左肩手術の内藤鵬「地獄」と語った入院中の痛み乗り越え復活へ
顔に少し明るさが戻っていた。3月中旬。大阪・舞洲にあるオリックス球団施設で、高卒2年目の内藤鵬内野手(19)が右腕1本のティー打撃を行っていた。左腕はギプスで固定。見た目は痛々しいが、人懐っこい笑顔で言った。 「あれはもう、練習じゃないです。ストレス発散です。膝の時に比べたらやれることは多いですけど、痛みは膝の時がマシ。めちゃめちゃ痛かったです」。キャンプ中...
顔に少し明るさが戻っていた。3月中旬。大阪・舞洲にあるオリックス球団施設で、高卒2年目の内藤鵬内野手(19)が右腕1本のティー打撃を行っていた。左腕はギプスで固定。見た目は痛々しいが、人懐っこい笑顔で言った。 「あれはもう、練習じゃないです。ストレス発散です。膝の時に比べたらやれることは多いですけど、痛みは膝の時がマシ。めちゃめちゃ痛かったです」。キャンプ中...
「時代は変わるもんですね。今昔物語ですね」-。 大挙押し寄せたファンを見ながら、オリックス湊通夫(みなと・みちお)球団社長兼オーナー代行が感慨深そうにつぶやいた。宮崎・SOKKENスタジアムの正面口から目に飛び込むのは人、人、人…。立ち話をしている私たちの隣では、広報歴10年以上の町豪将チーフが「お客さんの数、カコイチですよ」とうれしそう。観客、来賓、球界関...
この1月から、6年ぶりに取材現場に復帰し、7年ぶりにオリックス担当を拝命しました。49歳になりましたが、新人のような気持ちで情報をお届けしたいと思います。そんなわけで、オリックスの新人の話題をひとつ。地元大阪出身のドラフト2位右腕、河内康介投手(18=聖カタリナ学園)です。 3年夏の愛媛県大会はベスト4で敗退。ただ最速150キロをマークし、プロから注目を浴び...
オリックス若月健矢捕手(28)は捕手として球団初を狙う。 昨季はチーム最多の83試合に先発捕手として出場。ダブル起用となった森友哉捕手(28)の56試合を上回った。主に山本由伸や山崎福也とコンビを組み、リーグ3連覇へと導いた。 自身初のゴールデングラブ賞も獲得。オリックスでは14年伊藤光以来、9年ぶりだった。球団捕手では過去に72年種茂雅之、78年中沢伸二、...
日本シリーズ開幕戦の1番スタメン起用から2カ月、オリックス池田が大阪・舞洲で自主トレに励んでいる。昨季は、ウエスタンリーグで首位打者(3割1厘)と最高出塁率(3割6分2厘)の2冠を獲得。毎年のように陣容を変えながらリーグ制覇を続けるオリックスで今季、レギュラー取りを期待される若手の1人だ。 周囲をあっと驚かせた1番起用だった。昨年10月28日の阪神との頂上決...
ポスティングシステムを使って、ドジャースへの入団が決まったオリックス山本由伸投手(25)。12年総額3億2500万ドル(約455億円)の契約で、球団への譲渡金は5062万5000ドル(約70億9000万円)になる見込みだという。 あまりの金額に、エースが残すものの大きさを感じる。でも、エースを昔からよく知る主砲は、言いたいことがある様子? 24日のテレビ収...
愛される人柄がにじみ出る時間だった。オリックス杉本裕太郎外野手(32)は6日に行われた契約更改後、7200万円からアップした300万円の使い道について、直後の取材でこう話した。(金額は推定) 「上がった分、歳も上の方になってきたんで、後輩をご飯に連れて行きたいと思う」。ラオウの愛称で親しまれる選手会長らしく、太っ腹な宣言…。と思った直後、いきなり繊細な一面を...
今オフにポスティングシステムで大リーグ移籍を目指す、オリックス山本由伸投手(25)は、大忙しだ。27日に都内で行われた最優秀バッテリー賞の表彰式に出席すると、翌28日はNPBアワード。沢村賞、MVP、ベストナイン、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、勝率1位…。文字通り抱えられないほどのタイトルを手にした。 そんな中、うれしい再会が待っていた。最優秀バッテリ...
11月5日、阪神の38年ぶりの優勝で日本シリーズが終わった。 頂上決戦連覇にはあと1勝届かなかったが、オリックスはリーグ3連覇。偉業は何ら色あせるものではないが、最終戦を終えた選手たちが京セラドーム大阪の駐車場に出てくるのを待ちながら、寂しさが募った。この日と同じメンバーによる試合を見ることは2度とないのだ、という思いからだった。 試合終了後、球団はメジャー...
