニバルにまぎれ逃走劇は進む。その最中、修道院から出たベネチア総督のめいベアトリーチェ(仙名)と出会う。

☆明日海(あすみ)りお 6月26日、静岡市生まれ。03年入団。月組配属。08年「ミー&マイガール」で新人公演初主演。12年、月組準トップ。当時トップ龍真咲と、異例の主演役がわりで2作。花組へ移り14年5月、同トップ。15年第2回台湾公演主演。仙名彩世の退団後は、華優希を4人目相手役に迎える。昨年は名作漫画「ポーの一族」で好評を得て、同秋には千葉・舞浜アンフィシアター公演。今年は劇団初の横浜アリーナ公演も決まっている。身長169センチ。愛称「みりお」「さゆみし」。

宝塚朗らかに

本拠地ラストは3・11「特別な思い」/仙名彩世

今作で退団する仙名彩世(撮影・加藤哉)

今年5月に就任丸5年を迎える花組トップ明日海(あすみ)りおが、兵庫・宝塚大劇場で、希代のプレーボーイを好演している。1トップ娘役仙名彩世(せんな・あやせ)演じる修道院から出たばかりの娘との情熱的な恋でも魅了している。仙名は今作で退団する。宝塚公演は3月11日まで。東京宝塚劇場は3月29日~4月28日。

「お稽古中にも、ふっとした瞬間に、今幸せだなって思って、ちょっとジーンとくる時はありました」

今作で退団する仙名は一昨年2月、娘役としては異例の遅咲き9年目でトップ娘役に就任。明日海の3代目相手役に迎えられた。

「明日海さんには日々、たくさんアドバイス、エネルギーをいただきました」

最後の役柄は、修道院から行儀見習いを終え、出てきたヒロイン。プレーボーイのカサノヴァを魅了する。

「(舞台で)娘役さんたち大勢に囲まれ、1人立っている姿が、なんて似合うんだろうと…。でも、明日海さんなら納得(笑い)。そんな方の相手役をさせていただけたことが、どれほどありがたいことか。卒業するその瞬間も、そう思っていると思います」

新しい人生へ踏み出すヒロインの設定と、劇団に別れを告げる自らがリンク。楽曲はドーヴ・アチア氏の書き下ろしで、大作だ。

「曲がすばらしく、ボリュームがある。ちゃんと自分たちのものにできたら、みんなが成長できる機会になる。私自身もすてきな曲をいただきましたし、しっかりと表現していきたい」

役作りの過程で、宝塚音楽学校の受験時を思った。

「今から始まる。希望に満ちた歌があって、あの頃も何を学び、何ができるのか、何が待っているのかって、不安よりも楽しみの方が大きかった。あの思いを芝居に生かせたら」

明日海との掛け合いは、ラップの楽曲にのり、セリフをかわし、歌う場面もある。「舞台上でのラップは初めて。私にとって、かなり新しい感じ」。まだまだ新たな挑戦の日々だ。

「自分が見てきたすてきなところ、物を取り入れ、模索しながらきた。でもまだ、自分の中で満タンにはなっていない。卒業の瞬間まで取りこみ続けたい」

首席で入団。技量は歌、ダンス、芝居と3拍子そろい申し分ない。娘役として「身なりも心も、つねに美しくある」ことに努めてきた。近づく有終の日。本拠地に別れを告げる3月11日は、故郷の仙台が東日本大震災に見舞われた日だ。「毎年、3月11日に舞台に立たせていただき、特別な思いはあります」。万感の思いを胸にゴールへ向かう。

◆祝祭喜歌劇「CASANOVA」(作・演出=生田大和、作曲=ドーヴ・アチア) 18世紀ベネチアに生まれた希代のプレーボーイ、ジャコモ・カサノヴァ。詩人や作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、さらにはスパイ…。多様な“顔”を持つ男を描くオリジナル・ストーリー。映画などでも取り上げられ、数奇な運命をたどった男の半生を描く。楽曲は「太陽王」「1789」などを手がけたドーヴ・アチア氏が書き下ろした。女性との浮名から、風紀を乱した罪で投獄されたカサノヴァは、周到な計画を立てて脱獄。カーニバルにまぎれ逃走劇は進む。その最中、修道院から出たベネチア総督のめいベアトリーチェ(仙名)と出会う。

