ニッカンプロ野球

楽天番記者

最速161キロ誇る育成6年目の清宮虎多朗が支配下へ虎視眈々 今季実戦8試合で1失点

楽天清宮虎多朗(2024年2月17日撮影)

最速161キロを誇る剛腕が、虎視眈々(たんたん)と支配下登録を狙う。育成6年目の楽天清宮虎多朗投手(23)は、自身初の1軍キャンプを完走。練習試合、オープン戦でも結果を残し、今季実戦8試合で1失点、全試合で三振をマークするなどアピールを続けている。 最大の武器は直球だ。最速は145キロだった入団時から年々、スピードアップ。2年目の20年に150キロを計測し、...

宮川打撃投手が松井裕樹からもらった言葉 10年前のプロ初勝利を巡るドラマ

オリックス対楽天10回戦 楽天先発の宮川将(2014年7月2日撮影)

10年前、ある選手に聞きそびれた。パドレス松井裕樹投手(28)の報道を目にするにつれ、今からでも聞いてみたいと思った。楽天の宮川将投手に。 14年7月2日、京セラドーム大阪でのオリックス戦。楽天のルーキー松井裕は2-0の5回2死一、二塁に2番手で登板した。ペーニャを二ゴロ。6回、7回も0に抑え、プロ8戦目で初勝利を挙げた。 指揮を執ったのは、大久保博元監督代...

“則本専属”の太田光が打撃強化で正捕手を射止める「準備だけは怠らずにやりたい」

シート打撃で投手に指示する楽天太田(2024年2月7日撮影)

「則本専属」の楽天太田光捕手(27)が、正捕手の座を射止める。今オフにベテラン炭谷が西武に移籍。現状では26歳堀内、24歳石原とレギュラーを争うが、昨季は1軍捕手で最多の104試合出場。そのうち69試合でスタメンマスクをかぶり、経験値では2人を1歩リードする。 昨季は則本が先発した全24試合でバッテリーを組んだ。クローザーに転向する背番号14の信頼も厚く、今...

「則本投手、ごめんなさい。僕、走れました」新守護神の自主トレを取材、担当記者の後悔

報道陣にランニングメニュー参加を呼びかける楽天則本

楽天の今季チームスローガンが「いただき!」に決定したが、新年早々、私にとって、いただけない出来事があった。 今季からクローザーに転向する則本昂大投手(33)が、地元滋賀で行った自主トレを取材させていただいた時のこと。その日はメディア公開日に設定されていたが「1時間ほどで切り上げてしまうのでは?」。報道陣がいることで練習に集中できないだろうという固定観念にとら...

今江敏晃監督が震災風化に危惧「なぜ来ているか不思議がって」11年から福島・いわき訪問

16日、野球教室で子どもたちに打撃指導する楽天今江監督

“今江監督”として福島・いわき市に帰ってきた。楽天今江敏晃監督(40)が16日、同市内で野球教室を開催。地元の小学6年生41人を指導した。東日本大震災が発生した11年にロッテの選手として被災地支援で訪れて以来、同市へは11度目の訪問。指揮官の立場で足を運ぶのは初めてだった。 「こうして毎年、いわきに来させてもらって、いわきの方たちと本当に1年に1回ですけど、...

渡辺翔太が「1軍で1試合登板」の目標を大きく上回る充実の1年目 来季は守護神に意欲

楽天渡辺翔太(2023年6月29日撮影)

楽天渡辺翔太投手(23)の充実の1年目が終わった。昨年のドラフト3位で入団し、中継ぎとして51試合に登板。8勝3敗、25ホールド、1セーブ、防御率2・40をマークした。「僕の中では予想以上の出来です。1軍で1試合投げるのが目標だったので」。当初掲げていたよりも50試合多く登板。年俸も1800万円増の2800万円(金額は推定)で契約更改し、これ以上ないプロ生活...

ドラ3日当直喜「東北を日本一に“する”」父の出身岩手でプロ野球人生スタートさせる覚悟示す

楽天と契約合意したドラフト3位の東海大菅生・日当(2023年11月12日撮影)

楽天のドラフト3位、東海大菅生・日当(ひなた)直喜投手(18)の真っすぐな言葉が印象的だった。 11月12日に神奈川県内のホテルで行われた入団交渉で契約に基本合意した後に取材した。その中盤で、1年目からどんな活躍がしたいか、という質問が投げかけられた。日当は迷いなく、回答した。 「やっぱり新人王を取りたいなと思います。東北(のチーム)に入ったからには“東北を...

