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アブドーラ小林、師匠ブッチャーさんの襲撃できず

アブドーラ小林はフォークを懐に仕込んで師匠アブドーラ・ザ・ブッチャーさんの襲撃を計画していたが失敗(撮影・高場泉穂)

<ジャイアント馬場没20年追善興行>◇19日◇両国国技館

アブドーラ小林(42=大日本)が、師匠アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(78)の襲撃に失敗した。

99年から大日本に参戦したブッチャーさんの付き人を務めたのは約1年間。短いが、小林にとっては今でも忘れられない濃密な時間。「セクハラ以外のハラスメントを受けた。その時の恨みを晴らしたい」と襲撃を予告していた。

第1試合のメモリアルバトルロイヤルに出場した後、第3試合後に行われたブッチャーさんの引退セレモニーで付添人として、車いすを押した。腹部に2本フォークをしのばせ、背部からの急襲を狙ったが初代タイガーマスク、武藤敬司、スタン・ハンセンら花束贈呈のためリングに上がるレジェンドの姿を見て、たちまち弱気に。「こんな厳かな式になるとは…」。フォークを出す機を逸し、ブッチャーさんを甲斐甲斐しく、お世話するだけに終わった。

付き人時代は、しょっちゅうケンタッキーフライドチキンを買いに行かされ、外国人の集まる六本木の名物バー「ガスパニック」への送迎も毎回させられていた。小林は、自身の3カ月ぶりの復帰戦の際となった前日18日にもブッチャーさんについて「酔うと金払わないというのはよくありましたね。ほんとです。ガスパニックに行くと、六本木なんで駐車場料金が1万円近くするんですよ。だから車で寝て待ってました。あの人、昔のスターじゃないですか。でも、若い女性からしたら分からないわけですよ。意外ともてなかった、というのはかわいそうでした」と知られざるエピソードも明かしていた。

この日ブッチャーさんに約15年ぶりに再会した小林は、その時のリベンジどころか「偉大さが身に染みました。記憶の片隅でも覚えててもらえたのがうれしい」と感動した様子。「20万円ぐらい立て替えていましたが、チャラになりました」とすがすがしい表情で話した。【高場泉穂】

引退セレモニー後、ブッチャーさんの車いすを押すアブドーラ小林(撮影・高場泉穂)

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呪術師ブッチャーさん78歳引退式典に感動と寂しさ

アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(中央)引退セレモニーで記念撮影する、左から坂口征二、武藤敬司、2人置いてドリー・ファンク、スタン・ハンセン(撮影・河田真司)

<ジャイアント馬場没20年追善興行>◇19日◇両国国技館

呪術師アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(78)の引退セレモニーが、第3試合の後に行われた。

全日本、新日本で活躍し12年に引退表明したブッチャーさんは車椅子でリング上に登場。ミル・マスカラス、初代タイガーマスク、武藤敬司、スタン・ハンセンらレジェンドから花束を贈られた。ブッチャーさんは「ここにジャイアント馬場さんがいてくれたら完璧だった。若い人には親を大切にしろと言いたい」と日本のファンに最後のあいさつをし、満足そうに、10カウントゴングを聞いた。

セレモニーを終えたブッチャーさんは「最高でした」。同時に「昔のレジェンドでもういない人もいる」とさみしさも痛感した様子だった。長年の付き合いのマネジャーと親友を亡くしたばかりで、悲しみの中にいるが「みんないつかはあの世にいく。近い将来はいやです。もうちょっといたいです」と長生きを望んだ。「リングでも言いましたが自分の親を施設にぶち込まず、最後まで親の面倒を見てください」とファンに親孝行するよう念押しでメッセージを送った。

アブドーラ・ザ・ブッチャーさん(左)引退セレモニーで花束を渡す武藤敬司(撮影・河田真司)

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フライ寝返るどんでん返し…武藤「夏にもう一発」

太陽ケアにケンカキックを決め会場を盛り上げる蝶野正洋(右)。左は武藤敬司(撮影・横山健太)

<プロレスリング・マスターズ:後楽園大会>◇15日◇後楽園ホール◇観衆1759人(超満員札止め)

メインの武藤敬司率いるBATTと、蝶野正洋率いるチーム2000の対決は、裏切りによる決着というどんでん返しの展開となった。BATTの太陽ケアが、終盤にチーム2000の小島聡を追い詰めると、蝶野がすかさずパイプイスを持って、リングに乱入。パイプイスで太陽ケアを殴打しようとした。

