ニッカンプロ野球

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虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】体張る梅野隆太郎の“カベ”が光った 今季初のサヨナラ勝ちの裏で奮闘

阪神対巨人 10回裏阪神無死満塁、右前にサヨナラ安打を放った佐藤輝(左)は水をかけられ祝福される(撮影・河野匠)

<阪神2-1巨人>◇18日◇甲子園阪神梅野隆太郎の“カベ”が光った今季初のサヨナラ勝利だ。相変わらず得点力不足の阪神打線だが必死で守った。象徴的な場面は同点の延長10回表だ。左腕・島本浩也がこの回先頭の丸佳浩に安打を許し、無死一塁。打席に坂本勇人を迎えた時点で指揮官・岡田彰布はマウンドに3番手・加治屋蓮を送った。 岩崎優、ゲラは前日まで2連投。もちろんベンチ...

番記者コラム・ソフトバンク

過去には千賀、甲斐、牧原大も参加 12年から始まった3軍韓国遠征が鷹戦士を育てた

ソフトバンク小川史3軍監督(2023年2月1日撮影)

ソフトバンクが今年も3軍を韓国に派遣している。12年から始まりコロナ禍だった20年と21年こそ中断したが、22年から3年ぶりに復活。今回は16日~28日まで、2週間行われる予定だ。ソフトバンク小川史3軍監督(63)が韓国遠征の極秘エピソードを明かした。 遠征を開始した初年度、12年も3軍監督を務めいた小川監督は「スタートした時はこっちは3軍で韓国チームは2軍...

評論家コラム

【鳥谷敬】阪神梅野隆太郎の配球がサヨナラ呼んだ 10回2死二塁、完全に打者心理の裏をかいた

阪神対巨人 10回裏阪神無死満塁、サヨナラ右適時打を放った佐藤輝(中央)はチームメートに祝福のウオーターシャワーをかけられる(撮影・加藤哉)

<阪神2-1巨人>◇18日◇甲子園日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)が「伝統の一戦」を見届け、阪神梅野隆太郎捕手(32)、巨人小林誠司捕手(34)の好リードを絶賛した。試合は延長10回裏に虎がサヨナラ勝利。その直前、10回表2死二塁で阪神バッテリーが空振り三振を奪った場面にも着目した。【聞き手=佐井陽介】    ◇   ◇   ◇ 阪神、巨人ともに捕手の優...

評論家コラム

【宮本慎也】プロの厳しさ痛感した巨人ドラ4泉口友汰 この日の悔しさ忘れずに

<阪神2-1巨人>◇18日◇甲子園昨年、巨人は甲子園で3勝10敗。大きく負け越していた。まだ3戦目だが、苦手意識をつけないためにも、早く1勝を挙げたい気持ちは強かっただろう。そんな中、サードのスタメンは、まだプロ入りしてヒットを打っていないルーキーの泉口友汰だった。どんなプレーをするか、注目していた。 阪神対巨人 5回裏阪神の攻撃を封じた菅野(後方)は、失策...

岡田の野球よ

【内匠宏幸】3連発記念日に動いた岡田彰布と応えられなかった佐藤輝明、カンフル剤が必要か

阪神対巨人 4回裏阪神無死一、二塁、佐藤輝(手前)が空振り三振に倒れベンチで険しい表情の岡田監督(右端)(撮影・河野匠)

1985年4月17日、甲子園でのバックスクリーン3連発…。バースが打ち、掛布が打った。直後の打席、大騒ぎの中、岡田彰布は実に冷静だった。 「バース、カケさんに打たれたあと、槙原は何を投げてくるか。必ずスライダーがくる。そう確信していた」。岡田は振り返っている。狙い球を絞り、その通りの甘めの球がきた。打って当然とばかり、岡田が狙い打った打球は、センターのクロマ...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】阪神巨人戦、佐々木俊輔が体勢崩したプレー 前夜の雨の影響はなかった

阪神対巨人 3回裏阪神2死一、二塁、森下の打球を捕球できず2点適時二塁打を許す中堅手の佐々木(撮影・河野匠)

<阪神2-0巨人>◇17日◇甲子園39年前の1985年(昭60)、阪神の日本一を勢いづけた「バックスクリーン3連発」勝利と同じ「4・17」に同じ巨人に勝利だ。 3連発はなかったが3連打は出たのである。しかも阪神打線が放った安打は3回に出た、その3安打だけ。はっきり言わせてもらって、スケールは当時に比べてなかなか小さいけれど、結構、面白かった。 焦点はその3安...

