岡田監督の率直な物言いと先を見据える力 過大評価も過小評価もせず、ただ最善策を探す
指揮官らしい率直な言い方だった。阪神のオープン戦最終戦となった24日のオリックス戦(京セラドーム大阪)の試合後。オープン戦の収穫について聞かれると、少し苦笑いしながら答えた。「まあ収穫は、あんまりなかったなあ。最後にテストしたのが、なあ。オープン戦そのままの結果やったからのう。ピッチャーにしても。最後にちょっとケガ人出たしなあ」。過大評価せず、過小評価もしな...
指揮官らしい率直な言い方だった。阪神のオープン戦最終戦となった24日のオリックス戦(京セラドーム大阪)の試合後。オープン戦の収穫について聞かれると、少し苦笑いしながら答えた。「まあ収穫は、あんまりなかったなあ。最後にテストしたのが、なあ。オープン戦そのままの結果やったからのう。ピッチャーにしても。最後にちょっとケガ人出たしなあ」。過大評価せず、過小評価もしな...
データ好きの野球ファンにとって、阪神の西勇輝投手(33)は今シーズン要注目の存在だ。 現在プロ野球史上4位の、276試合連続先発登板を続けている。オリックス時代の11年10月1日楽天戦に3番手としてマウンドに上がったのが、現状では最後の救援登板。次戦の同13日ロッテ戦から、先発登板の専門家に転身した。 今季の開幕から昨季と同じ18試合に先発すれば、三浦大輔(...
今年も高校野球の季節がやってきた。18日にセンバツが開幕。阪神の投手指名練習が行われた同日、甲子園の室内練習場からも聞こえるブラスバンドの演奏に耳を傾けながら、近本光司外野手(29)の言葉を思い出した。 「俺、あんまり高校野球見いへんからな」 2月の沖縄・宜野座キャンプでの終盤、そんなことを話していた。春、夏と高校野球のテレビ中継は、熱心には見ないタイプ。プ...
右肩肉離れで別メニュー調整中の阪神梅野隆太郎捕手(32)が1歩ずつ回復の道を歩んでいる。 3日には兵庫・西宮市の鳴尾浜球場では2日連続で屋外でのフリー打撃に取り組んだ。近距離でのゴロ捕球では、軽めの返球も実施。練習はさらに続き、高卒ルーキーの山田脩也内野手(18=仙台育英)、百崎蒼生内野手(18=東海大熊本星翔)とポール間を繰り返し走っていた。「涼しく走って...
目指せ令和のラインバック、ブリーデン。阪神の両助っ人野手ノイジー、ミエセスの両者は、昨年に来日し日本一を味わった。そして今季も虎の一員として戦う。 NPB他球団を経ずに同じ年に阪神で日本デビューし、2年目のシーズンを全うした阪神の助っ人ペアは過去1組のみ。76~77年のラインバック、ブリーデンしかいない。 全力プレーのラインバックは、東京にまでファンクラブが...
阪神の新育成助っ人右腕コンビへ、同学年の仲間が歓迎会を“検討”している。 3月中に来日予定の、ドミニカ共和国出身00年1月生まれのアンソニー・マルティネス投手(24)と99年10月生まれのホセ・ベタンセス投手(24)は日本の4月~3月生まれに置き換えると99年度生まれになる。阪神では、18年ドラフト6位の湯浅京己投手、21年ドラフト2位鈴木勇斗投手、3位桐敷...
阪神のキャンプ中。見慣れないようでありながら、どこかで見た記憶がある光景があった。一部の投手が、サポーター状のものを利き腕にぐるりと巻いてから投球練習に臨んでいた。 「パルススロー」という機器だ。大谷翔平がエンゼルス時代に使用したことで一気に球界に広まり、阪神も昨季からチームとして正式に取り入れた。 装着して腕を振れば、肘にかかるストレスなどが数値化される。...
見たことのない立ち上がりだった。2月23日、巨人とオープン戦(那覇)。先発の伊藤将司投手(27)は初回からプロ自己ワーストとなる7失点を喫した。昨季全21登板中、18試合でクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以内)を達成した左腕。抜群の安定感を誇っていただけに驚いたファンも少なくないだろう。 しかし続く2回、3回はともに3者凡退で無失点。初回を連想...
私ごとで恐縮だが、昨年末に結婚した。1月31日付の日刊スポーツ12球団担当の意気込みに「夫婦円満の秘訣(ひけつ)もひそかに取材したい」と記した。キャンプ中の激務ですっかり頭から離れていたが、上司からのカツで思い出した。「せっかく書いてるねんから、しっかり取材してこんかい!」。新婚で臨んだ沖縄での阪神キャンプ取材1カ月。決して多くの選手に聞けたわけではないけれ...
