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多士済々 五輪が生んだヘビー級の次世代スター

現在、ヘビー級は3団体統一王者のアンソニー・ジョシュア(29=英)、WBC王者のデオンタイ・ワイルダー(33=米)、さらに昨年12月にワイルダーと引き分けた元3団体統一王者のタイソン・フューリー(30=英)が「3強」といわれている。今年か来年には最終的な頂上決戦が行われるだろうと期待を集めているところだ。こうしたなか次世代のスター候補も徐々に頭角を現してきている。今回はそんななかから4選手を紹介しよう。

この半世紀ほど、オリンピック(五輪)はのちのプロのスター登竜門的な意味も持つようになった。現にジョシュアは12年ロンドン大会の金メダリスト、ワイルダーは08年北京大会の銅メダリストである。そういった流れからすると、16年リオデジャネイロ五輪スーパーヘビー級金のトニー・ヨカ(26=仏)を近未来の王者候補として真っ先に挙げなければなるまい。身長201センチ、体重約108キロのヨカは17年6月にプロデビューし、1年で5連勝(4KO)を収めた。まだ世界的な強豪との対戦はないが、WBCでは12位にランクされている。ただ、ドーピング違反のためフランスのコミッションから1年の出場停止処分を受けており、現在は活動を自粛している状態だ。復帰戦が6月か7月に計画されている。

アマチュア時代からヨカのライバルだったのがジョー・ジョイス(33=英)だ。15年の欧州選手権ではヨカに勝ったジョイスだが、その年の世界選手権で敗れたあと16年リオデジャネイロ五輪決勝では惜敗した。身長198センチ、体重117キロの巨体から打ち下ろすワンツーを主武器に、プロでは7連続KO勝ちを記録している。英連邦王座やWBAコンチネンタル王座を獲得しており、WBAで5位にランクされている。23日には前WBC王者のバーメイン・スティバーン(40=ハイチ/米)との試合に臨む。これをクリアするようだと注目度がさらに上がりそうだ。

WBC28位に名を連ねるダニエル・ドゥボア(21=英)は素質の塊のような選手だ。身長196センチ、体重108キロの鋼のような肉体から基本に忠実なワンツーを繰り出す強打者で、プロで9連勝(8KO)をマークしている。3月8日には世界挑戦経験者との試合が組まれており、徐々に対戦相手の質が上がってきた。このまま伸びれば2~3年後には世界戦の舞台に上がっていても不思議ではない逸材だ。

16年リオデジャネイロ五輪ベスト8のエファ・アジャバ(24=ナイジェリア)も順調に成長している。17年7月にプロ転向してからの戦績は8戦全勝(7KO)。KOを逃したのは、相手が開始ゴングと同時に戦いを放棄、リング下りた試合だけだ。ちなみに、この試合は相手の失格=反則負けとなり、ボクシング史上最短決着(1回1秒)として記録されている。アジャバは身長196センチ、リーチ224センチ、体重107キロと恵まれた体格の持ち主で、その筋肉質の体から放つ右ストレートでKOの山を築いている。3月9日には元世界ランカーとのテストマッチが組まれている。

トニー・ヨカ、ジョー・ジョイス、ダニエル・ドゥボア、そしてエファ・アジャバ-

彼らが世界ヘビー級トップの座に君臨する日は近い?

世界に挑んだ2人のボクサー、熱い会長とこれからも

高橋竜平

モンスター井上尚弥がいよいよ5月にボクシング発祥の地英国に初上陸する。海外は17年の米国以来2試合目。初の団体統一戦で19年の黄金カード第1弾となる。井上に限らず日本勢の海外進出はどんどん増えそうだ。今年もここまでの世界戦は米国での2試合。2人とも壁にはね返されたが、印象に残るボクサーで熱い会長だった。

横浜光ジムの高橋竜平は11回TKO負けした。東洋大ではレギュラーにも入れず、12年のプロデビューも初回TKO負け。そこから米ニューヨークにある格闘技の殿堂マディソンスクエアガーデンにたどり着いた。試合の正式決定は1週間前も、石井一太郎会長は「可能性は0%でない」と迷うことなく受けた。

会長は明大時代にボクシングを始め、日本、東洋太平洋王座を獲得した。宮川会長から勧められてトレーナーに転身したが、2年後にその会長が急逝した。元々は会長が会社経営のかたわら開設。存亡危機となったが12年に跡を継ぎ、世界王者を3人育てたジムの歴史をつないだ。