番記者コラム・阪神

ゲラは球団82人目のセーブ投手 栄えある初代は伝説のあの左腕

ヤクルト対阪神 来日初セーブをあげた阪神ゲラ(24年4月5日撮影)

阪神の新外国人ハビー・ゲラ投手(28)が、チーム最多タイの3セーブと活躍を見せている。阪神でセーブを記録した助っ人投手は17人目。阪神外国人初のセーブは、リチャード・オルセンが83年10月24日ヤクルト戦で記録した。 日本人を含めれば、球団82人目である。米国に続き日本球界でもセーブが導入された、1974年(昭49)。栄えある球団創設初のセーブを挙げたのは、...

田村藤夫のファームリポート

【田村藤夫】西武俊足ショート滝沢夏央の驚くべき快足と突き詰めるべき懸念

西武滝沢夏央(2023年5月3日撮影)

【175】<ファームリポート:ヤクルト4-2西武>◇17日◇戸田西武の滝沢夏央(20=関根学園)の足に魅了され、圧倒された試合だった。そして、見えてきた懸念材料を考えたい。    ◇   ◇   ◇  3安打を放ち、試合の随所で好守備を見せてくれた。2回には山田の痛烈なハーフライナーを体を後ろにそらしながらも好捕。球際の強さを感じた。 4回には北村の、やはり...

評論家コラム

【梨田昌孝】チームにとって“勝ちは良薬” 阪神2死からの3連打だけで勝った不思議な展開

阪神対巨人 阪神岡田監督(左)は巨人に勝利しファンにあいさつする(撮影・上山淳一)

<阪神2-0巨人>◇17日◇甲子園圧倒的に押していたのは巨人だが、勝利を収めたのは阪神だった。これで今シーズンの「伝統の一戦」は2勝2敗1分けのタイに持ち込まれた。 梨田 なんとも言いようのない一戦だったね。阪神が打ち勝ったかといえばそうではないし、勝ちきった、ねじ伏せたという印象も薄い。ピンチをしのいで、しのいで、超ラッキーな、いいゲームだったということだ...

評論家コラム

【里崎智也】巨人阿部監督が負け試合で示した落ち着き 新人監督とは思えないどっしりとした風格

阪神対巨人 1回裏を終えベンチで白い歯を見せる阿部監督(撮影・加藤哉)

<阪神2-0巨人>◇17日◇甲子園昨年の巨人は甲子園で3勝10敗と歯が立たなかった。今年、阿部監督は甲子園でどんなベンチワークをするのか注目していた。こういう時は勝ち試合よりも、負け試合にこそ、素の顔が出るものだ。いくつか、印象的なシーンがあった。 3回2死一、二塁。森下のセンターへの飛球を佐々木が捕れずタイムリー二塁打とされた場面。ベンチの阿部監督は表情を...

野球の国から

【海を渡る】アメリカ横断ウルトラクイズ優勝の能勢一幸氏が思う「大谷ら日本人が羽ばたく理由」

<海を渡ること(3)>ドジャース大谷翔平投手(29)にスタンフォード大・佐々木麟太郎内野手(18)…島国の未来が、大洋のかなたに広がっていく。渡った人、渡ってきた人、かつて渡った人。3人に「海を渡ること」を尋ねた。 91年にアメリカ横断ウルトラクイズで「クイズ王」になった能勢一幸氏 「問題。大谷翔平の『翔』は鎌倉時代の歴史上の人物の俊敏な動きを連想させること...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】阪神植田海2つの“忍者走塁”の背景「あそこで右手を出した」馬場コーチ称賛

阪神対巨人 7回裏阪神1死二、三塁、三走植田(中央)は代打糸原の右犠飛で生還する。捕手岸田(撮影・上山淳一)

<阪神1-1巨人>◇16日◇甲子園ヤンキースで現役だったころのイチローが見せた「忍者生還」を思い出すようなプレーの連続だ。0-1の7回、植田海が見せたセンスある2つの走塁。虎番記者の記事にもあるが、少しだけ説明しておきたい。 <1>三進 7回、1死二塁で8番・木浪聖也の当たりは投ゴロ。これで二走・植田は二、三塁間に挟まれた。巨人内野陣は打球処理の投手・山崎伊...

番記者コラム・広島

黒原拓未3球降板から防御率2点台に 復調を見守ったチームメートの“いつも通り”

広島黒原拓未(2024年4月16日撮影)

チームの連敗を止める、マツダスタジアムでの勝利を締めくくったのは、広島黒原拓未投手(24)だった。16日のDeNA4回戦。9点をリードした9回を2者連続含む3三振で締め、防御率は2・57となった。 今季初登板を終えた時点で、黒原の防御率は「記録なし」だった。開幕2戦目の3月30日DeNA戦に先発も、わずか3球で危険球退場。死球を与えた相手が前日に華々しくデビ...