そこに止めに入ったBATTのドン・フライが蝶野からパイプイスを奪うと、何と仲間の太陽ケアに殴りかかった。フライの裏切りで、試合は小島がケアをラリアットで沈め勝利。蝶野は「ドンはもともと、チーム2000の立ち上げに参加したメンバーだったからな」とニヤリ。さらに「チーム2000は新日本の中で、いろんな選手に声を掛けてきたから、まだまだメンバーはたくさんいる。何かあれば、またマスターズに参加するよ」と話していた。敗れたBATTの武藤は、試合中、小島にシャイニングウィザードを決めるなど、昨年4月に手術した両ひざの状態も良くなっていることをアピール。敗れた原因については「たぶん、もしかしたら、オレの人望のなさかな。また、夏にもう一発やりたいと思っています」と、今年2度目のマスターズ興行に意欲を見せていた。

試合に勝利しポーズを決めるTEAM2000。前列左から蝶野正洋、ドン・フライ、後列左から小島聡、天山広吉、ヒロ斉藤、スーパーJ(撮影・横山健太)

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ドン・フライが来日「チョーノ?ノーグッド」V予告

プロレスリング・マスターズ参戦のため13日に来日したドン・フライ

武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズ(15日、東京・後楽園ホール)に参戦するドン・フライ(53)が13日に来日し、6年ぶりの日本での試合に向けコメントを発表した。

フライは、メインのスペシャルタッグマッチで武藤敬司率いるBATT軍の一員として太陽ケア、新崎人生、大谷晋二郎と組み、蝶野正洋率いる天山広吉、小島聡、ヒロ斎藤、スーパーJのTEAM2000軍と戦う。フライは「Mr・ムトーのプロデュースする大会に参加することができてハッピーだ。BATTのメンバーとして垣根を越えてアメリカからやって来た。イエス、俺は悪ガキのままさ。BATTの仲間たち、そして日本のファンのみんなと会えることがすごく楽しみだ」と久々の日本マットでの試合を喜び、「チョーノ?TEAM2000?ノーグッド。Mr・ムトーのBATTがベスト。コーラクエンでそれを証明するために俺は来たんだ」と勝利を予告した。

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筋肉アイドル才木玲佳がW-1入団、武藤敬司も期待

3月にW-1入団を発表した才木玲佳と武藤敬司

筋肉アイドルとしてW-1のオフィシャルサポーターでアイドルグループ「cheerハート1」で活躍する才木玲佳(26)が13日、W-1後楽園大会のリング上で、プロレスラーとしてW-1へ入団することを発表した。

才木は3月10日でcheerハート1を卒業。その後でW-1へ正式に入団となる。慶大文学部を卒業し、アイドルとなった才木は、15年にはK-1出場の経験も持ち、現在は東京女子プロレスに主に出場しているという。武藤敬司会長とともに登場した才木は「女子プロレス界の武藤敬司と言われるように頑張ります」と宣言。武藤からは「このリングで新しい女子プロレスの風景を見せてほしい」と期待された。

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56歳武藤敬司は昭和&平成、新元号でもベルト巻く

池上本門寺で節分の豆まきを終えた武藤敬司は、こぞうくんと一緒にプロレスLOVEポーズ(撮影・中島郁夫)

今年プロレスラー生活35周年を迎える武藤敬司(56)が3日、東京・池上本門寺で行われた豆まきに参加し、昭和、平成、新元号3つの時代をまたいだベルト戴冠の野望を掲げた。

昨年3月、両膝に金属製の人工関節を入れる手術を行い、4月6日にはニューヨークで化身グレート・ムタの約1年ぶりの復帰戦が控える。1年前の同所での豆まきでは控室から本堂までまともに歩けなかったが、この日はしっかりした足取りでやぐらまでたどり着き「その時より数段いい」と復調を実感。「豆まきで体の中の鬼を外に出して、福が入ってきた」と満足そうな表情を浮かべた。