☆仙名彩世(せんな・あやせ)12月3日、宮城県生まれ。08年3月入団。花組配属。新人公演のヒロイン経験はないが、専科スター轟悠主演の16年「For the people」でヒロインを務めるなど、技量に優れ、一昨年2月に蘭乃はな、花乃まりあに続く、明日海の3代目相手役として、トップ娘役に。身長162センチ。愛称「ゆき」。

映画この一本

「奇跡のような偉業」克明に再現/ファースト・マン(米)

人類初の月面着陸成功はちょうど半世紀前だ。アポロ11号のアームストロング船長が降り立つテレビ中継は、映像や音声の粗さにかえって重みがあった。翌年の大阪万博には「月の石」を見に行った。

NASAの巨大施設や宇宙船に搭載された当時のコンピューターの能力は、全部合わせても私たちのポケットに入っているスマホにかなわないという。単純に感動した歴史的1歩の裏には、信じられないくらい複雑な人間力の積み上げがあったのだ。「ラ・ラ・ランド」の名コンビ、デイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが「奇跡のような偉業」へのハラハラを克明に再現している。

冒頭は、空軍テストパイロットだったアームストロングが円筒形の実験機に乗り、宇宙の際まで上昇するシーンだ。すさまじい揺れと重圧で「点火されたブリキ缶」と揶揄(やゆ)された当時の技術レベルを実感させる。時計を巻き戻す。

へどを吐く訓練、同僚の事故死、そして愛娘の死…。ゴズリングの遠くを見る目が印象的だ。なぜ彼が世紀のミッションに選ばれたのか。強い意志が運命を引き寄せる様が、濃密な映像から見えてくる。【相原斎】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

映画な生活

韓国映画界の新星 豊かな感性を得た日米での私生活

戦前の法定資料を前に語るチェ・ヒソ

一昨年の韓国映画界で各賞新人賞を総なめした女優がいる。今年32歳になったチェ・ヒソ。遅咲きといえる彼女は父親の転勤で小学校の5年間を大阪で、中高時代を米国で過ごした。メジャー第1作となった映画「金子文子と朴烈」(イ・ジュンイク監督)では日本人の主人公にふんし、自然な日本語を話し、母国韓国語に日本なまりを入れる巧演だ。この映画の16日公開に合わせて来日したヒソに話を聞いた。

-映画の舞台は1923年(大12)。関東大震災の混乱の中で拘束された朝鮮人アナキスト朴烈(イ・ジェフン)と同志愛に燃える日本人女性、金子文子の物語です。

「監督からお話をいただいて初めて金子文子のことを知り、手記を読みました。23歳で書いたとは思えない内容でした。特に12歳で自殺未遂したエピソードには圧倒されました。極貧の中で飛び込み自殺を考えるのですが、橋の上から見た自然の美しさに目を奪われ、自分の思いを誰にも知られずに死ぬのは悔しいと思い直す。自分と同じ境遇の人たちのためにも生きていこう、と。すさまじい生きざまに引き込まれました」

-日本人に成り切った演技には驚かされました。

「5年間大阪にいたので、日本語は分かるのですが、どうしても大阪弁が出てしまう(笑い)。おまけに日本にいたのが小学生の時だったので、出てくるのは子どもっぽい言葉。その辺を修正するのに苦労しました。感情を込めて演技をすればするほど、大阪弁のイントネーションが出てしまうんです。細かいところまで修正できたのは、40歳まで日本にいた共演者のキム・インウさんの指導が大きかったと思います」

-庶民生活の描写はリアルなのに日本政府内の閣議や裁判の場面は演劇的に誇張されているように感じました。

「実在の政治家を描くわけですし、主題はあくまで2人の純愛です。閣議や裁判はアップではなく演劇的に引いてフルショットで描こうとなったわけです。劇団『梁山泊(りょうざんぱく)』の人たちが出ていますから、演劇的で重厚な空気ができあがったと思います」

-朴烈と金子文子の話は、実は日本でもあまり知られていないのですが、不当に逮捕された2人は、これを逆手にとって大逆罪を被り、文字通り命を懸けて法廷で自分たちの考えを主張しようとする。すさまじい生き方ですね。

「だから法廷のシーンは難しかったですね。資料を読んでいきさつをすべて知っているわけですから、ポイントは分かっている。どうしてもそこで感情が強く出過ぎちゃうんですね。でも、その瞬間をひとつの課程として生きている彼女はもっと淡々と話していたはずなんです。頭で分かっていることと、その時々の感情の起伏。バランスを取るのが大変でした。彼女は意志は強いけど、無邪気なところがある。フェリーニの『道』に出てくるジェルソミーナを意識しました」