パンチ連打でパンチ力アップ? 川島コーチ考案ボクササイズトレで本塁打量産に期待

楽天雄平コーチ(手前)が持つミットに強烈なパンチを打ち込む安田(撮影・山田愛斗)

パンチ連打がパンチ力アップにつながるかもしれない。楽天は今月1日から15日まで秋季キャンプを実施。楽天モバイルパークで行われた野手の練習では、「格闘技オタク」を自認する記者の目を引くメニューがあった。川島慶三1軍打撃コーチ(40)のアイデアで取り入れたボクササイズだ。同コーチの甥っ子がボクシングをやっており、その動作を野球に生かせないかと考案したという。 打...

引退7年、今も体形不変の牧田明久コーチ「ベスト体重でした」体重増で大事なことは

引退から7年経っても現役時の身長182センチ、体重85キロをキープする楽天牧田コーチ(撮影・古川真弥)

仙台で行われている楽天の秋季キャンプに行ったら、懐かしい顔に会えた。牧田明久育成外野守備・走塁コーチ(41)。引退して7年が経つが、引き締まった細マッチョ・ボディは相変わらず。現役時ほどではないというが、今でもトレーニングを続けているそうだ。現役後半と同じ、身長182センチ、体重85キロをキープ。同じ40代として、頭が下がる。 85キロは「ベスト体重でした」...

苦しんだWBCから2年連続セーブ王へ 松井裕樹の言葉に感じた逆境での振る舞い

楽天松井裕樹(2023年10月10日撮影)

今シーズンは日本野球機構(NPB)の担当がメインだったため、球場に行って選手を直接取材する機会は多くなかった。ただ、限られた中でも印象に残ったシーンはある。 楽天の今季最終戦。地元・仙台にロッテを迎え、勝った方がCS、負けた方がBクラスという大一番だった。結果は完敗。2年ぶりのAクラスを逃した。 試合後、数人の選手が今季を振り返ってくれた。その1人が松井裕樹...

足にボールが直撃…悪くないのに律儀に謝罪に来た村林一輝 来季はさらなる飛躍目指す

遊撃でノックを受ける楽天村林

楽天村林一輝内野手(26)がさらなる飛躍を遂げるべく、楽天モバイルパークでの秋季練習に励んでいる。8年目の今季、6月末から遊撃の定位置に定着した。「レギュラーを目指して常にやってきた。長い年月かかりましたけど、今年少し結果を残したことで、より明確なビジョンを立てられるようになった」と成長を実感している。 3割で上々の打撃と違って、守備は100%を求めることが...

残るは本拠地3試合 吉兆データ「ファンの後押し」受けCS進出を狙う

ファンとともにCSへ! 楽天は今季残り3試合。自力CS進出の可能性はなくなったが、3位ロッテとの差は1ゲーム。今季最終戦となる9日はロッテとの直接対決と、CS進出の可能性はまだある。3戦すべてが本拠地楽天モバイルパークでの試合。ファンの声援を受けて、最後の戦いに臨む。 今季本拠地では、66試合で36勝30敗、勝率5割4分5厘。地方球場を除く、球場別では最も高...

逆転CSへ小深田大翔の削り出した走塁意識 「無駄が省けた」リーグトップの26盗塁

二塁盗塁に成功する楽天小深田大翔(2023年8月15日撮影)

楽天小深田大翔内野手(27)が、逆転CS進出への鍵を握る。現在リーグトップの26盗塁。自身初のタイトル獲得へ期待がかかる。塩川1軍内野守備走塁コーチは「数字に現れるとどんどん自信になってくるんじゃないかな」と目を細めた。 積極走塁でチームを救う。今季は一塁走者でランエンドヒットを仕掛け、一気に本塁まで生還する場面が何度も見られた。今季走塁が際立つ要因は-。塩...