オリックスは今年、2年連続の日本一こそ届かなかったが、最後まで強さを見せた。主力がケガを抱えながら、第7戦までもつれる熱戦。リーグ3連覇、3年連続の日本シリーズ出場を成し遂げたことは変わらない。 シーズンを通して離脱者も多かったが、全員が戦力として、その都度カバーし合って勝利をつかんできた。そんなチームをまとめたのは、他でもない中嶋聡監督(54)。発する言葉...
1964年(昭39)に行われた「元祖 関西シリーズ」。青い目の助っ人による、とてつもなく日本的な大記録が達成された。南海ジョー・スタンカ投手が成し遂げた「2試合連続完封勝利」である。 60年に来日したスタンカは、1年目に17勝を挙げるなど着実に力をつけた。64年には26勝し、南海を優勝へと導いた。そして阪神との日本シリーズに臨んだのだった。 第1戦で完封勝ち...
常勝への布石となるドラフトになったかもしれない。2年連続の日本一を目指す阪神との日本シリーズを2日後に控えた26日。オリックスはドラフト会議で、オリックスは横山聖哉内野手(17=上田西)を1位指名した。 10球団が競合した中、12球団唯一の高校生野手を単独指名に成功。福良淳一GM(63)は「予定通り。狙い通りです」ときっぱり。今年は大卒の即戦力投手が豊富と言...
オリックスがCSファイナルステージでロッテを下し、3年連続日本シリーズ進出を決めた。2勝1敗で迎えた21日の第4戦で、森友哉捕手が初回に先制2ラン。今CS初本塁打がV打になった。シーズンでリーグトップの勝利打点18をマークした勝負強さは、ポストシーズンも健在。オリックス1年目で、新主砲の役割を期待通りに果たした。 西武からFA移籍した初年度、森の活躍を間接的...
首位打者となったオリックスの頓宮裕真捕手(26)は現状、プロ野球史上唯一無二の存在である。 「盗塁を知らない首位打者獲得者」なのだ。 今季は123安打を放ち、初の栄冠を手にした。ところが、盗塁はゼロ。それどころか、通算280試合に出場しながら、盗塁はまだ1個もない。 1リーグ時代も含め、首位打者に輝いたシーズンに盗塁がなかった選手は他に以下のメンバーがいる。...
ベテラン守護神が達成した偉業の裏には、後輩たちのさまざまな思いがあった。 2日のオリックス-日本ハム戦(京セラドーム大阪)で、オリックス平野佳寿投手(39)が、日米通算250セーブを達成した。3点リードの9回にマウンドに上がり、1回1安打無失点。その直前、先発の山本からバトンを受け、8回に登板してつないだのは、山岡泰輔投手(28)だった。 「僕はいい状態でつ...
20日にオリックスがリーグ3連覇を果たす少し前、1枚のポスターがSNSで話題となっていた。 それはオリックスのシーズンファイナルスパートプロジェクト「全員で勝つ!2023 supported by わかさ生活」のポスター。終盤戦の9月16日~10月2日に開催されるホーム公式戦を知らせるものだった。 金色の大きな「全員で勝つ!!」ロゴが前面に描かれ、その後ろに...
ブーマーとユーマーが、ついに“対面”した。 オリックスがリーグ3連覇を果たす1週間前。13日日本ハム戦(エスコンフィールド)前に、オリックス頓宮は日本プロ野球外国人OB選手会の代表理事、ウィリアム・ブルックス氏から「ブーマー」の文字が入ったファーストミットを受け取った。阪急で84年に外国人初の3冠王に輝いたブーマー・ウェルズ氏からの贈り物だった。 8月3日の...
節目の安打が決勝タイムリーというのも、勝負強い男らしかった。 10日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、オリックス森友哉捕手(28)が通算1000安打を達成した。28歳1カ月での到達は主に捕手で出た選手では、63年野村克也(南海)の28歳2カ月を抜いて史上2位の年少記録。森は「うれしいですね。でもまだまだ通過点というか、これから頑張らなあかんなと思います」とさら...
よく一緒にいる2人を見る気がする。8月11日の楽天戦の試合前(楽天モバイルパーク)。オリックス宇田川優希投手(24)が山崎颯一郎投手(25)を相手に、ベンチ前でキャッチボールを始めた。 宇田川がワンバウンドで投じるボールを、山崎颯がキャッチャーのように捕球。時には後ろにボールをそらし、笑いが生まれた。何度も繰り返していたその練習法は、宇田川が平井投手コーチか...
「44」と「44」がついに共演した。3日の楽天戦(京セラドーム大阪)。始球式を行ったのは、阪急で84年に外国人初の3冠王に輝いたブーマー・ウェルズ氏(69)だった。 捕手役は、助っ人の後輩となるレアンドロ・セデーニョ内野手(24)。そして打席に立ったのは、頓宮裕真捕手(26)だった。ブーマー氏とは背番号「44」つながり。球団スタッフから打診され快諾したようだ...