現役時に海外修行経験もあり、積極的に海外での試合もマッチメークする。高橋も17、18年とタイでの試合で成長させ、世界ランクを上げたのが世界戦に結び付いた。選手指導は基本的にトレーナーに任せて「選手をリングに上げるのが仕事」と話す。

14年には動画配信サイトも立ち上げた。裏話や臆せず物言う専門誌の連載コラムも評判だ。36歳とこの業界では若く革新的会長だ。

ワールドスポーツジムの井上岳志は、斉田竜也会長と同じ駿台学園、法大を経て入門した。米ヒューストンでNBAロケッツがホームのトヨタセンターで世界挑戦。判定は2人がフルマークも、全勝のスター候補王者にひけをとらず「偉大なファイター」と言わせた。

斉田会長は国体と全日本を制したトップアマだった。卒業後はダイエーに入社も1年半で退社。「ボクシングの世界が恋しくなって」と、ジム開設を前提に国際ジムでトレーナーに転身した。足立区の若手経営者を支援する無利子で資金を貸すシステムを利用。05年に東京・竹の塚のビルを買い取ってジムを開いた。

1年以上かけて、昨年5月にリニューアルオープンした。3、4階が練習場で、6、7階は合宿所。更衣室のある2階には整骨院も併設され、会員は割引料金という。さらに5階には銭湯とサウナがあり、会員は無料で利用できる。

「合宿希望者は断っている」という状況から、現在は整骨院を1階に移し、2階も合宿所にする工事が進んでいる。実に豪華で近代的な日本初の銭湯付きジム。やり手の会長の下へ今後も有望選手が集まりそうだ。

高橋も井上も世界への思いはより強くなり、再挑戦を期す。二人三脚の歩みはまだ続く。【河合香】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

井上岳志

初代WWE女子タッグ王者にバンクス、ベイリー組

初代WWE女子タッグ王座を獲得したサーシャ・バンクス(左)、ベイリー組 (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:PPV大会エリミネーション・チェンバー>◇17日(日本時間18日)◇米テキサス州ヒューストン・トヨタ・センター

新設された初代WWE女子タッグ王座にサーシャ・バンクス、ベイリー組が就いた。

初代女子タッグ王座を決めるエリミネーション・チェンバー戦が組まれ、ロウ、スマックダウンから各3組が出場する中、バンクス、ベイリー組がマンディ・ローズ、ソーニャ・デビル組と対戦。その後も5分ごとに小部屋が開放され、ライオット・スクワッド(リブ・モーガン、サラ・ローガン組)、アイコニックス(ペイトン・ロイス、ビリーケイ組)、ナオミ&カーメラ組、ナイア・ジャックス、タミーナも参戦し、大混戦となった。

先に体格とパワーに勝るナイア、タミーナ組がアイコニックスをダブルサモアンドロップ、ライオット・スクワッドをスプラッシュで撃破。勢い余って小部屋に誤爆したタミーナに対し、ベイリーがダイビング・エルボー、さらに4人がかりで3カウントを奪った。残りは最初に出た2組の激突となり、バンクスがデビルをバンク・ステートメントで仕留め、ギブアップ勝ち。バンクス、ベイリーの親友コンビが、初代王者となった。WWEの歴史の1ページを刻み、2人は歓喜の涙を流して喜んでいた。

呪術師ブッチャーさん78歳引退式典に感動と寂しさ

アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(中央)引退セレモニーで記念撮影する、左から坂口征二、武藤敬司、2人置いてドリー・ファンク、スタン・ハンセン(撮影・河田真司)

<ジャイアント馬場没20年追善興行>◇19日◇両国国技館

呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(78)の引退セレモニーが、第3試合の後に行われた。

全日本、新日本で活躍し12年に引退表明したブッチャーさんは車椅子でリング上に登場。ミル・マスカラス、初代タイガーマスク、武藤敬司、スタン・ハンセンらレジェンドから花束を贈られた。ブッチャーさんは「ここにジャイアント馬場さんがいてくれたら完璧だった。若い人には親を大切にしろと言いたい」と日本のファンに最後のあいさつをし、満足そうに、10カウントゴングを聞いた。