-「反日映画」になりがちな題材ですが、深い愛情と気高い志を描いた普遍的な人間ドラマに仕上がったと思います。

「この映画を見た韓国の友人は、思っていたよりあの頃の日本は法律のもとで合理的だったんだね、とそっちを驚いていましたね。読むのが大変でしたけど、当時の裁判記録も膨大に残されています。監督は反日映画にするつもりも韓国人を英雄にするつもりもないとはっきり言っていましたから」

-お父様の仕事の関係で韓-日-韓-米-韓と住まいが変わりました。

「中学の途中で米国に行ったばかりのときは英語が話せなくてクラスの隅っこでつらかったです。ストレスもたまりました。日本から来ていた学生がいたので言葉が通じてほっとしたことを覚えています。徐々に英語も話せるようになりましたし、その時、語学って楽しいって実感しました。延世大学でイタリア語を習ったのは(ルーツの)ラテン語にも興味があったからで、その方面に明るいギリシャ人の先生に当たるラッキーもあったんですよ」

-女優を目指すきっかけは何だったでしょう。

「小学生の時に学芸会でたまたま主役になったとき、信じられないくらいドキドキして、ワクワクもしました。きっかけはあの時だと思います。大学時代は演劇に打ち込んで、インディーズ映画に出たりしていたのですが、地下鉄の中でブツブツ台本を読んでいるところを(ジュンイク)監督の作品を手掛けているプロデューサーに見られたんです。奇跡のような。縁なんですね」

日米韓にまたがった生活がニュートラルな感覚を培ったようだ。役作りとなると膨大な資料も苦にしない学究肌でもある。30歳を越えてのメジャーデビューだが、今後の国際的な活躍が期待される。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

◆チェ・ヒソ 1987年1月7日生まれ。幼少期を大阪で、中高時代を米国で過ごし、帰国後に卒業した延世大ではイタリア語を学ぶ。中国語も合わせて5カ国語を話す。09年「キングコングを持ち上げる」から映画出演を始め、17年韓国公開の「金子文子と朴烈」でブレーク。同年の大鐘賞映画祭では新人女優、主演女優の2冠に輝いた。

「金子文子と朴烈」の1場面 (C)2017,CINEWORLD&MEGABOXJOONGANGPLUSM,ALLRIGHTSRESERVED
乃木坂46寺田蘭世

乃木坂46寺田蘭世 感謝!日常生活は誰かの努力

2月2日はツインテールの日だったということで。

2018年は観測史上歴代4番目の

高い平均気温を観測していたそうで

1番暑かったのは2016年と、

ここ数年で温暖化が進んでいます。

私もですが、こまめなエコを心掛けて

地球と付き合っていかなければなりません。

インターネットという文化が

当たり前のようになった時代に、

自分の意見を発言できる仕事をいただいて

この巡り合わせに感謝しているんです。

私たちが今当たり前に触っているスマホも

そうですが、沢山の人が努力したからこそ

今の生活が豊かになったと思います。

食べ物だって決してあるのが当たり前

というわけではありません。

「いただきます」「ごちそうさまでした」の

気持ちを大切に。

例えば、カレーライスを作るのにも

野菜を育ててくれた農家の方がいて、

その野菜が育った土や水、

全てがそろわないとカレーライスは

できません。もちろん、

料理を作ってくれる方もいます。

日常生活は誰かの努力で作られていることを

いま一度考えるべきなのでは無いかなと

思いました。

人に感謝することは、1番大切なことだと

私は思います。

節分も終えて時の流れの早さを感じております

恵方巻きも食べました!

(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46寺田蘭世 NEWSがとまらんぜ」)

ツインテールの別カット
舞台雑話

誠実に清潔にまじめに…映画女優・蒼井優舞台に立つ

紀伊国屋演劇賞の個人賞を受賞し、あいさつする蒼井優(2019年1月30日撮影)

蒼井優(33)がこのほど、紀伊国屋演劇賞の個人賞、読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞した。昨年主演した「アンチゴーヌ」「スカイライト」の演技が高く評価された。

先日行われた紀伊国屋演劇賞の贈呈式に出席したが、そこでの蒼井のあいさつにちょっと驚いた。蒼井と言えば、蜷川幸雄演出「オセロー」でデズデモーナ、野田秀樹作・演出「南へ」などに出演し、舞台でも実績のある女優と思っていたが、蒼井は賞を受けるべきかで悩んだという。