膝の状態次第だが、今年はただの復活だけでなく攻めの1年にするつもりだ。「おれは昭和、平成時代ともにベルトを巻いているから、新元号でも狙っていくか…。誰もなし得ないこと」と団体、タイトル問わずベルト争いに絡み、史上初の偉業を達成するプランを明かした。武藤は若手時代の昭和の終わりに米国やプエルトリコの団体でベルトを保持しており、平成時代には全日本の三冠ヘビー級王座、新日本のIWGPヘビー級王座など数々の主要タイトルを獲得している。新元号でもベルトを巻くため、「最悪F1でもいい」とかつてものまねタレント神無月とともに巻いたF1タッグベルトを例に出し、ベルトの価値は問わない考えを示した。

武藤敬司の復帰戦は6月26日の長州力の引退興行。「1人が去るときに出発というかね。気持ち的に落ち込むことなく、あえて出発としたい」と先輩からバトンを受けて、再出発する。現在はW-1所属だが「若いやつらでいい感じだから俺は絡まないほうがいい。だったら、需要があるいろんなところに出てもいいのかなと思っている。1人でやりたいことをやっていくよ」とマットを超えて自由に活動していく予定だ。

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棚橋、宮原、関本ら夢のタッグ戦 馬場さん追悼興行

ジャイアント馬場没20年追善興行のメインカードを発表した新日本プロレス坂口征二相談役

2月19日に東京・両国国技館で開かれる「ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~」の実行委員会が31日、同大会のメインカードを発表した。

IWGPヘビー級王者棚橋弘至(42=新日本)とヨシタツ(41=フリー)、3冠ヘビー級王者宮原健斗(29=全日本)とBJW認定ストロングヘビー級王者関本大介(37=大日本)が組み、団体の垣根を越えた夢のタッグマッチを行う。

この日は、1999年(平11)にジャイアント馬場さんが61歳で亡くなってからちょうど20年。馬場さんが愛したレストラン、東京・キャピトルホテル東急内の「ORIGAMI」でしのぶ会が開かれ、追悼興行の実行委員を務める新日本プロレス坂口征二相談役が対戦カードを発表。「よくこれだけのメンバーを集めたと思う」と喜びを口にした。

また、馬場さんの弟子だっった川田利明、田上明、小橋建太各氏の来場も決定。同大会であわせて行われるアブドーラ・ザ・ブッチャー氏の引退セレモニーに、武藤敬司、初代タイガーマスク、新間寿氏が参加することも発表された。

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デビュー40年、還暦の越中詩郎が大暴れ「今後も」

勝利した平成維新軍、左からAKIRA、ザ・グレート・カブキ、青柳政司、越中詩郎、真霜拳號、斎藤彰俊(撮影・柴田隆二)

<越中詩郎40周年記念大会>◇30日◇後楽園ホール

平成維震軍を率いるサムライ、越中詩郎(60)の40周年記念大会が30日、後楽園ホールで行われた。

93年結成から26年、軍団に新たな戦力・真霜拳號(40=KAIENTAI DOJO)も加わり、平成生まれ5人を相手に大暴れ。プロレス界を駆け抜けたサムライは、元号が変わる新たな時代にも、大暴れを誓った。

「おし、いくぞ~!」。越中が、お尻をたたいて必殺技「ヒップアタック」を予告すると、超満員の会場が一気にヒートアップ。越中はコーナートップから、さらにエプロンから場外へと、何度もヒップアタックを繰り出した。かつて長州力に「あんな技、効かないよ」とやゆされたヒップアタックを磨き続けて40年。60歳になっても、越中は唯一無二の得意技で観客を喜ばせた。

「何とか仲間の力とファンのおかげで、40周年を終えられた。若いやつには、まだまだ負けないよ」と、笑顔で話した。93年、当時の新日本プロレス選手会に反旗を翻し結成した平成維震軍。斎藤彰俊、青柳政司、AKIRAの常連に、新たなメンバーが加わった。真霜の加入に「直感でこいつと思った。維震軍自体に新しい風を吹き込んでくれる」と期待を寄せた。

決して主役にはならなかった。新日本ジュニアでの高田延彦との抗争。ヘビー級に転向してからは、長州力やタイガー・ジェット・シンとも絡んだ。平成維震軍では、自主興行も行うなど注目されたが、その後は蝶野正洋率いるnWo人気に存在はかすんでいった。

それでも、年齢を重ねた脇役俳優が主役を食うほど輝くように、越中の存在感は増していった。60歳近くなっても、日々のランニングで鍛えた体力で、若手にひけを取らないプロレスを披露。この日も、試合開始早々に、ノアのGHCヘビー級王者清宮のドロップキックを仁王立ちで受け、ヒップアタックでなぎ倒した。