評論家コラム

【山田久志】巨人は明らかに変わった 投手力で勝負でき昨季の阪神がやってきた野球をやっている

阪神対巨人 8回裏を前に選手交代を告げ、スコアボードを見つめながら引き揚げる阿部監督(撮影・河野匠)

<阪神1-1巨人>◇16日◇甲子園対戦2回り目に入った阪神だが、突然の雷には勝てなかった。今シーズン初の甲子園での“伝統の一戦”は降雨コールドで引き分けに終わった。   ◇  ◇  ◇ 山田久志(日刊スポーツ評論家) 正直いって、開幕からここまで、中日、巨人が上にいくなど思いも寄らなかった。だけど、巨人は明らかに変わった。チームが連勝しているからという見方も...

評論家コラム

【緒方耕一】今季も脅威 直球で5連続見逃し三振奪った阪神村上頌樹と坂本誠志郎のバッテリー

阪神対巨人 阪神先発の村上(撮影・上山淳一)

<阪神1-1巨人>◇16日◇甲子園昨年、優勝した阪神のMVPは、今試合で先発した村上だった。それまで1勝もしていなかった右腕が、いきなり10勝を挙げたのだから、チーム救世主だといっていい。その村上が今季は1勝1敗。今季3度目の先発でどういうピッチングを見せるのかを注目していた。そこで目についたのが、村上を陰で支える坂本の存在だった。 立ち上がりから調子の良か...

評論家コラム

【浜名千広】ソフトバンク、投手陣野手陣がお互いを「カバー」し合っている 一気に走る気配十分

ソフトバンク大津亮介(24年4月14日撮影)

ソフトバンクが、両リーグトップとなる10勝を挙げた。開幕から14試合。ほぼシーズンの1/10が終わったばかりだが、5球団との最初の対戦を終えて負け越しはなし。4連勝で北海道に乗り込むことになった。 開幕前に不安視された先発投手陣の奮闘は、すばらしい。14試合で先発陣の防御率は西武の1・71に次ぐリーグ2位の1・81。先発投手が状態を上げて開幕に入って来られた...

岡田の野球よ

【内匠宏幸】辛抱強い岡田彰布が決断した大幅な打線改造「強いチームは…」反攻への次なる手は

中日対阪神 7回表阪神2死二塁、中野の右前適時打で生還した前川を迎える岡田監督(右から2人目)(撮影・森本幸一)

その日の打順はどう決まる? これは各球団によって違いがある。阪神の場合は? 例えば星野仙一が監督だった2002、2003年は試合前、当時の打撃コーチだった田淵が原案を作成し、それをヘッドコーチの島野に提出。よほどのことがない限り、変更することなく星野に示される。そこで星野が「よっしゃ」となれば、GOサイン。試合に臨むことになる。 前回の岡田体制でも同様の手順...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】動いてしのいだ岡田阪神 さあ甲子園6連戦で借金返済だ

中日対阪神 阪神監督で球団歴代2位タイとなる484勝目を上げた岡田監督(撮影・上田博志)

<中日1-2阪神>◇14日◇バンテリンドームこちらの“浅知恵”を笑われている気もする。前日、ここで「苦しいときこそ今まで通り」と書いたことだ。想像以上に阪神に関する記事を読んでいる指揮官・岡田彰布である。その野球哲学なのだが、それも時と場合によるということか。「めっちゃ動くやん」。スタメンを見て、思った。 結果的に動かした2番・梅野隆太郎、8番・中野拓夢がそ...

番記者コラム・阪神

中日山本泰寛の強烈“恩返し”に刺激受ける豊田寛 原点の逆方向で2軍戦打率3割超

阪神対ソフトバンク 1回裏阪神無死満塁、豊田寛は右適時打を放つ(撮影・石井愛子)

阪神豊田寛外野手(26)は、青色のユニホームで躍動する先輩からおおいなる刺激を得ていた。 昨オフに阪神を戦力外となり、今季から中日でプレーする山本泰寛内野手(30)のことだ。13、14日の古巣阪神戦(バンテリンドーム)で計7打数4安打2打点。強烈な“恩返し”を決めた元チームメートの姿に「ちょっと複雑ですけど、でも、すごいです」と素直な心境を口にした。 昨年は...

野球手帳

低反発バット導入で懸念している新1年生の高校通算本塁打数の減少 プロ野球スカウトの見解は

甲子園球場のベンチ前に並ぶ新基準の低反発バット(2024年3月13日撮影)

今春から導入された新基準の低反発バットの影響で、センバツ大会の本塁打数が激減した。金属バットが導入された1975年以降最少の3本にとどまった。それにより、「高校通算本塁打数」も今後は増えにくく、大幅に減少していくことになるだろう。入学直後から低反発バットを手にする新1年生にとっては、モヤモヤするのではないか、と個人的にふと思った。 これまで記事で選手を紹介す...