あいさつで「信じられないです。賞を頂いていいか悩みました。まだできないこともたくさんあるし。ただ、次の舞台にはこの課題をクリアしようと、ひたすらやってきました」と切り出し、「私は映画出身で、演劇の場に立つことがホームという感じがせず、いつも緊張してしまう。けいこ場でも殻に閉じこもって、四苦八苦してきた」と舞台に立つことの悩みを打ち明けた。

確かに、これまでの受賞歴を見ると、日本アカデミー賞の最優秀女優賞、日刊スポーツ映画大賞の最優秀女優賞など、映画でのものが圧倒的に多かった。30代前半にして華麗な映画キャリアに比べれば、舞台出演はまだ少ないのかもしれない。「舞台の先輩を見ていて、すてきだなと思うのは、真っすぐ舞台に立っている。その姿があまりに格好良く、いつか私も真っすぐ舞台に、武装せず、ただ立つことができるようになりたいと思っていました。今回の受賞の対象になった舞台では、少しだけですが、真っすぐ立つことのにおいを感じることができました」。

最後には「演劇とか映像を分けず、腹をくくって舞台に立て、という意味の自分への戒めとして受賞することにしました。才能があるタイプではないので、1秒でも早く先輩の見ている風景に近づけるように、ひたすら誠実に、清潔に、まじめに進みます」と、頼もしい決意表明で締めくくった。

受賞対象となった「アンチゴーヌ」では国家権力を背負う叔父と命を懸けて対峙(たいじ)して、思いを貫く少女を演じ、「スカイライト」は2時間半ほとんど出ずっぱりで、格差社会の中で自らの生きる道を模索する女性を力強く演じていた。これまでも蒼井の舞台を見ているが、確かな成長を実感した舞台だった。それがかつて20代から30代にかけての大竹しのぶ、宮沢りえの舞台を見た時と、同じような手ごたえだった。今後、彼女の舞台を見るのが、より楽しみになった。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

乃木坂46寺田蘭世

乃木坂46寺田蘭世 心配な雨…自然と向き合う意識

2月1日「ミュージックステーション3時間スペシャル」の新衣装

東京都心で今年2回目の降雪を観測しました。

気象庁によると、2月1日午前0時までの

24時間降雪量は東京都内では多摩地区で

2センチ程度の積雪を観測。

私もこの日外に出ていたのですが、

いつもの寒さとは違う

体に刺さるような鋭い寒さを感じました。

そんな今回取り上げたいのは、

「天気」について。

2018年、雨が降りませんでした。

もう、私は心配で心配で…

雨が嫌いという方が多いイメージを

私は持っているのですが、確かに

雨が降ってくるとお出かけやお仕事の予定が

狂ったり。何となく気分が沈んだり。

あまり、プラスイメージは沸きません。

でも、雨は私たちの生活のために

なくてはならないものです。

いつしか地球温暖化が叫ばれ

しかし、その反面どんどん

暮らしは豊かになり、

地球に住む以上自然と向き合わなければ

ならないのに、どんどんその意識は

薄れていく。

今回こんなにも雨が降らないことに対しても

もう少し危機感や疑問を抱いてもいいのにな

と私は思っていました。

成人式の絵馬で「世界平和」

と書かせていただきました。

単語だけ見ると幼稚に見えるのですが、

でも、誰かが発信しないと何も始まりません。

少しでも気持ちを持ってくれる方が増えれば

意識や常識は変わってくると信じてます。

乾燥注意報が再び出されています。

風邪などにはもちろん注意して頂きたいのですが

火事、小さなことでは静電気なども気を付けて

くださいね。

(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46寺田蘭世 NEWSがとまらんぜ」)

映画この一本

池井戸作品おなじみ出演者の熱量が凄い/七つの会議(日)

背広を着た男たち、いや会社で働く人たちが主役の映画だ。だれもが身につまされるシーンが多い。左遷、保身、裏切り。組織の一員として生きる者の誇り、悲哀を重厚に描く。

原作は「半沢直樹」「陸王」「下町ロケット」など多数のヒット作を放つ直木賞作家、池井戸潤氏の同名小説。野村萬斎が演じる主人公の八角(やすみ)は中堅電機メーカーの係長。営業会議でも居眠りするほどのぐうたら社員の八角は、ある日、年上の上司の課長をパワハラで訴える。

この騒動をきっかけに企業の不正が明らかになり、グループの親会社を巻き込んだ大きな事件に発展する。八角の謎に触れようとした社員は、次々と左遷されていく。池井戸作品らしく組織の悪を描きつつも、ミステリーの要素がからんでいる。黒幕も最後の最後までわからない。