その侍魂を、若手の体に刻み込んだ。試合後のセレモニーでは、武藤敬司、長州力、天龍源一郎にお祝いの花束をもらった。武藤には「80歳までプロレスやりましょう」とハッパをかけられた。そんな励ましに照れながら「こんなに長く続いたチームもないと思うので、誇りにしながら今後も戦っていきたい」と最高の笑みを浮かべて言った。【桝田朗】

◆平成維震軍(へいせいいしんぐん) 92年に越中と小林邦明が、青柳政司の主宰する誠心会館自主興行に参加したことで、新日本プロレス選手会(蝶野正洋会長)と対立。越中は選手会を脱退し、小林、木村健吾、青柳、斎藤彰俊らと反選手会同盟を結成。93年に後藤達俊、小原道由、ザ・グレートカブキが加わり、平成維震軍と名前を変えた。名前の由来は「プロレス界を震撼(しんかん)させる活躍をする」(越中)という意味。発足当初は、全員が髪を剃り、そろいのはかまを履いて登場した。新日本本隊やタイガー・ジェット・シンらとの抗争で人気を博した。96年には野上彰(現AKIRA)が加わった。

越中(左)は清宮にエルボーを決める(撮影・柴田隆二)
越中(右)は清宮にヒップアタックを決める(撮影・柴田隆二)

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TEAM2000再び!蝶野正洋「絆が違うんだよ」

TEAM2000 左から天山広吉、ヒロ斉藤、蝶野正洋、スーパーJ、AKIRA(2018年2月16日撮影)

武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズは18日、2月15日後楽園大会のメインで行われるスペシャルタッグマッチのうち、蝶野正洋率いる「TEAM2000」組が天山広吉、小島聡(ともに新日本)、ヒロ斎藤(ドラディション)、スーパーJに決定したと発表した。対する武藤敬司率いる「BATT」軍参戦選手は後日発表する。

蝶野は「オイ、プロレスリング・マスターズ! 2月15日後楽園ホール!TEAM2000のメンバーは天山!小島!スーパーJ!そして、ヒロ斎藤!このメンバーだ!武藤!BATT?本当にメンバー集まるのか?顔じゃねぇんだよ!いいか、TEAM2000は絆が違うんだよ。プロレスリング・マスターズは俺達、TEAM2000が仕切る!よく見とけ、ガッデム!」とコメントした。

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故障復帰の棚橋、稀勢の里引退に「すごく感情移入」

プロレス大賞MVPとなった棚橋弘至はベルトを大事に抱えながら喜びを語る(撮影・足立雅史)

新日本プロレスの棚橋弘至(42)が17日、都内で行われた「2018年度プロレス大賞授賞式」(東京スポーツ新聞社制定)に出席し、元横綱稀勢の里の引退を惜しんだ。

満身創痍(そうい)だった元横綱と膝の故障で苦しんだ自分を重ねた。「すごく感情移入して見てましたね。そうするしかなかったんだろうな、と心中を察しました。僕もけがで苦しんだんですけど、またこうしてチャンピオンで戻れたことは幸運だな」と話した。

昨年は右膝故障から復活しG1クライマックス優勝。テレビ、映画などのリング外の活躍なども評価され、4度目のプロレス大賞MVPを獲得した。4度は天龍源一郎、武藤敬司に並ぶ歴代2位の記録。この日の式に出席した天龍氏に「MVPの回数並ばせていただきました」とあいさつし、「お前抜かすつもりじゃないだろうな」と圧力を受けたことを明かした。

プロレス大賞MVPの棚橋はアンドレザ・ジャイアントパンダから「幸運のヘッドバット」を食らう(撮影・足立雅史)
記念撮影に臨むMVPの棚橋(中央)らプロレス大賞受賞者たち(撮影・足立雅史)

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前田日明「楽しみ」武藤敬司プロデュース興行に参戦

セコンドとして「PRO-WRESTLING MASTERS」に初参戦する前田日明氏

武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズは11日、2月15日後楽園大会に“格闘王”前田日明氏(59)がセコンドとして初参戦すると発表した。

前田氏はスペシャル6人タッグマッチの藤原喜明、長井満也、冨宅飛駈組につく。対戦相手は藤波辰爾、長州力、獣神サンダー・ライガー。過去の因縁がある長州力を敵とするだけに「武藤敬司がプロデュースしている大会ということで非常に興味がありますよ。藤原さんチームのセコンドとしてリングに近づいた時に、対戦相手にも懐かしい顔がいるのでどんな感情が生まれるのかは分かりませんが、当日を楽しみにしてますよ」とコメントした。