3年ぶりに阪神の春季キャンプにやってきた。全体練習のアップ開始は午前10時。その前に各個人が課されるのが早出練習だ。 午前8時30分。練習がある一部の若手選手が来るのかなあ…と、思いきや。助っ人外国人以外、全員がやってきた。 私の記憶の中では、早出で来るのは若手が中心。たくさんの人数が乗れる大きなバスではなく、数人だけのワゴン車で来るのが定番だった。大きなバ...
復活を期す阪神の梅野隆太郎捕手(32)が、球団生え抜き初の金字塔を打ち立てる。プロ入り以来、キャッチャーでの出場は945試合。今季55試合でマスクをかぶれば、捕手としての出場試合が1000試合に達する。球団生え抜きでは初の快挙である。 代打など捕手以外での出場を含めた通算出場は958試合で、1000試合へあと42試合。いずれもシーズン前半戦での到達が見込まれ...
入社1年目、初めての沖縄キャンプ取材に走り回っています。フリー打撃の柵越え本数を数える日々にも少しずつ慣れてきました。 その中で、ひときわ強烈な打球で宜野座をわかせているのが、高卒5年目の井上広大外野手(22)です。左翼芝生に設置された阪神タイガース「歓迎」の看板を超え、防球ネット最上部に当たる推定130メートルの柵越えも披露しました。 飛距離の秘訣(ひけつ...
1月からアマチュア野球担当となり、2月初旬に東洋大姫路(兵庫)の岡田龍生監督(62)を取材した。1987年(昭62)から22年4月に母校の指揮官に就任するまでの長年の間、履正社(大阪)を率いた名将に、同校OBで私が昨年まで担当した阪神坂本誠志郎捕手(30)の高校時代の思い出を尋ねた。 昨年のシーズン中、坂本に「リードの原点は?」と聞いたところ、当時の恩師から...
阪神中野拓夢内野手(27)が自らを「推し」てくれている人気芸人との対面の日を楽しみにしている。 オードリー若林正恭(45)は父親の影響で幼少期から虎党。メディアを通じて父との野球にまつわるエピソードや推しの魅力を度々語っていた。中野のファンであることも公言。本人もそのことを知っており「もちろん応援していただけるのは本当にありがたいですし、逆に自分なんかでいい...
プロ野球の春季キャンプが始まって、2週間が過ぎた。阪神は27日のキャンプ打ち上げまで、折り返し地点といったところ。記者も踏ん張りどころだが、当然、選手は連日の練習で疲労がたまっている頃だろう。初の1軍キャンプに臨む若手なら、なおさらだ。 野口恭佑外野手(23)は、12日に沖縄・宜野座での1軍キャンプ地で行われた1、2軍合同紅白戦で元気がなかった。白組の3番左...
阪神の岡田彰布監督(66)が、記録ラッシュの年を迎える。 まずは勝ち星だ。04年から08年の第1期、そして見事にアレを成し遂げた23年と合わせ、阪神の監督として積み重ねた勝利は478勝にのぼる。 球団2位の吉田義男監督は484勝で、岡田監督はあと6勝。球団で唯一3期にわたって指揮を執り、85年には初の日本一を成し遂げた名将だ。同年には5番打者として打ちまくっ...
過去に高校野球担当をしていたので、当時取材した選手がプロにも複数いる。阪神西純矢もその1人。キャンプで再会して、少しばかり昔話もできた。 創志学園(岡山)時代に取材した記憶は鮮明だ。野球部グラウンドのブルペンで、捕手の真後ろ、球審に近い位置で投球を見せてもらった。真冬で、かなり寒かった記憶があるが、うなるような剛球を投げ込み、正捕手がイテテテテ…と顔をしかめ...
阪神は新戦力の投手陣に注目が集まる中、1軍沖縄・宜野座キャンプでは2年目左腕富田蓮投手(22)の「気配り」が随所に見える。同学年のドラフト2位椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)や現役ドラフトで加入した漆原大晟投手(27)にとって、初めての阪神キャンプ。周囲からの注目も含め、独特の緊張感があることだろう。そんな中で練習の合間合間に見られるのが、椎葉へ積極的にか...
今年から阪神担当になり、岡田彰布監督(66)の言葉に触れる機会が増えた。取材の場では野球についてはもちろん、社会人としても学ぶことがたくさんある。 12月に大阪市内で行われた岡田監督のトークショー。司会から「令和の理想の上司と言われているが」と話題を振られると「ええそうなの? そんなこと考えてやってるわけでもないし(笑い)」と率直なものいいで笑わせた。そして...
虎の4年目コンビが、今年も「宿命のライバル」に挑む。20年ドラフト1位の佐藤輝明内野手(24)と、同6位の中野拓夢内野手(27)には、避けては通れぬ難敵がいる。DeNAのスラッガー、牧秀悟内野手(25)だ。阪神の2人と同じ20年ドラフトで2位入団したハマの主砲が、通算記録争いで立ちはだかっている。 まずは佐藤輝。入団以来3年間で、68本塁打を積み重ねてきた。...