映画ならではのスケール感に少々、物足りなさがあるものの、役者たちの演技の熱量がすごい。野村萬斎の怪演、香川照之の「顔芸」、片岡愛之助、春風亭昇太、及川光博、土屋太鳳、過去の池井戸作品の出演者が続々と登場する。サムライ魂-。ラストの主人公の独白にはうならされた。【松浦隆司】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

映画な生活

コミカルの中に皮肉さも「女王陛下のお気に入り」

「女王陛下のお気に入り」の1場面 (C)2018TwentiethCenturyFox

アン女王の統治(1702~1714年)は、英国がルイ14世の強大なフランスとの戦いを優位に進めた時代に当たる。

エリザベス、ヴィクトリア両女王に比べると知名度の低いアン女王は気まぐれで病弱だったと言われ、女王の覚えめでたい女官長が実質的に王宮を仕切っていた。「女王陛下のお気に入り」(15日公開)はその地位にあったレディ・サラと召し使いからしだいに女王の心をとらえ、取って代わるアビゲイルの確執を描く。「三角関係」はコミカルにも見えるが、これが当時の世界情勢とリンクする皮肉な図式が浮かび上がる。

レイチェル・ワイズが演じるサラは、見た目から聡明(そうめい)だ。17回も妊娠しながら、いずれも先立たれてしまった孤独な女王の支えになり、その一挙手一投足まで思いのままに動かす。アン女王役のオリヴィア・コールマンが受動的な甘え体質をかもし出し、「SM的」な2人のつながりが浮かび上がる。

対して、エマ・ストーン演じるアビゲイルは女王の通風の足を薬草で癒やしたり、子どもの生まれ変わりとして飼っている17匹のウサギを一緒にかわいがって、不動に見えた2人の間に割って入っていく。優しさからしだいに権力欲に目覚めるアビゲイル。終盤の怖いほどの表情をストーンがうまく出している。

サラの後ろには議会の戦争推進派ホイッグ党、アビゲイルには戦争終結派のトーリー党がくい込んでくるから、このさや当てもただごとではない。

王宮内は目を見張る調度品で満たされているが、当時を再現する薄暗さ。照明代わりとなるロウソクの火が演技巧者3人の表情を照らし出し、舞台劇のような趣がある。

監督はギリシャ・アテネ生まれのヨルゴス・ディヴィス。「英王室」を突き放すようなコミカルな描写に嫌みがないのは、紀元前から歴史を育んだギリシャ生まれの余裕だろうか。

3人以外では、トーリー党首ハーリーが印象的だ。「X-MEN」シリーズなどのニコラス・ホルトが当時ならではの大きなカツラをかぶりこなす好演だ。

ちなみにサラをフルネームで書けばモールバラ公爵夫人サラ・チャーチル。ウィンストン・チャーチルやダイアナ妃の祖先に当たるのだ。現代的にも見える当時の確執は文字通り近・現代につながっている。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

舞台雑話

柄本明の喪失感「和枝ちゃん」へのあふれる思い

喪主あいさつで涙をこらえる柄本明(左)。中央は長男の柄本佑、右は次男の柄本時生(2019年1月30日撮影)

昨年10月に原発不明がんで亡くなった女優角替和枝さん(享年64)の「お別れの会」が先日、40年以上も住んでいた東京・世田谷の下北沢で行われた。夫の柄本明(70)の最愛の妻への思いがあふれる喪主あいさつに、胸が熱くなった。

亡くなった直後、柄本は「今は言葉もない」とのコメントを出しただけで、公の場で角替さんについて話すことはなかった。あいさつで語られたのは、40年以上も愛し、連れ添った妻がいない喪失感だった。「毎日毎日、覚めない夢の中にいるようで。まだどこかにいるような感じがしています」。

2人が出会ったのは、柄本が27歳、角替さんが21歳の時。ともに売れない時代で、角替さんは静岡から上京して演劇活動を始めたばかりだった。「みんな、和枝ちゃんを『かわいい』と言ってくれたけれど、僕が1番かわいいと思ったんだと思います。僕の一目ぼれでした。その人と一緒になれて、3人の子供もできて」。それまで気丈に話していた柄本の声が震えた。

81年に結婚し、俳優の柄本佑(32)時生(29)に長女の3人の子供が生まれた。「3人ともいい子供なんです。親の口から言うのもなんですが、思いやりのある、いい子供です」と続けると、こらえていた涙があふれ、声を詰まらせた。傍らに立っていた佑も時生も、涙を流した。