前田氏は87年11月、新日本後楽園ホール大会での6人タッグマッチで、UWE軍として長州力ら維新軍と対戦。長州力に蹴りをいれ、全治1カ月の大けがを負わせている。

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棚橋泣かせるプロレス最後の力でエアギター…倒れる

オメガを下しIWGPヘビーのベルトを巻いた棚橋は、力を込めてエアギターを披露した(撮影・中島郁夫)

<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

棚橋弘至(42)が平成最後の1・4東京ドーム大会を勝利で飾った。IWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(35)を下し、自身が持つ最多を更新する8度目の王座についた。3年11カ月ぶりにベルトを取り戻した。右膝の負傷を乗り越え、3年ぶりに戻ってきたドームのメインで40分近い大激闘を制し、新日本のエースとして存在を示した。

「やる力、残ってないわ…」と1度は勝利のエアギターを断った。しかし、棚橋は4万近い大観衆の声に応じずにはいられなかった。「もう帰ってこられないかと思っていた」という東京ドームのメイン。3年ぶりに立ったど真ん中で、ベルトを手にし、ギターをかき鳴らすしぐさ。そして、うれしそうにぶっ倒れた。

大会前からプロレスに対し異なる主張をぶつけ合ったオメガと、リングで約39分の死闘を繰り広げた。終盤、古傷の右膝を引きずった。体力は限界に。その中で代名詞のハイフライフロー2連発。それでも相手は耐え、くたばらない。ふらふらとなった体を抱えられ「片翼の天使」でトドメを刺されそうになっても、力を絞ってかわす。そして、最後は再びハイフライフローを決めオメガを沈めた。

通算8度目のベルト。それでも「初めて巻いたよう」と新鮮な喜びにつつまれた。昨年1月、右膝変形性関節症で1カ月欠場した。「ガタがきたなと思いました」。リハビリをしながら考えたのは、自分がこれからどんなプロレスをするか。膝は完治しない。若い時のような動きのキレはない。その中で「今の自分を受け入れる。慈しむ」と答えが出た。できる技を組み合わせ、見せることもできる。そしてまたプロレスが「楽しくなってきた」。

付け人をしていた武藤敬司に言われた言葉がある。「プロレスで一番難しいのは人を泣かすことだよ」。昨夏、G1クライマックスで優勝し、リングから観客席を見ると泣いている人がたくさんいた。喜怒哀楽そのものを技を通して見てもらい、涙を流してもらう。「これがプロレスの一番の醍醐味(だいごみ)」。エルボーに込めた怒り。膝が動かない悲しみ。この日も心の揺れを1つ1つの技に込めた。終わった後、観客席を見渡すと涙が見えた。自分のプロレスは間違っていないと確信した。

平成最後の1・4に「愛してまーす」の大合唱。来年の東京ドーム2連戦も「大丈夫。俺がなんとかします」。新日本の中心には、変わらず棚橋がいる。【高場泉穂】

IWGPヘビー級選手権60分1本 ケニー・オメガ対棚橋弘至 ケニー・オメガに勝利し、エアギターのパフォーマンスを披露する棚橋(撮影・林敏行)

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王者宮原健斗が初防衛「全日本の歴史的1年になる」

KAIを下し、初防衛に成功した3冠ヘビー級王者宮原

<全日本:後楽園大会>◇3日◇東京・後楽園ホール

3冠ヘビー級王者の宮原健斗(29)が、初防衛に成功した。KAI(35)の挑戦を受け、28分34秒、シャットダウンスープレックスホールドで3カウントを奪った。接戦を制した宮原は「19年、最多防衛記録を狙っています。全日本プロレスの歴史的1年になる。宮原健斗イヤーだ」と宣言。川田利明が持つ10回防衛まで突っ走る意気込みを示した。

挑戦者の右ひざ集中攻撃に苦しんだ。師匠の武藤敬司をほうふつさせるようにKAIにキックを止められると、そのままドラゴンスクリューからの4の字固めを受けてもん絶。相手のスプラッシュプランチャも両ひざをたてて捨て身の迎撃をみせた。右ひざを使うブラックアウト2連発で局面を打開。原爆固めで弱らせてから、両腕を巻き込みながら強引に体ごと投げてシャットダウン式の原爆固めで、そのままフォールに成功した。

