低反発バット導入で懸念している新1年生の高校通算本塁打数の減少 プロ野球スカウトの見解は
今春から導入された新基準の低反発バットの影響で、センバツ大会の本塁打数が激減した。金属バットが導入された1975年以降最少の3本にとどまった。それにより、「高校通算本塁打数」も今後は増えにくく、大幅に減少していくことになるだろう。入学直後から低反発バットを手にする新1年生にとっては、モヤモヤするのではないか、と個人的にふと思った。 これまで記事で選手を紹介す...
今春から導入された新基準の低反発バットの影響で、センバツ大会の本塁打数が激減した。金属バットが導入された1975年以降最少の3本にとどまった。それにより、「高校通算本塁打数」も今後は増えにくく、大幅に減少していくことになるだろう。入学直後から低反発バットを手にする新1年生にとっては、モヤモヤするのではないか、と個人的にふと思った。 これまで記事で選手を紹介す...
息子もまた父と同じように甲子園の三塁ベースをめがけてヘッドスライディングした。そして黒土にユニホームを汚した。 高崎健康福祉大高崎(群馬)の初優勝で幕を閉じた2024年のセンバツ。31試合の中で、特に印象に残ったシーンがあった。阿南光(徳島)の福田修盛外野手(3年)が熊本国府との2回戦で初回に決勝の適時三塁打を放ち、ヘッドスライディングをした場面だ。父章さん...
今年もプロ野球が開幕した中、新しくスタートを切ったチームがある。佐賀インドネシアドリームズ。独立リーグの九州アジアリーグに、今季から準加盟した。 日本の野球史において、画期的なチームと言っていい。名前が示すとおり、選手はインドネシア人選手が中心で多くが同国の代表経験者だ。さらに、フィリピン、シンガポール、スリランカ、日本の選手も加わる。まさに多国籍軍団が佐賀...
野球界にはけっこう、航空業界と接点がある人が多い。だから1月2日、羽田空港で起きた事故への衝撃も大きかった。「ほんっとに肝が冷えたよ…」。真顔で振り返る人もいた。 センバツ高校野球が行われている甲子園にも、そんな声があった。日本航空石川の森山尚良(たから)マネジャーだ。彼女はCAになることを夢見て、千葉県から同校に進学した。 八戸学院光星対星稜 星稜に負け肩...
第96回選抜高校野球大会が18日、甲子園で開幕した。前回大会では選手全員による行進、声出し応援などが4年ぶりに復活。今年の開幕前にはキャプテントーク、甲子園練習が5年ぶりに実施された。コロナ禍を経て、徐々に本来の姿に戻ってきた。取材も100%ではないが、ほぼコロナ前の状況に戻りつつある。 個人的には高校球児の熱い戦いが生み出す「ドラマ」を心待ちにしている。プ...
東京6大学リーグには、甲子園を経験した野球エリートが大集結する。厚い選手層で繰り広げられるレギュラー争いは熾烈(しれつ)で、生き残りは至難の業。甲子園を経験し、明大でもがく瀬千皓(せ・ちひろ)外野手(2年=天理)に話を聞いた。 瀬は高校時代は4番。21年ドラフトで日本ハムから1位指名された達孝太投手(19)とともにセンバツ4強へけん引した、右の強打者だ。明大...
低反発となった新基準の金属バットはどのような影響を与えるか。本当に野球は変わるのか。注目が集まる春の戦いとなる。 練習試合などを通して感じたことを監督や選手に問いかけるとさまざまな影響が出ているようだ。広く意見が一致したのは「飛ばない」こと。これは狙い通りである。ただ、そのほかにも出ている影響が見えてきた。 守備での影響を危惧したのは宇治山田商の村田治樹監督...
東京都内は雪化粧をまとうような寒さが続くが、季節は球春に近づいていく。プロ野球より一足早く、18日に第96回選抜大会が開幕する。 1995年1月17日の阪神・淡路、2011年3月11日の東日本と、大震災の直後にセンバツは開幕を迎えた。今年の1月1日、能登半島を大きな揺れが襲い、多くの方が被災した。新年が始まったばかりの元日が、またつらい1日になった。甚大な被...
5年前のセンバツ王者は今春、社会人野球の道に進む。東邦(愛知)の1番打者で関西学生2季連続首位打者の同大・松井涼太外野手(22)は都市対抗16回出場の東邦ガスに入社する。同社には同期に19年夏の優勝投手で早大・清水大成投手(22=履正社)や昨年までヤクルトでプレーしていた吉田大喜投手(26)が在籍。記者は、この春初めてセンバツの取材に赴く。松井に、高校時代と...
