ニッカンプロ野球

巨人番記者

変化に恐れはない菅野智之、12年目のシーズンへ「しっかりいろんなことに挑戦」

笑顔を見せる巨人菅野智之(2024年2月撮影)

菅野智之投手(34)は己の探求と模索を続けながら、12年目のシーズンに突入する。 変化に恐れはない。「僕は別に変わることに対しては抵抗ない。いい時はやっぱり変えやすい。悪くなってから変えるっていうのはなかなか難しいこと。やっぱり自分がいい時にしっかりいろんなことに挑戦して、そういうスタイルも確立していかないといけない」。まず今の自分を体、調子を分析し、それに...

野球を通じ国を超えた交流、台湾遠征は連日大熱狂 阿部監督「選手としてやりたかった」

親善試合の会見に登壇して笑顔の、左から中信兄弟の平野監督、巨人阿部監督、楽天モンキーズ古久保監督(2024年3月1日撮影)

巨人が球団創設90周年事業の一環として台湾・台北ドームに遠征した。 2日中信ブラザーズ戦の観客3万7890人は台湾プロ野球史上最多。3日楽天モンキーズ戦も3万890人のファンが集まった。1日の練習から現地テレビカメラ18台、報道陣80人が集結するなど連日の大熱狂だった。 舞台の台北ドームは台湾初の多目的ドーム球場だった。昨年12月に開業に至った。立地も中心地...

ドラフト3位佐々木俊輔は自分に向き合いながら前進「不安でしかないです」

巨人対ヤクルト 試合前、言葉を交わす巨人佐々木(左)と徳光和夫氏(撮影・河田真司)

失敗はつきものだ。その失敗にどう向き合うか。巨人ドラフト3位・佐々木俊輔外野手(24=日立製作所)は自分と真正面から向き合っている。 中堅の開幕スタメンを期待されてキャンプは1軍スタート。宮崎キャンプ第1クールで、打球速度がチーム上位の170キロを計測。期待を受けて11日の紅白戦に「5番中堅」でスタメン出場した。 結果は4打数無安打2三振。守備では右中間の飛...

船迫大雅は危機感が原動力 高校時代の「不動心」忘れずプロの世界にくらいつく

巨人船迫大雅

巨人船迫大雅投手(27)にはオールドルーキーで入団した覚悟と危機感が原動力にある。 聖光学院-東日本国際大を経て、西濃運輸4年目の26歳だった22年ドラフト5位でプロ入り。オールドルーキーとして、即戦力の看板を背負った。それは見方を変えれば、厳しい現実があることも分かっていた。 「社会人の選手として仕上がっている状態で、即戦力だから取られた。結果を残して、当...

41歳担当記者キャップが赤鬼役で「福が来た」やる気と機動力に満ちあふれた若き日を思い起こす

鬼に豆を投げる巨人阿部監督(撮影・鈴木みどり)

赤鬼で若かりし頃を思い出した。3日、巨人の宮崎キャンプで阿部慎之助監督(44)による節分の豆まきイベントが特設ステージで開催された。記者陣の中から選出される鬼役に指名された。41歳。駆け出し時代に先輩からの指名でやって以来、2度目の鬼役だった。 球団が用意している鬼コスチュームを段ボールから取り出し、真っ赤な全身タイツとトラ柄のパンツ、角が生えたカツラで赤鬼...

ドラフト1位・西舘勇陽の光る“逆算力” 投球練習で満足せず開幕1軍へ先を見据える

自主トレでキャッチボールする巨人西舘(撮影・宮地輝)

巨人ドラフト1位・西舘勇陽投手(21=中大)の“逆算力”が光る。 新人合同自主トレは12球団で最も遅い13日にスタートした。球団によって調整ペースはさまざまで、第1クールからブルペン入りする投手も見られた。だが巨人の場合は投手、野手全員のメニューは完全に球団が管理している。「1人1人に合わせて…」ではなく、「投手」と「野手」でメニューが決まっている。 キャッ...

中川皓太、理想のリリーフ像とは?緊急登板でも「いつもと変わらず抑えてくるピッチャー」

巨人中川皓太(2023年9月30日撮影)

巨人中川皓太投手(29)には理想のリリーフ像がある。 「100%の準備ができない時も登板する可能性があるのが、中継ぎのポジション。急に登板することになっても自分の持っている力を出せるピッチャーはすごいなと思いますね」 中継ぎは出番がいつくるか分からない。試合に投げていない日も、裏では肩を作る日も多い。もしかしたら、抑えた日よりも、打たれた日の方が注目されるか...