「ことごとくKAI選手にたたみかけられながらも何とかV1達成しました。KAI選手もこの3冠王者になってもおかしくない存在。それは神のみぞ知るっていう…、それぐらいの僅差」と挑戦者をたたえていた。

王座戦の入場時から3冠ヘビー級王者の風格を漂わせた宮原

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武藤敬司が長州力引退試合で復帰へ「ご期待下さい」

リングに上がり復帰宣言する武藤敬司(撮影・中島郁夫)

プロレス界のレジェンド、武藤敬司(56)が28日、長州力(67)が主宰するパワーホール後楽園大会で、来年6月26日の長州力引退試合で復帰することを発表した。武藤は3月に両ひざを手術し、復帰へ向けリハビリに励んでいる。

この日は、大会の休憩時間終了後に登場。会場スクリーンで、長州力引退試合の告知が流れた後に「2月15日、オレのプロデュースするプロレスリングマスターズ大会(後楽園ホール)に、最後のオファーにやって参りました。長州選手が出場することが決まりました。自分自身、今年3月に両ひざを手術し、復帰に向け一生懸命に励んでいます。今度、来年4月に米ニューヨークでグレート・ムタの降臨が決まりました。武藤敬司の復帰戦は、6月、長州力の引退試合に決まりました。武藤敬司の新たな戦いと、長州力の最後の戦いにご期待下さい」と発表した。

プロレスLOVEポーズを決める武藤敬司(撮影・中島郁夫)
リングに上がり復帰宣言する武藤敬司(撮影・中島郁夫)

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高2の内藤が飯塚勝利に「燃えたっす」/ドーム連載

おなじみとなったポーズで1・4東京ドーム大会へ不敵な笑みを浮かべる内藤哲也(撮影・小沢裕)

<俺の平成ベスト1・4(3)>

根っからのプロレス少年内藤哲也(36)が挙げたのは、自分の試合ではなく、初めて1・4を生観戦した00年(平12)橋本、飯塚対小川、村上のタッグ戦。負けると思っていた飯塚が勝利したことで「すごい燃えたっす」と懐かしそうに振り返った。

当時高校2年生だった内藤は新日本ファンクラブに所属していた。ミレニアムにちなんだ2000円の外野席チケットを先行予約で購入。大好きな武藤敬司のTシャツを着込み、足立区の実家からバイクを飛ばし、サッカー部の友人らと東京ドームへ乗り込んだ。

新日本と、アントニオ猪木が立ち上げた「UFO」が抗争を繰り広げていた時代。その焦点となっていた橋本でも小川でもなく、脇役の飯塚が勝った意外な結果に思わず、立ち上がって叫んだ。「僕を含め東京ドームにいる誰もが飯塚が勝つとは思っていなかった。だから、『うわー、飯塚勝ったー』と。ライトスタンドから、興奮して見ていたのを覚えています」。

来年1月4日は、ダブルメインの1つでIWGPインターコンチネンタル王者クリス・ジェリコに挑戦する。世界的なスター選手ジェリコが、愛する新日本のリングにスポット参戦して大きな顔をしているのは気に食わない。リング内外で火花を散らしてきた相手の「うるさい口をふさぎますよ」と言い放った。

外野席から見た経験があるからこそ分かる。「客席との距離があって盛り上がりにくいけど、その分大爆発する可能性がある」。過去8度の1・4での試合で盛り上がりの手応えを感じたのはセミファイナルで棚橋弘至を下した17年の「1度だけ」という。「どう見られているかは考えない。いま自分が何を見せたいか、やりたいかを一番大事にしたい」。本能に従った予測不能の戦いで、ドームに大爆発を呼ぶ。【高場泉穂】

◆00年1月4日新日本対UFOタッグ戦 橋本真也、飯塚高史(新日本)対小川直也、村上一成(UFO) それまで4度のシングル対決で抗争を繰り広げていた橋本と小川がタッグで対戦。途中、村上の蹴りで飯塚が戦闘不能となり無効裁定となったが、UFO総裁のアントニオ猪木が登場し、試合続行を宣言。復活した飯塚が8分59秒で村上をスリーパーホールドで仕留めた。