セレモニーを終えたブッチャーさんは「最高でした」。同時に「昔のレジェンドでもういない人もいる」とさみしさも痛感した様子だった。長年の付き合いのマネジャーと親友を亡くしたばかりで、悲しみの中にいるが「みんないつかはあの世にいく。近い将来はいやです。もうちょっといたいです」と長生きを望んだ。「リングでも言いましたが自分の親を施設にぶち込まず、最後まで親の面倒を見てください」とファンに親孝行するよう念押しでメッセージを送った。

アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(左)引退セレモニーで花束を渡す武藤敬司(撮影・河田真司)

馬場さん最後の弟子、丸藤正道が壮絶打撃戦で存在感

勝利を決めガッツポーズする、新崎人生(左)と丸藤正道(右)(撮影・河田真司)

<ジャイアント馬場没20年追善興行>◇19日◇両国国技館

ジャイアント馬場さんの最後の弟子、丸藤正道(39=ノア)が、馬場さんにゆかりのある新崎人生(52)とのコンビで、存在感を見せつけた。ドラゴンゲートの望月成晃と、逆水平チョップとキックの壮絶な打撃戦を展開。守勢に回りながら、一瞬のスキをついた完璧首固めで勝利を奪った。

「ジャイアント馬場の最後の弟子というのは誰にも代われない。試合ですべてを出し尽くすことを心掛けた」と話した。馬場さんが亡くなる2年前に初めてタッグを組み、その後の対戦で馬場さんに拝み渡りを決めた人生は「馬場さんに拝み渡りを決めたいという念願がかなって本当にうれしかったことを思い出します」としみじみと話していた。

元新日本KUSHIDA結婚&愛娘誕生をダブル発表

KUSHIDA

今年1月をもって新日本プロレスを退団したKUSHIDA(35)が20日、自身の結婚と愛娘の誕生をダブルで発表した。

同日に自らのインスタグラムを更新し「私事ですが入籍、そして昨年、娘が生まれましたことを今日ここにご報告させて頂きます」とつづった。併せて海岸で娘を抱いて夕日を見ている後ろ姿の写真も掲載した。

「家族とともに新たな人生の旅、出会い、ここから来る未来を想像してはワクワク、期待しています。(中略)日本で思ってくれている人がいる…それだけでも心強いし、何よりがんばれるエネルギーになります。感謝しています」とコメントしたKUSHIDAは「今後については…、時が来次第、報告させて頂きます」としていた。

王者アスカ不覚、ローズの策略にはまりフォール負け

マンディ・ローズ(下)を攻め込むスマックダウン女子王者アスカ(C)2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:スマックダウン大会>◇19日(日本時間20日)◇米ルイジアナ州ニューオーリンズ・スムージー・キング・センター

スマックダウン女子王者アスカが格下相手に不覚を取った。

ライバルとなるベッキー・リンチやシャーロット・フレアーがロウ女子王者ロンダ・ラウジーとの抗争を繰り広げ、自ら保持するベルトの次期挑戦者が浮上してこないのが現状。まずリング上でインタビューを受けたアスカは「シャーロットとベッキーは既に倒しているから興味がない。興味があるのは、誰が私と対戦する準備ができているか」と王者の風格を漂わせた。

するとマンディ・ローズ、ソーニャ・デビルの2人が姿を見せ「誰にも相手にされないかわいそうなアスカ! でも私はあなたと対戦する準備ができてるわよ」と挑発してきたローズとのノンタイトル戦が決まった。試合途中に入場してきたレイシー・エバンスに気を取られたアスカは背後からローズの攻撃を許した。何とか気合を入れ直し、スライディング・ニーから顔面にヒザをたたき込んだ。 完全に追い詰めた展開だったが、ローズから目を痛めたとのアピールがあり、レフェリーに距離を置くよう指示されたアスカ。しかし、その隙を突かれ、丸め込まれてフォール負け。格下となるローズの策略にはまり、まさかの3カウントを許し、悔しがった。

ノンタイトル戦で、マンディ・ローズ(上)に丸め込まれてフォールされるスマックダウン女子王者アスカ(C)2019WWE,Inc.AllRightsReserved

「ハイフライヤー」リコシェ2連勝、必殺技さく裂

エリック・ヤング(下)にコーナートップから630度スプラッシュを狙うリコシェ (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:スマックダウン大会>◇19日(日本時間20日)◇米ルイジアナ州ニューオーリンズ・スムージー・キング・センター