息子の速球を「ごまかさず」受け止めた父の光景 ドラ1西舘親子の“空気”に刺激

いわて銀河鉄道・一戸駅には西舘投手の横断幕が掲げられている(撮影・黒須亮)

この1月から巨人担当になった。「入社1年目の…」という意識は捨てなければならない。毎日ドキドキしている。 4日、ドラフト1位の西舘勇陽投手(21=中大)が地元の岩手・一戸町で自主トレを公開した。朝イチの新幹線に飛び乗った。 この日の一戸町は最高気温3度。3日に雪が降り、一面銀世界が広がる。吐く息も真っ白だ。自主トレが行われる一戸町総合運動公園は駅から1キロち...

菅野智之からの金言、ベテランの気遣い、若手の必死さ…巨人担当記者3年間での得がたい経験

巨人菅野智之(2022年4月撮影)

記者という仕事は特殊なもので、経験し難い世界に身を置くことが出来る。 入社1年目の20年12月、何も分からないまま巨人担当になった。3年が経った。来年1月からはDeNA担当に配置転換されることになった。3年で世の中は変わった。コロナ禍真っ最中だったのがすっかり収まった。4年目ともなると後輩もできてボーナスもちょっとだけ上がった。 コロナ禍とは取材環境も変わっ...

大勢が懸命に戦う理由「野球が大好きなおっちゃん」プロ入りへの土台を作ったおじの存在

契約更改を終え、色紙を手に写真に納まる巨人大勢(2023年12月7日撮影)

プロ野球選手とは不思議なものだ。野球少年はいつかプロ野球選手になりたいと夢を見る。ファンは活躍する勇姿を見届けて活力をもらう。かたやそのプロ野球選手の友人は誇らしそうに、時には心配しながらも応援する。グラウンドで躍動することで、数え切れないほど多くの人の心を動かすことができる。 巨人大勢投手(24)の存在が生きる支えになった人がいる。今季初登板の4月2日の中...

菅野智之「プレーで魅せることは当然」オフも社会にできることを探す 病院訪問に寄付

サンタクロースの帽子を被り、子供にプレゼントを渡す巨人菅野(球団提供)

巨人菅野智之投手(34)は、プロ野球選手としてオフの期間も社会にできることを探す。 11日に神奈川・伊勢原市内の東海大医学部付属病院を訪問。病気と闘う子どもたちとの交流を深めた。プロ2年目の14年から始め、今回が10年目。「やっぱり長く続けることがすごく大切。引退するまで、現役でいられる限りは、この病院訪問は必ず続けようと思っています」と大切にする活動の1つ...

育成3年目の木下幹也、横浜高校時代“いつメン”度会隆輝に負けない

仲良く記念写真に収まる横浜高校の同級生4人。左から巨人木下、国学院大・冨田、DeNA度会、松本(本人提供)

話題のドラ1ルーキーに負けるわけにはいかない。巨人育成3年目の木下幹也投手(21)が燃えている。今年のドラフトで3球団競合の末、度会隆輝外野手(21)がDeNAに入団した。元ヤクルトの父博文さんという家系もさることながら、明るいキャラクターを爆発させて話題を呼んでいる。25日のファンフェスティバルではアニメ「ONE PIECE」の初代オープニング曲「ウィーア...

阿部慎之助監督が掲げる「困ったら、ど真ん中」“やれる方法”模索し実行したPTAイベント

謎解きの問題を解く児童たち

巨人阿部慎之助監督(44)が掲げる「困ったら、ど真ん中」「迷ったら、やれ」「愛されるチームを」は日常生活を充実させるための方法論にもなる。 小学2年になる私の息子が通う川崎市内の小学校で18日、PTAイベント「逃走中+謎解き」が開催された。児童、保護者ら総勢250人が参加した一大イベントは“脱コロナ禍”の象徴だった。保護者の有志23人が企画、準備を担い、当日...