小深田大翔、攻撃を切り開く“特急こぶかた” 開幕前に掲げた盗塁王へ闘志はみなぎる

西武対楽天 9回表楽天2死一、三塁、二塁盗塁に成功する小深田(左)(撮影・足立雅史)

“特急こぶかた”が、攻撃を切り開いている。小深田大翔内野手(27)の走塁が光る。 11日オリックス戦では、6回無死一塁の場面を一塁走者で迎えた。投手が投球動作に入ると同時にスタートを切ると、打者小郷が左中間へ打球を運び、一気に本塁生還した。5日ロッテ戦8回2死一塁でも、一塁走者小深田、打者小郷のランエンドヒットで決勝点を奪った。スタートを切った段階から「(打...

スピードスター候補生の辰見鴻之介、左打者挑戦から右打席専念を決めた大学時代の大けが

支配下登録され、背番号78を指さすポーズする楽天辰見鴻之介(2023年7月26日撮影)

杜(もり)の都のスピードスター候補生が、プロ野球生活で1歩前進した。楽天は26日に育成1位ルーキーの辰見鴻之介内野手(22)と支配下選手としての契約に合意したと発表した。 50メートルを5秒7で駆け抜ける快足の持ち主。2軍戦では、イースタン・リーグトップの17盗塁をマークしている。 右投げ右打ちの内野手。単純な考えではあるが、一塁により近い左打席の方が、走力...

“ワシの96年組”交流戦躍動、ドラ7小郷裕哉が打率.358 18年大卒選手たち奮起

巨人対楽天 ヒーローインタビュー後、クラッチーナと笑顔でポーズを決める楽天小郷(2023年6月17日撮影)

“ワシの96年組”が躍動してきた。18日巨人戦(東京ドーム)で4カード連続の勝ち越しを決め、反撃態勢が整ってきた楽天。交流戦では、18年にドラフト指名された大卒選手たちの奮起が目立った。 ドラフト1位の辰己涼介外野手は、今季序盤は不調だったが、「1番中堅」の座を再奪取。同2位の太田光捕手は、安定感ある守備に加え、今季は打撃も3割と好調。同7位の小郷裕哉外野手...

吉野創士「結構力強さ出てきた。いい感じ」ファームで体作りに汗流す日々 石井監督の期待応える

楽天対ロッテ 2回裏楽天2死二塁、中前適時打を放つ楽天吉野(撮影・河田真司)

楽天吉野創士外野手(19)が、黙々と汗を流している。21年ドラフト1位で入団し、今春のキャンプは1軍で過ごした。オープン戦にも10試合に出場。しかし、3月15日オリックス戦(静岡)で先発出場をしたのを最後に、ファームへと合流した。今季の2軍戦の出場はなし。吉野は「ケガとかじゃ全くなくて」と説明する。 2軍合流する直前、石井監督から呼ばれた。指示されたのは、体...

安楽智大が呼びかけ、救援陣がオールドスタイルで練習「なにか1つ空気が変わったりしたら」

楽天安楽智大(2022年10月撮影)

楽天リリーフ陣の足元が変わった。9日オリックス戦の試合前練習から、ソックスを上げる“オールドスタイル”姿でそろっている。発起人は安楽智大投手(26)。「しょうもないことかもしれないですけど、なにか1つ、みんなで空気が変わったりしたらいいなと思っています」と力を込めた。 今季リリーフの不調が続いている。チームの19敗中、救援陣で7敗。救援防御率はリーグワースト...

ドラフト2位小孫竜二“勝利の方程式”入りへの戦い始まる「勉強していきたい」

楽天小孫竜二(2023年3月24日撮影)

楽天ドラフト2位小孫竜二投手(25)の、“勝利の方程式”入りへの戦いが始まった。キャンプから3月9日DeNA戦(静岡)までは、先発として調整していたが、より即戦力としての働きを期待され、中継ぎへ配置転換。開幕1軍のメンバーに入った。 学生時代から先発一筋。プロでは新たな役割でのスタートとなった。「ブルペンキャッチャーの方だったり、どういう(肩の)作り方がいい...

石井監督“ホープのもがき”期待「失敗しないと成長は今できない」高卒2年目の吉野創士に

楽天吉野創士(2023年2月18日撮影)

楽天石井一久監督(49)が、“ホープのもがき”に期待した。 高卒2年目の吉野創士外野手(19)を1軍キャンプに抜てき。その後も離脱することなく、5日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも、1軍に同行した。開幕1軍入りへアピール続けているが、指揮官が見るのはもっと先の未来。「吉野は失敗してくれればいいです」と目線を上げた。 高い潜在能力を買って、21年ドラフト1位で指...