00年1月、東京ドーム大会のタッグ戦で攻め合う飯塚高史(左)と村上一成

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棚橋弘至MVP「元号またいで」2年連続受賞宣言

MVPを受賞しポーズする棚橋(撮影・鈴木正人)

東京スポーツ新聞社制定18年度プロレス大賞の選考が12日に都内で行われ、新日本の棚橋弘至(42)が4年ぶり4度目のMVPに選ばれた。

リング内外でプロレス界を盛り上げた功績が評価され「今までの中で一番うれしい」と感慨ひとしお。平成最後の勲章と受賞回数歴代2位タイに満足せず、「元号をまたいで1発目もとる」と自身初の2年連続受賞を宣言した。

棚橋が記念すべき平成最後のMVPに輝いた。8月のG1クライマックスで3年ぶり3度目の優勝を果たし、完全復活をアピール。9月には映画「パパはわるものチャンピオン」で主演。NHK「クローズアップ現代+」、TBS「情熱大陸」など人気番組への出演で自身の知名度を上げるのみならず、プロレスの魅力を広く社会に伝えた。充実の1年を評価されての4度目の受賞に「今までの中で1番うれしいです」としみじみと喜んだ。

「クソ有名になります」。06年以降、リング上で言い続けてきた願いが「成就した年だった」。棚橋が思い描くのは、昭和のプロレス黄金期の風景だ。お茶の間で試合がテレビ中継され、老若男女がプロレスラーの名前を知り、近くに興行に来れば喜々として試合を見に行く-。そんな風景を再びつくるため、「自分が有名になればいいんじゃん」とずっと自らを鼓舞してきた。「道半ばですけど」と謙遜しながらも、その努力が開花した1年を満足そうに振り返った。

4度目の受賞は天龍源一郎、武藤敬司と並ぶ歴代2位タイ。「すごいとこ、入ってきましたね」と笑いながらさらなる野望も口にした。オカダ、内藤ら過去5人が達成している2年連続受賞はまだなし。「元号をまたいで、新しい元号の1発目をとれれば2年連続もできる。19年はのっけからとりに行きます」。“100年に1人の逸材”の名にふさわしく、史上初の元号またぎの連続受賞を狙うつもりだ。

来年1月4日のメインでIWGP王者オメガに挑む。「(ベルトを)巻いたら、新しい扉が開かれるような気がする」。年明け1発目の勝利で太陽がまた昇る。【高場泉穂】

以下、各賞

▽最優秀選手賞(MVP) 棚橋弘至(新日本プロレス)

▽年間最高試合(ベストバウト) ケニー・オメガ対オカダ・カズチカ(6月9日、新日本プロレス大阪城ホール大会、IWGPヘビー級3本勝負)

▽最優秀タッグチーム賞 諏訪魔(全日本プロレス)、石川修司(フリー)

▽殊勲賞 丸藤正道(プロレスリング・ノア)

▽技能賞 内藤哲也(新日本プロレス)

▽新人賞 林下詩美(スターダム)

▽女子プロレス大賞 藤本つかさ(アイスリボン)

▽レスリング特別表彰 ブダペスト世界選手権金メダリスト須崎優衣、奥野春菜、向田真優、川井梨紗子、乙黒拓斗

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黒潮“イケメン”二郎が3カ月ぶり復帰「きつい…」

左ひざに大けがを負った9月2日の横浜大会以来の復帰となった黒潮“イケメン”二郎

<W-1:後楽園大会>◇23日◇後楽園ホール

9月2日の横浜文化体育館大会で左ひざ後十字靱帯(じんたい)と内側靱帯損傷の大けがを負った黒潮“イケメン”二郎(26)が、約3カ月ぶりに復帰を果たした。

黄色の派手なスーツ姿で、ファンの大声援を受けて入場。若手の佐藤嗣崇を相手に、痛めた左ひざに集中攻撃を浴び、逆エビ固めなどで窮地に陥るも何とかロープに逃げ脱出。再三放った、新技イケメン・スラッシュも、2度、3度とかわされる。しかし、最後に、何とか決めて3カウントを奪い勝利した。

試合後イケメンは「すみません、しょっぱい試合で。イケメン・スラッシュは足の裏で、相手の眉間を蹴る技ですがなかなか決まらなくて。この技をもっと世界で通用する技にしたいといけない。試合のブランクが思ったよりきつかった」と悔しそうに話した。