ドラゴンゲートや新日本プロレスで活躍した「ハイフライヤー」リコシェがWWE2大ブランドで2日連続の勝利を挙げた。18日のロウ大会に続き、同日のスマックダウン大会にも登場。エリック・ヤングとのシングル戦に挑んだ。

ハリケーン・ラナからドロップキックを決めて先制したリコシェは敵セコンドとなるアレクサンダー・ウルフ、キリアン・デインの挑発に気を取られた隙を突かれ、ヤングから強烈なパンチを食らった。劣勢の展開になってしまったものの、ヤングのコーナーポストへの誤爆を誘発させて流れを変えると、アッパーカットからのスタンディング・シューティングスタープレス、さらにひねりをいれたトペ・コンヒーロで追い込んだ。

会場の熱狂ムードを全身に浴びながら、コーナートップから必殺の630度スプラッシュをさく裂させて3カウントを奪った。ロウ、スマックダウンのWWE2大ブランドをまたぎ、2日連続デビューを白星で飾ってみせた。

2日連続のWWE登場で勝利を飾ったリコシェ (C) 2019WWE,Inc.AllRightsReserved

キングストン大番狂わせでブライアンへの挑戦権獲得

ユニット「ニュー・デイ」のビッグE(左端)、ウッズ(右端)と勝利を喜ぶキングストン(C)2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:スマックダウン大会>◇19日(日本時間20日)◇米ルイジアナ州ニューオーリンズ・スムージー・キング・センター

愉快な3人組ユニット「ニュー・デイ」に所属するコフィ・キングストンがWWEヘビー級王座の次期挑戦権を獲得した。

メインイベントでAJスタイルズ、ジェフ・ハーディと組み、同級王者ダニエル・ブライアン、サモア・ジョー、ランディ・オートン組との6人タッグ戦に出場。ブライアンから馬乗りパンチ連打を食らい「オレがWWE王者だ」と叫ばれ、オートンにもテーブルにたたきつけられた。

この日ばかりは良いところなしで終わるかとみられたが、AJスタイルズにカーフ・クラッシャーを決められて苦悩の表情を浮かべたブライアンに向け、キングストンはダイブ攻撃からのトラブル・イン・パラダイスを成功させて3カウントを奪った。

王者からフォールを奪う大番狂わせを起こすとニュー・デイの3人で一緒に大喜び。17日のPPV大会でのエリミネーション・チェンバー形式WWEヘビー級王座戦などでも活躍したばかりのキングストンは観衆から大きな声援を受けた。すると、ステージに登場したシェイン・マクマホン・コミッショナーが、3月10日のPPV大会ファストレーン(米オハイオ州クリーブランド)で王者ブライアンに挑戦するのはキングストンになったと発表。PPV舞台での王座挑戦が決定した。

WWEヘビー級王者ブライアン(下)から3カウントを奪ったキングストン(C)2019WWE,Inc.AllRightsReserved

拳四朗、目標は全国区の世界王者「テレビに出たい」

WBC世界ライトフライ級王座5連続防衛の祝勝会であいさつする拳四朗(撮影・加藤裕一)

WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(27=BMB)が20日、地元京都市のリーガロイヤルホテル京都で5連続防衛の祝勝会に出席。今年の目標に「V8」と「露出度アップ」を掲げた。

昨年12月30日のV5戦はトリプル世界戦の1試合でもあり、全国中継の登場は「ほんの数秒のダイジェスト」(安道光二後援会長)のみ。拳四朗もあいさつで「そこは本当に悔しい」と残念がった。

実力、実績とかけ離れた知名度の低さが、拳四朗の悩みだ。熱望するバラエティー番組出演も、V5戦後「何もないっすよ」と苦笑い。業界ではWBA同級王者京口との統一戦がささやかれ始めたが「今やっても盛り上がらんでしょ?」とこぼした。

ボクシングの全国中継がダブル、トリプル世界戦-に定番化した今、大きな話題のない王者が有名になるには、やはり勝つしかない。

「今年は3試合やって、8連続防衛。それが1番の目標です。テレビは『ジャンクSPORTS』に出たいです」。2月に入り、練習を再開。“全国区の世界王者”を目指し、連続防衛更新に励んでいく。

WBC世界ライトフライ級王座5連続防衛の祝勝会で後援者から花束を受け取る拳四朗(撮影・加藤裕一)