角替さんはドラマや舞台に出演しながら、舞台の演出を行い、中高年を対象にした演劇塾も主宰した。精力的に活動を続ける中、一昨年8月にがんが見つかった。すでにステージ4だった。「和枝ちゃん、家族一丸で病気と闘いました。残念ですよね。64歳ですから。何とか寿命だったと考えようと思ったけれど、不条理な思いは否めません」。

2人は毎朝、近くの喫茶店に行くのが日課だった。20年前からは犬の散歩も兼ねるようになった。「芝居の話とか、いろいろな話をした。多い時で2時間くらいしゃべっていました」。亡くなった翌日にも1人で喫茶店に行ったが、以降、足を運ぶことができなくなった。「今は和枝ちゃんと行った喫茶店に行けないんですよ。何か思い出しちゃうから。いい人でした。正直にバカがつくぐらい、天然でいい人でした。いつも一緒にいました。こういうことになるとは思わなかったんで」。1人残された寂しさが募った。

そんな喪失感を少しの間でも埋めてくれたのが、2人が打ち込んだ芝居だった。「自分(の家)の下に劇団の稽古場があって、そこにいると、劇団の子たちがいて、芝居をしている。一生懸命にごはんを食べて、寝るようにしています。何か泣けない感じもある。泣きますけど」。亡くなった時も、11月の舞台の稽古中で、稽古に打ち込むことで、悲しみを一時だけでも忘れることができた。

祭壇の遺影は、2人が喫茶店にいた時に偶然通り掛かった写真家浅井慎平氏が撮ったもので、角替さんは気に入って、自宅の居間に飾っていた。自然体にほほ笑み、素顔の角替さんがいる。「和枝ちゃんはこれから年は取らないんですよね。僕や子供は年を取っていくけれど。64歳は本当に若いです。この悲しみ、寂しさ、不条理さ、そういったものを糧にして、生きていくんだと思います」。

実は柄本は、家族葬だけを行い、お別れの会をするつもりはなかった。しかし、「ご近所の方が、『お線香をあげたい』とか、仕事場でも『和枝ちゃんの何かやるの』と言ってくださる方がいて、やらせていただきました」。お別れの会には大竹しのぶ(61)国村隼(63)浅野忠信(45)ら俳優仲間をはじめ約350人が参列した。その後、一般の献花が行われ、柄本家の近所の人、行きつけの喫茶店の主人など、参列者は450人を超えた。「和枝ちゃんが住んだ場所でこういう会ができてうれしい。幸せな人生だったと思います」。言葉の1つ1つが、「和枝ちゃん」に送る最後のラブレターに聞こえた。

【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

「角替和枝お別れの会」でたくさんの花で飾られた祭壇(2019年1月30日撮影)

顔パーツ占い

巨人丸のおちょぼ口は成功の証し、逆風切り裂き活躍

<顔パーツ占い>

今回は、今シーズンから巨人に移籍し、注目を集める丸佳浩選手の顔パーツを見ていきたいと思います。一言で表すと…「高級志向で中立的な立場を取る努力家」です。

巨人丸佳浩

目鼻口の顔パーツにはそれぞれ下記のような特徴&性質を持つパーツを持っておられます。

◆「奥二重で笑うと垂れる目=周囲を気遣う努力家タイプ」 まぶたが厚く奥二重の目は柔らかい眼光となり、周囲に優しい印象という安心感を与えます。そのため協調性があり、周囲となじむことが得意です。また、元々地味なタイプであるため、注目されるために人一倍努力することができます。性格はシャイで真面目なタイプでもあります。

◆「平均的でこれといった特徴のない鼻=冷静沈着な司会者タイプ」 周囲を俯瞰(ふかん)的に見ることができ、その場に応じ的確な立ち位置を築けます。非常に論理的でズバリと言い過ぎてしまう面があり、時に相手を傷つけてしまうことも。理屈っぽくなりがちでもあります。

◆「全体が小さいおちょぼ口=おねだり上手な高級志向タイプ」 小さいおちょぼ口の持ち主は気品があり、下品なものを嫌います。裕福な家庭育ちの方が多く、基本的には見えっ張りです。周囲からの印象を良くすることにたけており、普段は口数少なく、内弁慶タイプです。少しワガママでおぼっちゃま気質なところがあります。スポーツ界では特に、ヨイショされて頂点に上り詰める相の人が多いのも特徴です。