大けがの原因となった得意のムーンサルトプレスは、この日は封印。「今は怖いが、でも、どこかであの技で倒さないといけない相手がいる。武藤(敬司)さんをムーンサルトで倒すまで、この技を磨きたい」と話していた。

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浜亮太&中之上靖文組が初V 大日本タッグ王座獲得

最侠タッグリーグ決勝戦で勝利し、タッグ王座も獲得した浜亮太(左)と中之上靖文(右)はグレート小鹿会長(中)に祝福された

<大日本:後楽園大会>◇25日◇後楽園ホール◇観衆1058人

最侠タッグリーグ2018決勝戦がメインで行われ、浜亮太、中之上靖文組が、前年覇者の橋本大地、神谷英慶組を破り初優勝し、大日本タッグ王座も獲得した。

別軍の連係を誇る橋本、神谷組に対し、浜、中之上組はしぶとく食い下がった。主力の浜が、橋本組の合体ワザで豪快になぎ倒され、橋本の三角絞めにギブアップ寸前まで追い詰められた。それで、巨体を生かした浜が、橋本を225キロの巨体を生かし浴びせ倒す。

さらに浜がロープの1段目に足をかけ、その後ろから中之上が重なってダイブする合体オオキドプレスで橋本を圧殺。悲願のチャンピオンベルトを手に入れた。

中之上は「自分は劣等生で、ずっと負け続けてきたが、こつこつと積み上げてやっとベルトを取ることができた」と感無量の表情で話した。

浜は「自分と中之上は武藤(敬司)さんの弟子で、10年前に一緒にプロレス界に入門した。まさか、こういう大舞台で一緒に組んでベルトを取れると思っていなかった。今までの苦労とか、つらさとか全部忘れました」と話した。

最後は恩師武藤敬司へささげる「大日本ラブ」で締めて、大歓声を浴びていた。

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那須川、武藤敬司の得意技と同名の新技出せなかった

笑顔で試合を振り返る那須川(撮影・横山健太)

<RIZIN13>◇30日◇さいたまスーパーアリーナ

「神童」那須川天心(20)が装てんしていた新必殺技は「シャイニング・ウィザード」だった。

元UFCランカーで日本の軽量級エースの堀口恭司(27)を3-0で破ったが、心残りが1つ。「出せなかったですね、必殺技」。

その名は、プロレスラー武藤敬司の得意技シャイニングウィザードと同じ。短距離ダッシュして相手の頭部に右足で膝蹴りを打ち込むのが世に知られたプロレス技だが、詳細は不明。間合いが遠い堀口に対する一撃必殺の新技だったことには間違いなく、今後どこかで初お披露目される可能性はある。

那須川の魅力は一見するとエキセントリックな技を現実に表現してしまう姿にもある。真空飛び膝蹴り、バックスピンキック…。これまでも新兵器を準備し、実際に試合で決めてきた。この日は最終3回に胴回し回転蹴りで紙一重のシーンを生み出すなど、その多才ぶりもファンを沸かせていた。

3回、回転胴まわし蹴りを堀口(左)にヒットさせる那須川(撮影・横山健太)
3回、那須川(右)の左ストレートが堀口にヒットする(撮影・横山健太)

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大鵬孫納谷「大舞台、大きな経験」W1初参戦で激勝

他団体初出場の納谷幸男(右)は伊藤貴則にランニングニーを決める(撮影・酒井清司)

<W-1:横浜大会>◇2日◇横浜文化体育館

大鵬3世納谷幸男(24=リアルジャパン)が、初の対外試合で激勝した。

デビュー5戦目でW-1横浜文化体育館大会に参戦。7月のデビュー4戦目のリアルジャパン後楽園大会で初タッグを組んだW-1の河野真幸と組んで、伊藤貴則、佐藤嗣崇組と対戦。伊藤からエルボー連打の洗礼を受け、伊藤、佐藤合体のボディーアタックで、尻もちをついた。それでも伊藤を首投げで豪快に投げ飛ばし、最後は得意のランニングニーから片エビ固めで佐藤をフォールした。

納谷は「楽しかった。普段、自分たちのリングでは味わえない緊張感もあり、大舞台でやることができて自分にとって大きな経験になった。またやりたい」と継続参戦に前向きだった。観戦したW-1会長の武藤敬司は「大きさがいい。場数を踏んで経験を積めば楽しみ」と期待を寄せていた。

W-1初勝利の納谷幸男(左)と河野真幸(撮影・酒井清司)

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