今秋ドラフトで明大・宗山塁内野手(3年=広陵)に注目が集まる中で、もう1人。静かに闘志を燃やす選手がいる。 最速154キロを誇る右腕、明大・浅利太門投手(3年=興国)だ。「宗山がドラ1で行くと思うので、自分もドラ1を目指しています。追いつきたい。宗山に負けたくない気持ちもあります」と力を込めて話した。 14年連続のNPB指名継続中の名門大は、宗山がすでに熱視...
「1番 センター近本」 先発メンバーを伝えるアナウンスに、沖縄セルラー那覇の三塁側から左翼のスタンドを埋めた阪神ファンがどっとわいた。 今月23日、春季キャンプも大詰めの祝日にオープン戦が始まった。沖縄ではシーズン開幕戦の前哨戦、巨人-阪神戦の好カード。阪神岡田監督は、6番・左翼の前川以外は昨年の日本シリーズとほぼ同じ先発メンバーを並べ、虎党を喜ばせた。一方...
【講師はトップ選手顧客にする竹内佑氏】「グラブのお手入れ」を特集します。硬式用なら6万円前後の革製品なのに、時にはどろんこにもなるグラブ。手入れのやり方次第で耐久性に大きく差が出ます。「ATOMS TOKYO」店長で、グラブ仕上げ専門ブランド「REAL FORM」代表の竹内佑(たすく)氏(30)に、「しっかりお手入れ」と「必ずお手入れ」を教えてもらいました。...
昨年末に飛び込んだ「社会人野球ミキハウスに元巨人・桜井俊貴が復帰」の話題。そこで、桜井とともに取材したい選手がいた。 三重県伊賀市に練習拠点をもつ、社会人野球のミキハウス(大阪・八尾市)。桜井合流後の1月、練習場の食堂で猪原隆雅外野手(23)に話を聞いた。 23年にドラフト指名解禁を迎え指名はなかったが、その2度目のチャンスが訪れた。大卒社会人3年目で、身長...
記者1年目。先輩のアドバイスをできる限り実践している。 ロッテ、西武を担当し、11月からアマチュア野球担当になった金子真仁記者が直属の上司となった。 金子記者のモットーは現地「一番乗り」。まだ自分がこの教えを実践する前のことだ。 以前、ある選手がこう話していた。 「試合後に『今日良かったな』って記者の人が話しかけて来てくれるんですけど、正直誰が誰かわからなく...
感動した。1人の高校生に感動した。心震えた。 日本列島のほぼ東の果て、北海道・別海高校。21世紀枠でのセンバツ出場なるか。26日に運命が決まる。そのちょっと前、22日と23日の練習にお邪魔した。 23日の練習前、島影隆啓監督(41)とネット裏の小屋で話した。個人的な趣味のことを少しだけ雑談していたから、私は笑っていたかもしれない。 小屋の後ろの窓ガラスを、大...
今年春から学童野球の軟式から中学硬式野球に取り組む選手も多いと思います。握るボールが硬くなれば、新しいグラブも必要になります。軟式用の価格は1万~3万円台でしたが、硬式用は3万~6万円超と高価な買い物になります。慎重に選びたいけど、その基準はメーカーか見た目か、材質か、価格なのか? 理想の選び方を埼玉・久喜市のスポーツ店「コヤナギスポーツ」の小柳翔(かける)...
今年春から学童野球の軟式から中学硬式野球に取り組む選手も多いと思います。握るボールが硬くなれば、新しいグラブも必要になります。軟式用の価格は1万~3万円台でしたが、硬式用は3万~6万円超と高価な買い物になります。慎重に選びたいけど、その基準はメーカーか見た目か、材質か、価格なのか? 理想の選び方を埼玉・久喜市のスポーツ店「コヤナギスポーツ」の小柳翔(かける)...
1月1日付で関西学生野球の立命大の新監督に、片山正之氏(67)が就任した。 同大学OBで、社会人野球のトヨタ自動車で選手、監督も務めた経験もある。経歴が「立命大-トヨタ自動車」と聞いてすぐにピンと来たのが、ヤクルトで活躍した球界屈指の名捕手、古田敦也氏(58)だった。 片山監督は古田氏が大学を卒業してトヨタ自動車に入団した88年から同チームのコーチに就任した...
昌平高校には逆境にも屈しないスーパー1年生がいる。桜井ユウヤ内野手(1年)だ。 高校野球ファンの間で、存在を知っている人は多いと思う。1年生にして既に高校通算20本塁打をマーク。NPBスカウトからも、将来性含めて期待されている。 甲子園出場はないものの、県内屈指の強豪校で4番を任されている。 昌平での歩みは入学直後の1年春から正三塁手に定着。春季県大会を優勝...
全国の若手指導者を招いて高校野球のシーズンオフに開かれる、日本高野連主催の研修会「甲子園塾」は29回目を終えた。 受講者は、著名な監督らが担う特別講師と2泊3日で寝食をともにする。みな熱心で、見るもの、聞くものすべて持ち帰ろうという姿勢には心打たれた。 今年の特別講師にはU18日本代表監督に就任したばかりの元日大三監督・小倉全由氏(66)もいた。若手の先生た...