まとめると、中立的な立場を取り周囲を気遣う相と、努力をして背中で引っ張る相、そして周囲から祭り上げられる相の3要素が強いと言えます。周囲を見る目を持っていますので、適材適所に人員を配置し「全て自分でやる」という姿勢を少し控えることで、本当のリーダーに成長できそうです。

スポーツ界で上り詰めやすい目と口の相を持ち合わせていますので、MVP級の活躍は当然と言えます。非常に中立的な立場で物事を判断しますので、自分にとって良い決断をその都度していける方です。ある意味、情に薄い部分もあると言っていいでしょう。

とにかく結果で示すことが彼の信条ですので、逆風が吹きつつあっても、広島時代と変わらぬ活躍をしてくれそうです。

乃木坂46寺田蘭世

乃木坂46寺田蘭世 インフルエンザ予防に意識高く

台北ライブのリハーサルにて。堀未央奈(左)とおそろいのジャージで気分をあげて!

インフルエンザが猛威を振るっています。

厚労省によると、全国の推計の患者数は

500万人を超えたそうです。

インフルエンザは空気感染よりも

菌が付着した物に触り、感染につながることが

多いと言います。

ですから、マスク対策だけでなく

しっかりと手洗いをすることが1番手軽に

誰でもできる予防になります。

また、インフルエンザのウイルスは

金属に付着しやすいとのことなので…

多くの人が使うドアの取っ手部分など

こまめに消毒するだけでも

感染を抑えられるのだとか。

学校やオフィス、沢山の人が集まるイベント。

外へ出たら意識を高く持って、

手洗いうがい、アルコールなどで除菌も!

なるとつらいインフルエンザ、

元気なうちに予防を!

(ニッカンスポーツ・コム「乃木坂46寺田蘭世 NEWSがとまらんぜ」)

映画この一本

史実の裏側にある人間ドラマに思いこめ/ナチス第三の男(仏、英、ベルギー)

ユダヤ人虐殺の首謀者とされるハイドリヒは戦時中の42年に暗殺された。原作の「HHhH プラハ、1942年」(ローラン・ビネ著)は亡命先の英国から潜入したチェコ軍人の大胆な暗殺計画を描いたが、映画ではハイドリヒの成り上がりのくだりが興味深い。

女性問題で海軍を不名誉除隊となった彼は、没落貴族出身の妻からナチズムを吹き込まれ、ナチ党でめきめきと頭角を現す。短気で粗暴なエゴイスト。恩人の妻の心まで踏みにじるどうしようもない男なのだが、執着心と冷酷さがナチスの時代にフィットし、NO・2のヒムラーに重用される。

「ゼロ・ダーク・サーティ」(12年)のジェイソン・クラークが見事なばかりに嫌な男に成り切っている。妻役ロザムンド・パイクはゆがんだプライドとあきらめをにじませ、ナチズム醸成の背景が見えてくる。

結果は分かっていても、暗殺計画の曲折はハラハラさせる。実行者と協力者女性の刹那的な恋は、ハイドリヒ夫妻とは対照的に自然光で美しく見せる。ドキュメンタリー出身のセドリック・ヒメネス監督は淡々と史実に重ねるように進めながら裏側の人間ドラマに思いを込めている。【相原斎】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)

舞台雑話

63歳、野田秀樹の新しい「冒険」に注目

「東京演劇道場」をスタートさせる野田秀樹

東京芸術劇場の芸術監督で、演出家・俳優の野田秀樹(63)が主宰する「東京演劇道場」が3月から本格的に始動する。

若い演劇人を育成したいという思いから、演劇道場を立ち上げ、昨年11月に募集を始めたところ、1700人から応募があった。書類審査で300人に絞り、第1次、第2次のオーディションを経て、60人が残った。応募者の年齢層は8歳から70代後半と幅広く、商業演劇の主演級スター、アイドル、現役アナウンサー、劇場経営者、妊婦さんまでいたというが、最終的には残らなかったという。

オーディションでは、「マーガリン」とか「友情」という言葉について、批判的に表現しなさいという課題が出されたという、立ち会った野田は「ひどい人はいなかったけれど、これは次代の才能とまで感じる人もいなかった。でも、面白い人がそろった。1700人という応募者数も、中には有名になれるんじゃないかという不純な人もいるけれど、それだけ芝居のことをちゃんと考えている人がいると思った」という。3月から数日間のワークショップを、年に数回重ねながら、「来年か再来年に芝居という形で打てればいいと思う」。