増田大輝、育成から8年目…レギュラー獲りへシーズン最終戦の翌日から闘志メラメラ

巨人増田大輝(2023年9月20日)

シーズンが終了した直後の10月上旬だった。川崎市内のジャイアンツ球場で、巨人増田大輝内野手(30)が早くも黙々と汗を流していた。シーズンの疲れを抜く時期。ファームで過ごす若手選手ばかりの中、黙々と練習していた。「なんか家でダラダラするのも、おもしろくなくて。野球が好きなんですかね。(休みは)半日ですかね」。シーズン最終戦の翌日となる10月5日から始動していた...

戸郷翔征「ワクワクしたし勉強させられた」今季対戦122人の中で印象的だった打者とは

阪神木浪(後方)に中前打を許す巨人戸郷翔征(2023年8月10日撮影)

巨人戸郷翔征投手(23)は言った。 「すごくワクワクもしたし、勉強させられましたよ。いろんなことを考えさせられました」。2年連続の12勝でチーム勝ち頭となったシーズン。122人の打者と対峙(たいじ)した。1人の打者との対戦は特に印象的だった。「木浪さんですね」。阪神の38年ぶりとなる「アレのアレ」に大きく貢献した恐怖の8番打者だった。 「僕の対戦成績、悪かっ...

古巣オリックスの日本一連覇願う鈴木康平 日本Sでの対戦思い描き「おばKフォーク」特訓中

巨人鈴木康平

旧友たちの活躍をテレビ画面から目に焼き付けている。5月に広岡とのトレードで巨人に加入した鈴木康平投手(29)が、古巣オリックスの日本一連覇を願った。 甲子園の異様な熱気を自分のことのように振り返る。日本シリーズ第5戦。オリックスは2点リードしていた8回、リリーフ陣が崩れて一挙6失点で逆転負けを喫した。山崎颯、宇田川と侍ジャパンメンバー2人の投入も実らなかった...

菅野智之が語るエースにたどり着いた者の境地 周囲に技術、経験、思考を惜しみなく伝える

17年、並んでノックを受ける菅野智之(左)と現役時代の内海哲也コーチ

受け継がれる系譜がある。巨人菅野智之投手(34)は言う。 「ずっと僕は背中を追い続けた人なので。今でもやっぱり内海さんはこういう風にやってたなと思い出す時もある」 2013年の入団時。エースの看板を背負っていたのが内海コーチだった。その大きな背中、生きざまを見て、後を追った。東京ドームで使用するロッカーには、自らのネームプレートとともに「UTSUMI」のプレ...

ドラ4門脇誠「言葉に出せばかなう」という父の教え「1年間1軍に」目標に掲げ宣言通り達成

巨人対ヤクルト 9回裏巨人2死一、二塁、門脇はサヨナラ打を放ちガッツポーズ(2023年9月17日撮影)

言霊。巨人ドラフト4位の門脇誠内野手(22)は、言葉の力を大事にする。「言葉に出せばかなう」。父寿光さん(53)にそう教えられてきた。今季はドラフト指名されてから目標に掲げていた「1年間1軍に居続けること」を宣言通り達成。126試合に出場し、打率2割6分3厘、3本塁打、21打点の成績で1年目をフィニッシュした。 そんな門脇の1年間の覚悟に満ちた「言葉」を集め...

原監督が残した勝負に徹する執念 菅野智之から山崎伊織へ、脈々と受け継がれていく

10月4日、最終戦セレモニーで退任する巨人原監督は花束を手に引き揚げる。後方の大型ビジョンは涙をぬぐう菅野

涙の理由はきっとひと言では言い表せないだろう。 今季限りで退任し、最終戦でスピーチする巨人原辰徳監督(65)を前に、菅野智之投手(34)は涙を抑えきれなかった。おいっ子だからというだけではない。選手と監督として、互いに揺るぎない信頼があったからこそ。無言でマウンドを託されることもあれば、厳しい言葉でハッパを掛けられたこともある。今でも忘れられない。プロ入り1...

松田宣浩引退 エンターテインメントを技術に昇華できる、それが「熱男」

引退セレモニーで熱男ポーズを披露する松田(撮影・狩俣裕三)

巨人松田宣浩は1日の引退セレモニーで4万人と「熱男」を叫んだ。ナインから胴上げされ、より現役生活への別れの実感が込み上げてきた。セレモニー後、代名詞となった言葉への思いを口にした。 「今日でユニホームを脱ぎますので、野球選手として、熱男っていうのは自分自身できなくなる。自分が守り続けてきたものでもある。来シーズン以降、熱男という言葉が野球界からなくなるってい...