広島商の元監督、迫田穆成(よしあき)さんが12月1日、膵臓(すいぞう)がんのため、84歳で亡くなった。広島商の監督退任後も、高校日本代表や如水館(広島)の監督などを歴任。19年から竹原(広島)を指揮し、最期まで現役の指導者だった。 「怪物」と言われた作新学院(栃木)のエース江川卓を、73年選抜大会で迫田さん率いる広島商が撃破。伝説の名勝負を取り上げた企画原稿...
ついにこの時が来てしまった。「新しいバット、買わないといけないみたい」。父の威厳を失うまいと「お、そうだったな」と動揺を押し殺した。 お気に入りメーカーの主力商品は税込3万9600円。普段、グラブなど野球用具を買う時は驚くほど財布のひもが緩むのだが、正直に言うと、今回はいつものワクワク感とは正反対の感情が湧いた。 高校野球の新基準バットである。来春のセンバツ...
【この夏全国大会初出場のTHB秦野中井ポニー】 静岡支局勤務時代から東京の自宅との往復で何度も通り過ぎた東名高速「秦野中井IC」で初めて降りた。海老名SAと足利SAの間、神奈川と静岡の県境近くだ。市街地から暗くなっていく道がどんどん細くなっていく。対向車と擦れ違うのがスリリングだ。周辺は田んぼか畑か…。暗いから分からない。ICから15分ほどで到着したのはTH...
10月中旬、平塚球場に入ると思わず口ずさんでしまった。首都大学野球が行われる球場では、今流行りのJPOPや、TikTok(ティックトック)で耳にしたことのあるKPOPが流れている。試合が始まっても、三振を取ったときや、選手交代の際、まるでプロ野球のように、球場が沸くような効果音が流れてくる。 発起人は日体大の古城隆利監督(54)だ。18年、U18大学日本代表...
プロ野球のドラフト会議が今年も終了。独立リーグの躍進ぶりに目を見張った。支配下6人、育成17人の計23人が指名を受けた。ダントツの歴代最多だ。 日本海リーグ富山・大谷輝龍投手(ロッテ)、四国IL徳島・椎葉剛投手(阪神)の2人が歴代最高順位タイの2位で呼ばれたことがまず驚き。とくに徳島は支配下3人、育成3人の計6人が指名された。 独立リーグにはさまざまなバック...
【批判集まる中、応援の声も】 SNSのダイレクトメッセージやコメント欄は細かくチェックしている。松坂恭平さん(40)の元には多くの批判的意見が集まった。「でも、理解してくれている人からのメッセージも思った以上にあるんですよ。サラリーマンだったり、『業種は別ですけど職人です』って方だったり。『高くて買えないけど、応援します(笑い)』というのもありました」。 こ...
「法政大学、1番サード武川」。優しさの中に芯のある声が神宮球場の秋空に響いた。8日に行われた東京6大学秋季リーグ戦、法大-東大の2回戦で場内アナウンスを担当したのは、法大・上中咲葵(さき)マネジャー(3年=西武文理)。ロッテのアナウンスを33年間担当し、今季での引退を決意した谷保恵美さん(57)をほうふつとさせる伸びのある声の持ち主。声質が驚くほど似ているこ...
台湾で行われたU18(18歳以下)W杯で高校ジャパンが初優勝し、あらためて日本の「スモールベースボール」が注目された。 バントや走塁など小技を駆使して1点を奪い、守り勝つ。馬淵史郎監督(67=明徳義塾監督)が「世界で勝つために」とこだわり抜いたスタイルだった。走攻守そろった「好選手」をそろえたメンバー構成は、馬淵監督が目指す野球を分かりやすく示していた。 一...
夏の甲子園は慶応の優勝で幕を閉じた。今年も暑かった。球児やスタンドの熱気に押され、屋外の記者席で4試合まるまる見ていると気を失いそうになった。 ただコロナ明け甲子園はありがたいことばかりだった。1階の取材エリアは空調ばっちり。集中力を切らすことなく取材に専念できた。同じフロアにある関係者食堂にも出入り自由になった。汗まみれでアルプス席を駆け回る後輩たちを横目...
あああああ、暑い…。 口を開ければ、同じことばかり言っている。うめき声が「ううう」になったり「暑い」が「熱い」に変わったりはするが、同じようなことばかりつぶやいて夏空の下でどんよりしている。「一番好きな季節は?」と聞かれて「夏! 8月!」と即答していた元気な子どもは、どこに消えたのだろう。暑い、熱い、アツい…。 うめきながら8月6日の大会開幕日、甲子園に行っ...