演劇道場のチラシデザインは、東京五輪の公式エンブレムに選出されたものの、オリジナリティーの有無で使用中止となった佐野研二郎氏が担当した。野田ら教える側は「師範」、教わる側は「道場生」とし、「道場ってネーミングだと、遊びができるのがとてもいいなって。それで道場破りって制度を作ろうと思ってて、例えば、白石加代子さんに来てもらって、何かやってもらうというのもあるかな。それに僕のやり方だけがすべてじゃないので、他の演出家にも来てもらいたい」。オーディションにも立ち会ったノゾエ征爾、柴幸男、熊林弘高、近藤良平らも「師範代」として参加する予定という。

基本的には無料だが、海外からの演出家を招いてワークショップを行う時は有料にするという。「演劇のプラットホームというか、出会いの場所にしたい。私と出会うことだけでなく、道場に集まった人間たちで創作が始まってもいいと思う。私も年を取ったので、自分の肉体では表現しきれないことも増えてきたので、若い時の私のように、真摯(しんし)な肉体を見つけたい」。63歳の野田の新しい「冒険」がまた始まる。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

映画な生活

55年越しのメリー・ポピンズ 進歩と継承、感動も

「メリー・ポピンズ リターンズ」の一場面(C)2018DisneyEnterprises,Inc.AllRightsReserved

55年越しのリターンズ作品である。「メリー・ポピンズ リターンズ」が2月1日に公開される。

ジュリー・アンドリュース主演の第1作は当時の常として1年遅れで日本公開された。早口言葉の「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」「チム・チム・チェリー」…子供心をくすぐる名曲に、実写とアニメを融合した不思議世界。心躍る作品だった。

アンドリュースには翌年公開の「サウンド・オブ・ミュージック」という傑作があるが、小学校に上がってばかりの私には、いかにもというディズニー・タッチのアニメーションを差し込んだこちらの方がしっくり来た。というわけで、半世紀あまりのインターバルを実感しながら「-リターンズ」に向き合った。

劇中では前作から20年の月日がたっている。舞台は大恐慌下のロンドン。前作ではいたずら好きの少年だったマイケル・バンクスは成人し、3人の子持ちとなっている。厳格だった父親が勤めていた銀行の臨時雇用で家族と「桜通り17番地の邸宅」を何とか守っている。が、先行きの見えない不景気でローンの支払いもままならない一家は担保となっている邸宅から追い出されそうだ。

前作の父親は仕事人間でいつも不機嫌だったが、そんな父を反面教師に、メリー・ポピンズの薫陶を受けたマイケルは家族思いだ。が、その分仕事はできない。

一家が抱える問題は前作よりむしろ深刻といえる。そこに再び空からスーパー・ナニーのメリー・ポピンズが現れてこの難問を解決していくという筋立てだ。

前作を見たときはさらりと受け止めたが、今になってみるとこの「ナニー」という職業が気になる。直訳すれば乳母ということになるのだろうが、子育て全般を受け持つという意味でもう少し重きを置かれた存在なのだと思う。家庭教師的な意味合いを持つガヴァネスという職業もあるそうで、メリー・ポピンズにはこちらの色合いも少しある気がする。

前作同様、彼女は明確な指導をするわけではないが、子どもたちを遊ばせながらいつの間にか「正しいレール」に乗せていく。

ポピンズを演じるのはエミリー・ブラント。最近では「ボーダー・ライン」(16年)のFBI捜査官が記憶に残るが、髪形ひとつですっかり印象が変わり、今作では見詰められると思わず「イエス」とうなずいてしまう気品が漂う。親しみやすかったアンドリューズ版より、神秘的に見える。

技術的な進歩はアニメーション部分に顕著だ。ベッタリと二次元的だった前作に比べ、立体的な動きが楽しめる。一方で、ディズニーならではのおとぎタッチはしっかりと受け継がれている。

初監督した「シカゴ」(02年)以来、ミュージカルの組み立て方を心得たロブ・マーシャル監督は前作の空気をそのままつないだ音楽で味付けして、うなずかされるポイントは少なくない。マイケル少年の「2ペンス貯金」など、前作のエピソードにしっかりとオチがつけられる。

脇はコリン・ファース、メリル・ストリープと巧者が固める。アンドリュースが「これはエミリーの映画だから」と特別出演を辞退したのも良かったのではないかと思う。再びメリー・ポピンズが空に去っていくラストシーン。この年齢になってまさかと思ったがウルッときた。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)